「若松孝二 初期傑作選DVD-BOX3」発売延期の末に作品差し替え

　再三に渡って発売日が変更を繰り返している「若松孝二　初期傑作選DVD-BOX3」。既に「4」も先月発売されたというのに、「3」は現段階では7月発売となっている。プレスでミスったかと思っていたが、フト紀伊国屋のサイトを見れば、収録作品が一部変更されている。
http://www.kinokuniya.co.jp/02f/d12/2_12000n_8.htm#wakamatu3
　「性輪廻　死にたい女」が収録されると予告されていたのが、「現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行」に変更となったようだ。単純にフィルムの状態が思わしくないとかなら良いが、「性輪廻　死にたい女」は楯の会をモチーフにしているので、その辺りと関係があるのかどうか。この作品は青山ブックセンターとポレポレ東中野で夫々観ているが、よくまあDVD化するなと思ったものだが。作品の質としては低いが、とは言えDVD化は楽しみにしていた。それだけに中止となったのは残念だが、この作品よりも遥かに完成度の高い「現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行」がDVD化されるのは大きな喜びで、昨年ポレポレで初見だったのだが、佳作だった。大体、自分は若松孝二　初期傑作選DVD-BOXの企画を聞いた時、当然「血は太陽よりも赤い」「日本暴行暗黒史　異常者の血」「新日本暴行暗黒史　復讐鬼」「通り魔の告白　現代性犯罪暗黒篇」「現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行」といった傑作級の、あまり現在顧みられることのない作品が取り上げられると思っていたので、「現代性犯罪絶叫篇 理由なき暴行」だけでもDVD化されるなら嬉しい。個人的には「通り魔の告白　現代性犯罪暗黒篇」は若松の最高傑作の一本だと思うので、紀伊国屋からのシリーズが継続してDVD化してくれると有り難いが。