雑誌 「Invitation 2006年 12月号」

91)「Invitation (インビテーション) 2006年 12月号」 ぴあ

Invitation (インビテーション) 2006年 12月号 [雑誌]

 実際の表紙はこのシルエットに木村拓哉の姿が入っている。ここまで来ると異様なものを感じますな。

 この雑誌自体が、最近は一般誌寄りになってきて、面白くなくなってきたが。町山の連載も切られたし。初期の町山、中原が居て、映画レビューのトップにハスミ先生が居るという形が魅力だったが。

 木村拓哉に関しては、90年代前半に映画方面に進めば、伸びるかもしれないと中学生ながらに思ったことがあったが、そうはならずテレビでの活動を選び、若松孝二×佐々木守による『五稜郭残侠伝』(未映画化)や大島渚の1996年版『御法度』(製作延期)のオファーを受け入れていれば、また違った展開があったかもしれないと思わなくもないが、今に至ってウォン・カーウァイ宮崎駿に取り入って出演しても、やはり演技が覚束ないのは明らかで、声優の場合は器用さで、そう極端に不味くは思わせなかったにしても、『2046』のモノローグの不味さにかなり引いた者としては、今度は全面的に矢面に立つ『武士の一分』の演技がどうなのか気になるところで、山田洋次だから演技面で新たなモノを引き出してくれていることを期待したいが、盲目という設定がそれを誘発できるのではないかと思えなくもないだけに気にはなる。

 といった誌面ながら、相田冬二氏が『女優 林由美香』を紹介していたり、ヤン富田×小山田圭吾×カヒミ・カリィの並びで語られる90年代に、先日のボイスの特集の延長線を感じたりしつつ、カヒミ・カリィと小山田が並ぶと、どうしても90年代色を濃厚に感じる。二人の関係を邪推していたあの日々は何だったのか。情報元が電グルのラジオであったことが決定的に不味かった気がする。