『大魔神』の監督は三池崇史

 今やテレビ雑誌よりも情報依存が過ぎていて、イカンと思いつつも常時アテにしているid:eichi44さんとこの、このネタを読んで、アッと思う。
http://d.hatena.ne.jp/eichi44/20060531/p4
 角川が「沈まぬ太陽」の映画化を発表したのは知っていたが、他のラインナップも発表になっていたようだ。詳細はコチラ→http://kadokawa-herald.co.jp/movie/movie_lineup_n.html
 「沈まぬ太陽」自体は、徳間大映時代に東映と合作で作るというハナシが発表されたものの、その後の徳間社長の死去でポシャったなと思っていただけに、角川に吸収後も企画が残ったんだという思いだが、誰がホンを書いて、誰が撮るのかとなると、難しい。原田眞人か、森田芳光あたりが無難か。是非墜落シーンには『もうダメかも知れんね』『ドーンと行こうや』の名台詞を入れていただきたい。バックに『見上げてごらん夜の星を』を流しながら、ドーンと行くシーンを期待したい。
 で、問題の「大魔神」だが、リメイクの噂は徳間大映時代からずっとあり、実際2001年だかに京都でやるというハナシになっていたようで、小池一夫が「大魔神」の脚本書いたと2000年頃授業で言っていた。順序は知らないが、その後筒井康隆が書いたものが出版されたが、これには桂千穂も参加していたらしい。撮影は京都でやる予定だった時はオリジナル版同様、森田富士夫が撮ると言われていたし、実際学生にも声がかかり始めていた。監督は誰が撮ることになっていたのか失念したが、いつの頃かは知らないが周防正行も声がかかったと自ら語っていた。個人的には怪獣映画並びにその周辺特撮映画は全て金子修介に預けておけば問題ないと思っているので、「大魔神」も金子修介で良いじゃないかこの際、と思っていたものの、三池崇史なら良い。と言うのも昨年の「ウルトラマンマックス」での上出来具合に感心したからで、かなり期待して良さそうだ。「妖怪大戦争」も悪くはなかったが、変に現代に持ってきたりファンタジー色が強くならなければ幸いである。
 他の作品では既に発表になっているものを除けば、注目は「鳳凰」という笑わせるタイトルの作品で、角川一族の歩みを映画化するのかとか思ったが、そーではなさそうだ。
 大林宣彦が浅岡ルリ子主演で撮る「冬の花火」は、「理由」で再び生気を取り戻した感があった大林が、久々に角川映画を撮るという、インディーズとメジャーをせわしなく往復する全盛期を彷彿とさせて嬉しい。既に現在も例のフォークシリーズみたいな連作を撮っているらしいが、そっち方面ばかりでは困るなと思っていたので。
 森田芳光の「サウスバウンド」も期待だが、現在噂になっている某リメイクもやるとしたら、森田芳光角川映画を股にかけた男ということになる。
 「バロン西(仮題)」の監督が竹山洋となっているが、脚本の間違いでは‥まさか監督デビューか。
 何にしても、市川崑大林宣彦森田芳光篠田正浩(企画・脚本のみ)と往年の角川映画を支えた監督達が再び駆り出されている状況は悪いものではない。少なくとも戦車が戦国時代に行く某リメイクとかで、脚本初めて書いたみたいな奴に書かせたり、怪獣映画を三本程撮っただけの酷い監督を連れてきたりするよりも、遥かに安定感があり、商品を作れる(とは言い難い作品もかつて撮っちゃってる人たちではあるのだが)監督達ではある。そこに三池崇史滝田洋二郎らが加わった上で渡辺謙作らも居るという状況は面白い。
 角川春樹佐藤純弥に続いて澤井信一郎に大作を任せるのも、メジャー大作であっても商品になっていない作品を平然と差し出してくる現況への不信から、近年一線や大作から縁遠かった監督達を召還する理由だろう。
 新旧角川映画に期待したい。