古本 「映画評論 1970.08」「映画評論 1973.05」「映画評論 1974.05」「映画評論 1974.07」

22)「映画評論 1970.08」(映画出版社)
23)「映画評論 1973.05」(映画出版社)
24)「映画評論 1974.05」(映画出版社)
25)「映画評論 1974.07」(映画出版社)

 夫々100円で購入。これぐらいが最も手頃な相応の価格。今回は何故かドキュメンタリーの脚本掲載号ばかりを購入。今村昌平の「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」、土本典昭の「パルチザン前史」、原一男の「さようならCP」「極私的エロス 恋歌1974」が夫々掲載されている。
 どうせ、完成台本に違いないので、ドキュメンタリーの脚本なんて、ソフト化されていない場合ぐらいしか有効性がないと思っていたが、画面を見詰めるだけでは見えてこないモノが読むことによって分かってくることもあり、DVDでかなりの作品がソフト化されていても、再見しながら脚本を読むことで、異なった視点から作品に接することができる。
 「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」は来月、シネマアートン下北沢新文芸坐で上映されるので、何故か上映の度に見逃していたので、ようやく観ることができる。肖像権の問題でソフト化できていない唯一の今村作品。
 大傑作「パルチザン前史」もソフト化されていない。あの大好きな予備校のシーンで、滝田修が生徒に向かって、大学粉砕を叫びながら予備校で教える自己矛盾を関西弁で陽気に喋るのが忘れられない。
 この頃の「映画評論」は面白いので、他の記事も諸々興味深いが、凄いのは『ホモだからって他人に迷惑をかけるわけじゃないんだ』というタイトルの一文。誰だ、こんなの書く奴は、と見ると‥今野雄二。嗚呼、魂の雄叫びみたいなタイトルですな。