雑誌 「キネマ旬報 8月下旬号」「ダ・ヴィンチ 2006年 09月号」

61)「キネマ旬報 8月下旬号」 キネマ旬報社
62)「ダ・ヴィンチ 2006年 09月号」 メディアファクトリー

ダ・ヴィンチ 2006年 09月号 [雑誌]
 61)黒木和雄追悼特集が充実。原田芳雄インタビューも先頃の映芸とは別視点から纏められていて有益。殊に晩年の量産を、時間がないと思っていたのではないかという考察に驚く。最後の2作を脚色せずに戯曲そのままでやったのは時間がないことを知っていたのではないか、と。「紙屋悦子の青春」は「父と暮らせば」の2,3ヵ月後に撮入する予定だったとか、原田にこれは直ぐ撮り終わるから、次は股旅物をやりたいから企画を考えておいてくれと言ったと聞くと、そう順調に新作を重ねることができた監督ではなかっただけに晩年の怒涛の新作は、残された時間にどれだけ作品を残せるか必死だったのだなと思う。山中貞夫の自伝映画では原田芳雄大河内伝次郎を演じる予定だった由。
 又、日向寺太郎が語る黒木との現在においては珍しい師弟関係に感動する。