映画 「隠された記憶」「夜よ、こんにちは」「ファザー、サン」

molmot2006-05-26

 今日で終了の「ファザー、サン」と「ナイスの森」を観る為にQ-AXビルへ向かおうとするが、道すがら電話で仕事がらみのハナシをしていたら、あっという間に時間が経ち、見事に「ナイスの森」を見逃す。とは言え、既に前売りも捌けているので、見限りつつある石井克人一派の映画に1800円払ったり、それに150分も付き合うのは疲れるなあなどと思っていたが、それでも観ないでトヤカク言うのは最低であるし、石井克人の作品に限ったことではないが、よくこんなの観に行くなと言われる作品であっても、毎度面白いかもしれないという期待に胸膨らませて上映を待つ身としては、観ないわけにはいかないので、Q-AXでは終わってもバウスなり名画坐でやるだろうと予想しているので、そこらでかかってから観ることにしようと決め、ではせっかく渋谷に居るのだから「ファザー、サン」までの間、溜まっている未見の作品を消化しようと思い立つが、渋谷のミニシアター系列の作品を安価に観るには、水曜千円を実施している劇場の作品は極力水曜に観るようにし、日曜最終回千円のル・シネマやシネマライズライズXは混むのを我慢して日曜に極力観るようにしているが、一方でミニシアター共通券という1枚1300円のチケットを3枚綴りで購入することができるので、前売り券の値段と比較して安価な場合はコレを使用する。殊にイメージフォーラムなどはこの券でよく観る。ところが、移転前までこのチケットが有効だったユーロスペースが移転後は使えなくなってしまった。更に言えばQ-AXはそういった割引を実施していないので、前売りが買えなかったら定価を払うハメになる。
 ユーロスペースに関してはシネマヴェーラと共通の会員券を発行しているので、それに加入すれば安く観ることは可能なので、そろそろ加入しようかとは思っている。
 というわけで、値引きが少ない劇場且つ観たい作品を大量上映中ということで、ユーロスペース系の作品を集中的に消化することにする。
 今回は「隠された記憶」と「夜よ、こんにちは」は1400円の前売りを購入し 、「ファザー、サン」は以前のソクーロフ特集の半券提示で1200円で観ることにする。
 ところが、問題が起こった。全く知らなかったのだが、今日の「夜よ、こんにちは」の夜の回は、「イタリア人にとっての“モロ事件”」としてNHK教育イタリア語会話に出ているモニカ・ブレッサッリアのトークショーが頭に付くので終了時間が押すと。従って「夜よ、こんにちは」終映後では隣の劇場でレイトの「ファザー、サン」は既に予告上映中辺りになってしまうという。しかも最終日だから混雑が予想されるという。後から考えれば、「隠された記憶」も「夜よ、こんにちは」も、今日で終わりではないのだから何も一気に3本観る必要もないのだが、時間がある時に観ておかないと見逃したら困るという貧乏性が出て、別に立ち見でも構わないと何故か決めてしまい、無茶な工程を歩むことになる。
 とは言え、「隠された記憶」も「夜よ、こんにちは」も素晴らしい秀作で、これだけ良い作品を連続で、しかもド真ん中の自分の好みの席で観られたのだから、「ファザー、サン」は立ち見で我慢しようと思っていたら、「夜よ、こんにちは」終映後、外に出てみると未だ入場が開始されておらず、こちらもスルスルと入場できて堪能することができて幸いだった。
 しかし、本来1本づつじっくり味わうべき秀作3本を一気に観てしまったのは、不味かったと思う。

106)「隠された記憶」〔CACHÉ/HIDDEN〕(ユーロスペース) ☆☆☆★★★

2005年 フランス・オーストリア・ドイツ・イタリア カラー ビスタ 119分 
監督/ミヒャエル・ハネケ    脚本/ミヒャエル・ハネケ    出演/ダニエル・オートゥイユ ジュリエット・ビノシュ モーリス・ベニシュー アニー・ジラルド ベルナール・ル・コック

107)「夜よ、こんにちは」〔Buongiorno, Notte/Good Morning, Night〕(ユーロスペース) ☆☆☆★★★

2003年 イタリア カラー ビスタ 105分 
監督/マルコ・ベロッキオ    脚本/マルコ・ベロッキオ    出演/マヤ・サンサ ルイジ・ロ・カーショ ロベルト・ヘルリツカ ピエル・ジョルジュ・ベロッキオ ジョヴァンニ・カルカーニョ

108)「ファザー、サン」〔Father and Son〕(ユーロスペース) ☆☆☆★★

2003年 ドイツ・ロシア・フランス・イタリア・オランダ カラー ビスタ 84分 
監督/アレクサンドル・ソクーロフ    脚本/セルゲイ・ポテパーロフ    出演/アンドレイ・シチュティーニン アレクセイ・ネイムィシェフ アレクサンドル・ラズバシ マリーナ・ザスーヒナ フョードル・ラヴロフ