映画 「立喰師列伝」
103)「立喰師列伝」(シネクイント) ☆☆☆
2006年 日本 カラー Production I.G/立喰師列伝製作委員会 ビスタ 104分
監督/押井守 脚本/押井守 出演/吉祥寺怪人 兵藤まこ 石川光久 鈴木敏夫 樋口真嗣
相変わらずのやりたい放題だが、本来芸術映画として昇華してしまえば世間的な格好がつくものを、押井守の娯楽志向との乖離が作品を不可思議な地点に持っていってしまうという点が、今更押井守の作品に言うのも何だが良いことなのか、悪いことなのか。
アニメ一辺倒の方は後半が良いと言っていたが、個人的には前半が面白かった。押井守による戦後日本史のダイジェスト。この世界観に中ではウルトラマンとして出てくるのは、庵野秀明による「ダイコン版帰ってきたウルトラマン」だったりする(突然庵野ウルの8mmに変わった時は驚愕した)。全共闘、連合赤軍への言及も興味深かった。
作品としての魅力は、膨大なモノローグと共に随分と薄まった。