ヒデキを遠慮なく持ち出す

 前々から予告が出た段階で違和感があったが、なんでデアゴスティーニから出ている『週刊日本の100人』は信長、龍馬、家康に続く第四弾が東条英機なんだろうか。で、チラと中を見ると、例の有名な『夜な夜な民家のゴミ箱を漁っては贅沢品を食べてはいないかと首相みずからチェックしたという話』が、国民の健康状態をチェックする為に行った美談にスリ替わっていたりと、ヒデキが偉人のような扱いに。慎太郎や佐々ですらヒデキを嫌ってるのにそんなに美化してどーするんだろうか。そのうち紙幣になるような時代が来るんじゃないかと。
 個人的にはヒデキには興味があり、中2の時に吉田喜重の「戒厳令」を初めて観て、低予算でもこれだけ豊かな映画が撮れるんだと驚き、こういう作りで東条英機を描いてはどうかと思った。東条役は、大竹まことで。獄中の東条を描くとか死刑執行前後とかで。だから、「プライド 運命の瞬間」には期待したが、プロパガンダにもなっていないゴミのような失敗作だった。
 獄中のみという意味では足立正生の新作「テロリスト 幽閉者」は岡本公三をモデルに全篇に渡って獄中を主に描くそうであるから期待している。因みに主演は田口トモロヲで、看守役は山本浩司と、「東京ハレンチ天国 さよならのブルース」な二人の共演がミモノだ。ところで荻野目慶子はどういった役なのだろうか。まさか、突如中盤で獄中に現れて民族の団結を訴えたりと大島な展開の中で登場するのだろうか。