松江哲明新作「24 REAL SEX 苛めて悦び濡れる女との24時間セックス」

 「AV OPEN」の詳細についてはコチラを参照
http://www.av-open.com/avopen/
 AVについては、ココには特定の監督の作品を書くぐらいで、最近はかなり観ている本数も減り数えるばかりとは言え、普段実際に観ている作品については書いたことがないが、ま、言ってしまえば最もこれまでセルで購入していたのがソフト・オン・デマンドで、数年前までは月に3本は購入していたが、それと言うのもユルユルの90年代中盤までのバラエティ的ノリが好きという理由だけで、殊更に作品として優れているとも面白いとも思わないが、安価だし、気楽に観られるという理由が大きい。ま、今でも月2回の新作ランナップをマメにチェックはしている。
 で、SODが主催するセルAVの売り上げを競うというさほど興味も引かない催しに俄然注目するのは、若手ディレクターが参加する部門もあり、その中に『赤裸々ドキュメンタリスト』(笑)の松江哲明も参加するということで、個人的には、遂にSODと松江哲明の融合が!と勝手に盛り上がっているのだが、SODの企画の自由度にハマジム的要素が入ればさぞかしという思いを抱いていたのと、松江哲明による鬼畜モノを観たいと思っていたので、今回発表された新作「24 REAL SEX 苛めて悦び濡れる女との24時間セックス」は既にタイトルからして往年のV&Rっぽさが出ているが、作品の詳細を読むと、正しく「水戸拷問」になっていて、期待せずにはいられない。
 SODの新人監督の企画を取り上げた催しは7年程前にもあり、数本纏めて出たことがあったが、「竹内えりかの全裸でヨガを教えます」他2本程観てみたが、企画倒れ以前に撮影も含めて商品として成立していなかった。その点今回は商品を撮れる監督が並んでいる模様なので、映画側から松江哲明だけを特別視して観るのは下品なので、その他の作品も含めて見てみたい。
 現在鬼畜系と言えば、極端なモノになると、最近とうとう社長も捕まったという噂のバッキー(後にコレクターに名称変更)の一連の作品があるが、自分は「大惨事うんこ大戦」を観ただけでだが、単に本当に鬼畜なだけでタイトルだけは良いとしても内容はゲンナリするだけの嫌悪感しかないものだった。とても「水戸拷問」シリーズ等に見られたエンターテインメント性など微塵もなかった。以前、女性団体が延々とカンパニー松尾平野勝之の作品を取り上げて参考上映までやりながら批判しているサイトがあったが、実際に被害者も居るバッキーこそを批判したらどうか。
 自分が松江哲明による鬼畜モノを観たいと思ったのは、作品に登場する松江哲明が実際同様感じが良すぎるので、むしろ悪意が全開になった作品を観たいと。例えば鬼畜モノを撮らざるをえない状況に陥ったらどうなるだろうかと。「赤裸々ドキュメント」でも終盤に至るまで天宮まなみに対して監督として上段から振舞う素振りを存分に示した上でラストに大逆転が訪れて関係が逆転してしまっていたが、例えば仕事上鬼畜モノを撮ることになるも撮影後後悔する姿とか責めが甘くなってしまうとか、鬼畜になりきれない松江哲明の姿だとか、そんなものが観たいと思っている時に観たのが「童貞。をプロデュース」で、ここでの松江哲明は、童貞Kに対してサディスティックに振舞う。ここから「24 REAL SEX 苛めて悦び濡れる女との24時間セックス」への流れは当然繋がっているのではないかと思われるので、『松江哲明サディスティック』という括りから(椎名林檎の曲みたいだが)、新たな松江哲明の作品の流れが出てくるようにも思う。
 学生の頃、「水戸拷問・不完全版」を中古ビデオで見つけて友人と嬉々として観た際、果たして自分達の世代がこういった作品を撮ることができるのかというハナシをしたことがあったのをフト思い出したが、既に松江哲明は単なる郷愁的意味合いではなくV&R精神を継承して自身の表現に結び付けているが、「24 REAL SEX 苛めて悦び濡れる女との24時間セックス」はどうなのか、期待したい。