訃報 丹波哲郎死去


大霊界~死んだらどうなる [DVD] 大霊界2~死んだらおどろいた!! [DVD] 大霊界3~死んだら生まれ変わる [DVD] 大俳優 丹波哲郎
 一切合切の宗教を幼少時から嫌っていた割には、唯一個人的に信奉したことがあるのがタンバで、それはもう『大霊界』シリーズを10歳とかで自発的に是非もんで劇場に行きたいと向かっていたぐらいだから、よほど好きだったのだろう。一時期大量に出していたタンバの霊界本もかなり読んだり、丹波主催の来世研究会に10代前半で会員になったりと、まあ、後から思えばタンバの霊界バナシは、基本的にスウェーデンボルグとは言え、変な宗教に走るよりはこの程度で済んでいて良かったと思っている。つまりは、この程度では駄目だ、もっと深く霊界を学びたいとは思わず、完全に丹波止まりで、せいぜいスウェーデンボルグをちょいと齧ったくらいで、特にそれ以上興味を示さず、そこだけの情報で自身の無信教によって存在する一定の空白域が埋まったので、それで一生分コト足りるな、と。胡散臭さと安っぽさと映画との密接具合を考え合わせると、ダイサクでもリューホーでもなく、タンバを選択したのは正しかったのではないか。
 とは言え、後に俳優としての丹波哲郎に惹かれた部分が大きく、面白いのがテレビでも映画でもいいかげんな作品だと、実にもういいかげんな芝居をするのだ。ところが、作品が良いとなると見違えるような素晴らしい演技を見せてくれる。晩年に山田洋次との邂逅があったのは、俳優として幸せだったと思う。
 肺炎のため死去。84歳だった。遺作は『日本沈没』になるのだろうか。
 それにしても、最近DVD化されたものの、購入に躊躇しまくっている「人間革命」の丹波哲郎が観たい。追悼上映に出てこなかったら、信濃町ではどこでも買えるというから行ってこようかと。実際良い出来だと言うし。笠原和夫が第三作の脚本を依頼されてリアル過ぎる勧誘工作を書いたら即ボツにされたそうで、「実録・共産党」といい、ギャラは映画化されなかろうが確実に取るらしいので、ワザとやってるんじゃないかと思うぐらい。