映画 「ハッカビーズ」

molmot2005-09-05

155)「ハッカビーズ」〔i ♥ huckabees〕(新宿武蔵野館) ☆☆☆★

2004年 アメリカ カラー シネスコ 107分  
監督/デヴィッド・O・ラッセル    脚本/デヴィッド・O・ラッセル ジェフ・バエナ    出演/ジュード・ロウ ナオミ・ワッツ ダスティン・ホフマン リリー・トムリン

 デヴィッド・O・ラッセルの実に「スリー・キングス」以来となる新作となれば、何をおいても駆けつけなければならないが、最近の恵比寿ガーデンシネマの同時拡大公開路線に反して、本作は新宿武蔵野館ではガラガラだった。ま、商業的には微妙な線の作品で、スパイク・ジョーンズなり、ミシェル・ゴンドリーあたりが撮れば、もう少しラブストーリー要素を加味して、客を引き付けられたかもしれない。
 部分部分が面白い作品だった。殊に自転車の走りが数回あるが、いずれも突出して素晴らしい。
 しかし、哲学することに引きづられた感があり、膨大な科白の処理を当然ながら悪くないデヴィッド・O・ラッセルの映像で見せていくわけだが、こういうのなら「エターナル・サンシャイン」みたいにした方が良いなと思ってしまう。デヴィッド・O・ラッセル自身も脚本に加わり、又自身を投影した作品になるらしく、そのあたりが「スリー・キングス」のバランスの取れた佳作ぶりとは趣を異にする。
 篠田昇みたいな髪型のダスティン・ホフマンが邪魔だとか、ナオミ・ワッツやイザベル・ユベールが実に良いとかあるのだが、食い足りない作品だった。