また今日も雑記形式で

 項目別に分けるのは、ちょいと後日。この形式だと十数分で書ききれるから、とりあえず。

 モーニングショーのテアトルの『LOFT』には起きれず。週末か来週中で。
 用件は夕方前に終わらせる。来週は東京国際映画祭にポツポツ特集上映を観に行く予定だが、やはり仕事が詰まる。結局寝れずに這いずり回ることになるだろうが、『幸福』だけは無理してでも再見する予定。

 で、開放されて神保町。古本で松田政男の『白昼夢を撃て』入手。1500円。1970〜1972年の映画批評集。いちばん面白い時期の批評なので目次だけで既に期待させる作品が並んでいる。
 先日見つけた『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』のポスターが別の店で安かったので買っておく。二千円。貼る場所ないのに。
 ついでに1977年のキネ旬も。これは『犬神の悪霊』脚本掲載号。以前知り合いが脚本載ってる『シナリオ』誌を持ってるとか言うからコピーさせてくれるよう頼んだら、勘違いでキネ旬だと言うので、それなら100円とかで入手できるから断って買いに行く。矢口書店は吹っかけてきた価格をつけているに違いないので別のバックナンバーが充実して安い方の店へ。一発で発見する。200円。
 
 『犬神の悪霊』は先日ようやく観ることができたが、これまで言われていたような単なる横溝ブームに当て込んだ三流の作品などではなく、伊藤俊也の脚本監督による秀作だった。自身で脚本と監督を兼ねているだけに伊藤俊也がどういった流れで本作を担当し、あんな内容になったのか興味があったので、キネ旬では巻頭特集が組んであり有益。対談が伊藤俊也×川本三郎(笑)。犬の首切りシーンはベルイマンの『処女の泉』の木を倒すシーンの引用とのこと。引用てあそこまで派手に変えれば別の表現ですわな。
 ただし、脚本に対するキネ旬の扱いは酷い。この時期、つまりは黒井和男編集長時代はミステリー・オカルトブームのせいで、その手の脚本掲載がよくあった。しかし、全部載せるとネタバレするというので、終盤をカットしたり公開後に続きを載せたりと、ストーリー紹介と混同したような、脚本軽視甚だしい馬鹿なことをやっている。こーゆーことするから黒井和男は嫌いだ。何と『犬神の悪霊』では、終盤の取り憑かれた娘と戦っている最中で脚本の掲載は終わってしまう。で、編集部からのお断りで、封切り後に日本映画紹介欄で詳細に記載すると書いてあるが、脚本が読めなきゃ意味がない。その場だけの思いつきでやっているのだろうが、こうして27年後に手に取ると資料性の大きな欠落となっている。これが評判悪かったのか、キネ旬では同年の『獄門島』の脚本は終盤を別の号に分載。1981年の『悪霊島』の脚本も同様な形で掲載している。

 
 アテネ・フランセで李一凡(リ・イーファン)・鄢雨(イェン・ユィ)監督の『水没の前に』(☆☆☆☆)。
 45分前に行っておいて正解。満席立ち見の出る盛況。傑作だった。完全にこの町に観客が連れ込まれた。町が沈む混乱と悲惨さがありながら、何かコトが起こる直前の胸騒ぎに包まれる。この感覚は『太陽の墓場』に近いものだろうか。ただし、こちらは国家に統制された中での混乱ではあるが。町のスペクタクル性に満ちた大掛かりな崩壊と、個による町の破壊の描写が素晴らしい。ハンマーの先が取れて横のオッサンの足元に飛んでいったり、鉄製の階段をバラしていたら、横の長い階段を手摺りがついた鉄の塊が下まで落ちていったりといった素人が危ないことやってるヒヤヒヤする描写を我が町のごとく見入ってしまう。