市川崑×石坂浩二「犬神家の一族」リメイク2007年公開

molmot2006-01-27

 以前、いいかげんな情報として市川崑の新作が「本陣殺人事件」という噂を聞きつけたことがあり、又、石坂浩二のパーマヘアは金田一のためではないのかと推測したことがあったが、結果は半分当たり、半分外れた。
 確かに今年が「犬神家の一族」公開から30年ということは知っていたし、横溝正史生誕100年の際に角川が木村拓哉金田一で「犬神家の一族」をリメイクする企画が上がるも潰れたとかいう噂を聞いたこともあった。しかし、まさか市川崑×石坂浩二で「犬神家の一族」をリメイクするとは思いもしなかった。石坂浩二が再び金田一を演じてくれるのは、「女王蜂」公開の年に生まれた者としては、遂にリアルタイムで石坂=金田一を観ることができるという悲願が達成されるわけで、この喜びをどう語れば良いのか。10年前に市川崑が「八つ墓村」を監督するという震えるようなニュースを聞いて狂喜したものの、金田一石坂浩二ではないと知った時の失望は大きく、昨年市川崑が「本陣殺人事件」をやるのではないかと囁かれた時に、このご時世だから、また金田一はテキトーな奴が、それこそ木村拓哉とか言いそうな雰囲気だっただけに、石坂浩二を主演に据えた英断を称えたい。
 しかし、角川映画の保守性には呆れる。昨年の「戦国自衛隊1549」にしてもそうだが、今や旧角川映画大映の各作品の再利用しか考えていないのではないか。角川春樹が安易なリメイクには見向きもせずに(「用心棒」と「椿三十郎」のリメイク問題はあるが)、果敢に新作に取り組んでいるのとは対照的である。
 市川崑石坂浩二が27年ぶりに金田一をやると言うならば、何を置いても市川崑がやりたがっていた「本陣殺人事件」をやるべきではないのか。市川崑はもう90歳である。或いは、このリメイク版「犬神家の一族」のヒットによって第二弾として「本陣殺人事件」を期待するべきなのか。
 兎に角、市川崑石坂浩二金田一をやるということを、ひたすら喜びたい。
 尚、製作発表が角川大映撮影所で行われたところを見ると角川映画制作だけに東宝ではなく、コッチで撮るんだろうか。そうなると、「ど根性物語 銭の踊り」以来42年振りに市川崑大映撮影所で撮影することになる。配給は東宝で、4月にインして10月完成、来年公開とのことである。10月完成と言うことは、東京国際映画祭に出品されるのだろう。市川崑の健康を祈って、完成を待ちたい。後、浅野ゆう子だけは絶対使わないでと。役者層の圧倒的薄まりが最大の心配のタネである。
 因みに石坂浩二は「獄門島」以降はカツラを使用したと当時明言していたが、またカツラ使えば良いではないかと。何故伸ばしているとか、恰も頭に毛があるかのように振舞うのかと。因みに今回の会見中、石坂は『いい意味で“使用前・使用後”になればいい』とカミングアウトとも取れる発言をしている。