DVD 『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』

156)『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』 

日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説 [DVD] 
 おせーよ、アマゾン。年末年始なので、ある程度寛容さを持っているとは言え、発売から1週間待たされる。
 それと言うのも、同時期発売の『由美香 コレクターズ・エディション』と一緒にして購入したら、何がどうしたのか、『由美香 コレクターズ・エディション』が全く発送されない。店頭では出ているのを確認したので、問題はない筈だが、今に至るも、発送準備が整った旨の連絡はない。
 結局、『由美香 コレクターズ・エディション』の発送が出来ないから、単品で先に『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』を出すということで遅れてようやくこっちのみが到着したとのことらしい。
 しかし、留守中に置いていくなら、ポストに入れて欲しいものだ。何故にドアノブにビニール袋を引っ掛けて置いていくのか。まるで近所の知り合いが、おかず作り過ぎたから、チンして食べてねというメモと共にドアノブに引っ掛けておくような真似しやがって。『由美香 コレクターズ・エディション』も、年末年始の留守中にこんなことされて、10日ぐらい放置されるんじゃないかと不安になる。その時帰ってきて、ちゃんとブツは残っているのか。『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』はまだ安いけど、『由美香 コレクターズ・エディション』は、いくら20%OFFで買ったからって、高いのよと。まあ、それもこれも、早く『由美香 コレクターズ・エディション』が観たいという一心なのだが。

 で、『日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説』。やはりテレ朝の映像保存は70年代後半からしか残ってないんだなと改めて思う。『徹子の部屋』も開始後2、3年分は残っていない筈。それでも、70年代後半から80年代前半の、丁度自分が3歳前後に眠いのを必死で我慢しながら、ラストのアレを見たいが為に起きていた頃の映像が多く入っていたので、何とも言えない懐かしい気分になった。
 久々に淀川長治の映画解説を聞いたが、やはり凄いパフォーマンスだと思った。情報量の多さに改めて驚く。監督は当然、脚本、撮影が誰かに到るまでまくしたてる。一介の視聴者には、わかるわけがない固有名詞が飛び交うが、淀川長治があんまりに興奮して言うので、凄いヒトなんだという印象は残る。やはり、偶々テレビをつけた視聴者が、こんなにノッて、この作品が放送できることを喜んでいるヒトを見てしまうと、引き込まれてしまう。脇に到るまでの役者の名前を次々に列挙するのも、幼少時にはさっぱり分からなかったが、今考えると、ココで覚えた名前は多い。現在から見ても、そんなマイナーな役者を滅茶苦茶有名みたいに言うか、という例もあって笑ったが、他の映画解説者が絶対の及ばない崇高なまでの話芸には圧倒される。

 DVD収録形態に関しては不満もあって、前説、後説、ラストのアレという三段構えで各作品収録されているのだが、微妙にカットされている。オンエアでは、開巻に放送作品のスチールにサントラが乗ってワイプして、淀川長治の挨拶「さて、今日は〜」という流れになるが、スチールも曲も使用しない、できない、ま、諸々あるのだろうが、アタマがカットされているものが多く、又、解説途中にスチールを出す箇所もカットしてあるので、ノーカット収録とは言い難い。
 又、後説に入る部分は全作品、カチンコの入りから使用していて、まあ、本番直前の緊張している表情が伺えるという点では興味深いが、全部に入れる必要があったかどうか。普通にフェードで繋いで後説に持って行けば良いのではないか。後説からラストのアレへの繋ぎは(オンエアではそこに次週以降の予告が流れる)フェードで繋いでいるのだから。
 特典は、『大いなる西部』と『ラストマンスタンディング』の解説で、後者は最後の解説ということで納得できるが、前者は何かと思ったら、現存している最古の解説だということだ。但し、これも全部残っていないのか都合でカットしているのか、極く短く収録してあるだけで、これなら以前追悼番組で同じ長さのものを見たから、特典にレア感はない。

 はっきり言って、収録形態には不満が多く残るものではあったが、それでも淀川長治の映画解説の雰囲気はかなり味わえるし、自分は仕事しながらBGV的に流していたが、実に心地良かった。『ターミネーター』の「おいど(お尻)が見えますのよ」という嬉しいのはアンタだけやという衝撃の発言や、『燃えよドラゴン』での、死んだことより何より、「体がムキムキで良いな〜」という淀川さんの素直な感情表現に改めて、昔から言ってたんやなと。
 所有しているDVDを観る前に、淀川さんの前説を聞いて、本編観て、それから後説を聞くなど、面倒臭いが、でもそれだけのことをして擬似『日曜洋画劇場』を作り出せる楽しさに満ちたDVDにはなっている。