映画「太陽」

232)「太陽」〔THE SUN〕 (ワーナーマイカル板橋) ☆☆☆★★★

2005年 ロシア・イタリア・フランス・スイス カラー ビスタ 115分
監督/アレクサンドル・ソクーロフ    脚本/ユーリ・アラボフ    出演/イッセー尾形 ロバート・ドーソン 佐野史郎 桃井かおり つじしんめい 田村泰二郎 ゲオルギイ・ピツケラウリ

 DVDで2回観ているので劇場には行くことも無いと思い、パンフだけ買っていたのだが、千円日だし、シネコンでやってるしで行ってみることにしたら満席に近く、随分前方で観るハメになる。板橋だし空いていると思っていたのだが、たぶん銀座以外はかなり上映が終了しているので皆こっちに来ているのだろう。
 まあ、「ラストエンペラー」があれだけ大当たりする国なのだから、当たって当然という気がする。
 劇場で再見する気になったのは、輸入版DVDではマッカーサーとの会見シーンを全て把握できたわけではなかったので、確認したかったのと、ビデオ撮影なのでフィルムへの焼き具合がどうなっているかを確認したかった。
 作品の印象は以前書いた通りで変わらないイッセー尾形の凄い演技を大きなスクリーンで観ておいて良かったと思う。
 画質は前方で観たせいか綺麗とは言い難く、まあ、DVDで観てもビデオ画質に意図的にノイズを乗せたものなので、フィルムに持っていくのが難しそうなものなので、まあ、こんなものか。
 とは言え、あの悪夢的素晴らしさに満ちた空襲シーンの素晴らしさは劇場で観ると迫力があって良かった。
 肝心のマッカーサーとの会話部分は、やはり観直しておいて良かったと思った。ヒトラーを持ち出してくる箇所の微妙さや、広島と真珠湾を持ち出してきている際どさがありながら、それが左右にブレずに均衡を保ちながら作品の魅力を減じていないのが凄い。
 終盤の皇后との濃密なシークエンスも、やはり良い。