レンタルDVD  『進め!ジャガーズ 敵前上陸』『少女は挿入される生き物』

80)『進め!ジャガーズ 敵前上陸』 (前田陽一
81)『少女は挿入される生き物』 (堀内ヒロシ)

進め!ジャガーズ 敵前上陸 [DVD] 少女は挿入される生き物 [DVD]
 渋谷TSUTAYAがリニューアルオープンしたので行く。というわけではなく、偶々映画が終わって帰りがけに寄っただけだが、本日より改装明けということらしいが、まあ、2,3日でそう大々的に変わるわけもなく、内装をちょっといじって、階ごとの配置がちょいと変わってレイアウトが変わったということぐらいで、スタバが侵食してきたというぐらい。地下のCDが上に来ていたので映画側がどうかと思っていたが、まあ、詰め込んだ感じで前よりは探しやすいかと。後、邦洋共に旧作のDVD化されていてもレンタルされてなかったやつが増えたので、良いんじゃないかと。ビデオで持ってる、もしくは録画したやつがあるからDVDはいらないけど、レンタルはしてみたいというような微妙なやつが並んでいる。『キスより簡単2』とか『警察日記』とか『聖獣学園 』とか。
 そういう一本である80)を。初めてこの作品を知ったのは、当然、中原弓彦小林信彦→今号の週刊文春の連載は、原節子から長澤まさみ堀北真希に到るまで語っていて面白い。態々『ラフ』や『涙そうそう』をあの歳で観に行く小林信彦が好きだ)が脚本に参加しているからということで観た。DVDの画質はどうなのだろうか。松竹のことだから、そのうち2500円にするだろうから、その際に買おうと思っていたが。
 81)は、今年のAV OPEN参加作品でチャレンジステージ準優勝作品だが、前評判がもの凄く高く、安いことだし買おうと思っているうちにタイミングを失したと思っていたら、レンタルが出ていたので借りる。ハマジム作品。
 ところで、何で態々レンタルしたDVDとかを書くの?と聞かれたことがあったが、単純に、ダブって借りそうになることが多いので、レンタル店から携帯でブログ内の検索をして確認するためである。セルDVDでも同様で、買っても観ないものだから、同じものを買いそうになったり、シリーズでどこまで持っていたか微妙な時に確認するためだが、基本的にAVは態々書かない。何借りようが他人に見せるもんじゃない、と言いつつ『少女は挿入される生き物』や、カンパニー松尾平野勝之松江哲明等の作品なら、借りたり、買ったりすれば書いてしまう。それは、つまりヌキ用じゃありませんよ、作品として鑑賞するんですよ、と観る前から誰かに宣言しているようなもので、そのボーダーはどこで引いているのかと我ながら思うし、AV監督に対して失礼ではないかという気がしてしまう。ゴールドマンの作品なんか、最も長く観続けているにも係わらず一切書かないのだから。
 と言うような、普段気にしつつも流していることをフト思ったのは、この秋の『エロの敵』『女優 林由美香』の出版や、武智鉄二の特集上映を目前にする中、それらを加味する議題が持ち上がっていたからで、ようは今度『ユリイカ』が再びブログか文科系女子を特集すれば揃い踏みするであろう姐さん方が、夫々の立場の違いと、エロと作品の間に揺れるちょっとトウの立った乙女心を吐露している文章を目にしたからで、これは賛同者だけでなく、もっと幅広い立場の人が意見して良い話題だと思う。個人的には、議題とは些か外れるハナシだが、彼女たちのジャンルを越境した姿を読みたいと思う。と言うのも、『セキ☆ララ』公開時に劇場で販売されていた冊子『裸々裸三昧』の中で最も刺激的だったのは、雨宮まみによる「ビデオメイトDX」からの松江監督インタビューの転載だったからで、劇場公開されるAVという段階で、大多数がAVの要素を纏ったドキュメンタリー映画として観ている中で、AV雑誌のインタビューなのだから当然AVとしての視点でありつつも、抜ける・抜けないといった話題からドキュメンタリーとしてのセックスに到るまで語り尽くされていて、『セキ☆ララ』を最も適確に捉えた鋭いインタビューだと思った。優れたAV批評と優れた映画批評は同一上にあると思っているので、夫々の視点でジャンルを越えてもらってAVを、ピンクやロマンポルノを語ってもらうと、非常に刺激的なものになるのではないかと思う。武智鉄二の特集上映が終わる頃には、劇場公開されたAVとしての画期的存在であった『由美香』がDVD化を果たす。