伊丹十三の「ゴムデッポウ」が上映される

伊丹十三の本
 コチラにあるように、遂に「ゴムデッポウ」が上映される。この時をどれだけ待ち望んだことか。
 卒論に「映画監督伊丹十三 食と性への固執」というのを書いた時、問題が幾つかあった。最大の問題は文自体が良くないということだが、それは仕方ないとして、観ることができる伊丹十三の作品が少ないことだった。勿論、監督作全10本は中古ビデオで全て揃えていたし、メイキングも1本を除いては発売されているものは同じく中古で全て揃った。その1本とは「タンポポ撮影日記」で、何故か入手不可能で、先ごろDVD化されるまで全く入手できなかった。何でも公開前に放送したら出来が良すぎて劇場の入りに響いたというイワクつきのものである。
 それ以外にもCMやテレビでのドキュメンタリーなど観たいものがあったが、観ることは適わない。映画監督伊丹十三と題しているのだから、映画のみに限れば良いではないかとも言われたが、それならそれで最大の問題が「お葬式」以前に伊丹が撮った処女作「ゴムデッポウ」を観ていないということにあった。この作品の存在を知ったのは淀川長治の自伝に書いてあったのを読んだ時だから小学校5、6年の頃か。以来、観たい観たいと思い続け、このブログを始めてからもこれだけ話題にしているが、「伊丹十三の本」が出た時もこれを機にと願ったが何も起こらず、諦めかけていた時に年の瀬も迫って実現する運びとなった。12月27日(火)、場所は草月ホール。入場料千円である。これを安心して書いているのも先ほどチケットを既に入手したからではあるのだが。
 兎に角15年来の望みが実現したわけで、ひたすら嬉しい。あとは年末に目黒の9階建てマンションの屋上から飛ばないようにするだけだ。窪塚は助かり伊丹は死んだ。