PFFの「狂った一頁」と入選作50本連続上映

 15日に発表されたPFFでの<サプライズ上映企画>。内田けんじと荻上直子が『私を変えたこの1本』として選んだ作品を上映するというもので、過去に熊切和嘉が「犬神家の一族」を選んだりして(一瞬熊切和嘉が「犬神家の一族」をリメイクしたのかと勘違いし、さぞかし壮絶なスプラッタ描写に満ちた犬神になっているだろうと思ったものだ)、意外な選択があるので面白い。しかし、往々にして割と観る機会の多い作品が選ばれることが多く、今回も内田けんじが「幕末太陽傳」を選んでいるのを目にして、ほら見ろ程度に思っていたが、荻上直子衣笠貞之助の「狂った一頁」を選んでいるのには驚いた。この作品、8年程前に高槻松竹で観たきりなので、再見したかった。が、上映は7/17、17:35からなので、モロにルビッチと被っている。「狂った一頁」かルビッチか、それが問題だが、ルビッチは既に高いチケットを買っているし、「狂った一頁」は既に一度観ているから泣く泣くパスするが、同じ時間にやるなんて、双方1日1回のみの上映だし、贅沢の度が過ぎると思うが、未見の方は「狂った一頁」はご覧になると良いかと。淀川長治蓮實重彦が二人して「狂った一頁」を罵倒したので、一部に低く見る嫌いがあるようだが、確かに自分も大傑作などとは思わないが、優れた美しい作品且つ、あまりのモダンさに圧倒される。精神病院もの実験映画の最高峰に位置する。
 一方、全く知らなかったのだが、7/29〜8/4迄、ユーロスペースで、「PFFスペシャル」というのが行われるそうで、公式サイトはコチラ→http://www.pia.co.jp/pff/event/pffsp2006/index.html
 『PFF過去の名作群、約50作品を一挙上映』だそうで、詳細は明らかになっていないが、8mm版「犬猫」なども上映される模様。個人的には「雨女」や、中島哲也岩井俊二の入選作が観たいなあ、という思いだが。