映画 『(秘)女郎責め地獄』
269)『(秘)女郎責め地獄]』 (ザ・グリソムギャング) ☆☆☆☆
1973年 日本 日活 カラー スコープ 77分
監督/田中登 脚本/田中陽造 出演/中川梨絵 山科ゆり あべ聖 薊千路 絵沢萠子 堂下繁
本来は、フィルメックスの黒沢清の『叫』に行く気だったのが、チケットが予想外に早くハケてしまい、入手できなかった。まあ、舞台挨拶とかイロイロ周辺要素もあったようだが、それにしたって黒沢清にこんなにヒトが殺到するとは、今日観た奴は皆死ねと呪いの言葉を吐きつつ、嬉しくなる。
しかし、最近は武智鉄二の特集で最終日に『紅閨夢』を見逃してしまい、チケットも無駄になったし、何よりフィルモグラフィー上の重要な作品の見落としに愕然とし、今日は今日で、HMVでサディスティック・ミカ・バンドのインストイベントに整理券を入手しながら行き損ね(まあ来るのは加藤和彦だけなのだが)、致し方ない面もあるので諦めるしかないが、そんなわけで、気分転換気味に中川梨絵トークショー付きの『(秘)女郎責め地獄』を観るべくザ・グリソムギャングへ。本来若き日のフィルムを観た直後に30年以上の時間を経た女優を生で観るのは好きじゃないのだが、もう最近は油断したらヒトが死ぬし、フィルムでは観たことがなかったので良い機会かと思いつつ、二千円払うことにアホらしさもありながら向かう。
上映自体は音が篭り気味なのが不満だったが、作品はやはり傑作だった。中川梨絵の眼球の動きの素晴らしさや、例の長屋横移動にさめざめと涙を流す。
トークショー:中川梨絵