映画 「悶絶!!電車男」「ヒモのひろし」

R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.1  Bプログラム:オタクとヒモの愛し方。

 ピンポレ第二夜。2本共未見なのはこのプログラムだけなのだが、時間が空きそうになかったので危うくパスしかけたが、行って良かった。「ヒモのひろし」を観ることができて。至福の一時を過ごし、平沢里菜子が「かえるのうた」よりも更に凄い演技を見せていることに驚き、あ、ことヒト、うまく行けば林由美香越えるな、と思う。
 帰りに東中野駅近くで千円拾う。近くに交番見当たらないなー、と非常に大変困る。

104)「悶絶!!電車男」〔痴漢電車 挑発する淫ら尻〕(ポレポレ東中野) ☆☆

2005年 日本 カラー 新東宝 ビスタ 分 
監督/友松直之    脚本/大河原ちさと    出演/北川明花 武田勝晴 北川絵美 華沢レモン 飛田敦史

 元ネタに全く興味が沸かなかったので、日本映画専門チャンネルで放送していることだし、そろそろ観るか程度の認識なので、パロディとしてどの程度踏襲されているのかはよく知らないが、童貞喪失シーンを直接的に描けるという意味では正にピンク向きだが、感心したのは幽霊列車と幽霊という設定を持ってきたところ。幽霊達に関しては、もっと過剰に兵隊とか居たり、時代性が広くても良かったようにも思う。
 国映の作品ばかり観ていると、他社の作品を観て、ゲンナリしたり、これが普通のピンク映画だよなと再認識することもあるが、本作に関しては、内容以前に顔のアップが多すぎて嫌悪感を催す。しかも平面的な真正面から捉えたアップの連続で、映画からかけ離れた表情を延々見せられるのが苦痛だった。

105)「ヒモのひろし」〔SEXマシン 卑猥な季節〕(ポレポレ東中野) ☆☆☆★★

2005年 日本 カラー 国映/新東宝/Vパラダイス ビスタ 分 
監督/田尻裕司    脚本/守屋文雄    出演/吉岡睦雄 平沢里菜子 藍山みなみ 佐野和宏 川屋せっちん
 
 その点本作など、開巻から映画としか言い様がなく、吉岡睦雄が疾走してきてストップモーションとなって「SEXマシン 卑猥な季節」とデカデカとタイトルが出るところからも既に嬉しくなる。
 バス停のロングや、川上からの移動しながら捉えられていく風景の確かさや、橋を渡る平沢里菜子の姿をロングで捉えた美しさ、子供の扱いや表情の見事さなど、素晴らしいショットに満ちている。
 それにしても驚いたのは平沢里菜子で、この作品は昨年の9/13にインしている筈だから「かえるのうた」より後ということになるが、驚くような演技を幾つも見せてくれる。殊に二度ほど振り返る姿をバストサイズで捉えたショットがあったが、これが凄い。フィルム映えしていると単純に言っているどころではなく、前述したような林由美香越えすら妄想してしまったのは、以前平沢里菜子新文芸座で遠目に見た際、林由美香の二面性の片面を持っているヒトなんではないだろうかと漠然と思ったからで、その時は冷酷さや強さを感じたが、本作ではそんな偏見を無効にして、多様な演技者であることを見せてくれた。
 吉岡睦雄と平沢里菜子がシーツの中の白い空間に居るのを捉えたショットに驚いたり、愛すべき登場人物達に魅せられた。終盤の破天荒な展開も演出が揺るがないので何が起きようとも受け入れることができた。