『文學界』新連載・中原昌也の「映画の頭脳破壊」

文学界 2007年 01月号 [雑誌]
 『映画覚書』から続いていた阿部和重の映画枠が、「シネマの記憶喪失」を経て中原昌也へ移った。
 最近の阿部和重は、映画方面に関しては、中原昌也があまりにも観過ぎているせいもあるのだろうが、存在感が薄く感じはした。個人的には、中原昌也の映画連載が増えるのは望ましいことで、今後は毎月ゲストを迎えて新作をめぐって対談する形になるとのこと。
 第一回は、当然な流れで蓮實重彦がゲストで『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』。別に二人の対談で延々とやってくれても良いのだが。淀川長治とおすぎが『広告批評』でやっていた「おしゃべりな映画館」みたいな感じでやって欲しいが。年齢差も丁度良いし。「シゲヒコ・マサヤの映画の頭脳破壊」と言いながら二人に脳天を掻き回す仕草とかして欲しいなあと。まあ、今後も、ハスミ先生、青山真治阿部和重周辺のいつもの人々が交代に登場することになるのだろうが。
 オチに、野間文芸新人賞芥川賞ネタを持ってきて落とすハスミ先生が凄い。