足立正生×田口トモロヲ トークショー

『「解放 解放 解放!!—今解き放たれる『幽閉者(テロリスト)』—」』  (青山ブックセンター本店・カルチャーサロン)

 10分程遅れて入る。
 三日前のロフトプラスワンでのイベントと違い、日曜の昼下がりのABCのトークショーでは御馴染みな、ゆるゆるな心地良い時間が流れるトークショーだった。ま、参加者がそれほど多いわけでもなかったせいもあるのだろうが。
 それにしても感心するのは、ジム・オルークの熱心さで、ロフトでも最前列にかぶりつきで初めから居たが、今回も遅れてサッと適当な椅子に座ると直ぐ横に居た。若松・足立の居るトコロにジム・オルークと平沢剛は必ず居る。
 今回司会は土屋豊で、撮影風景を描いた『幽閉者たち』の抜粋を上映しながら、話題が展開していた。
 ちょっと衝撃だったのは、田口トモロヲが『御法度』出演時に、所謂大島のイビリの対象になった有名なエピソードを語った時で、語られる内容自体は公開時に様々な媒体でよく話題になっていたので良いのだが、田口トモロヲによる極めて過剰化された大島の物真似でそのエピソードが再現されたことが凄くて、顔をプルプル震わせ歯を剥き出しにし、激しく上下に顔をシャッフルしながら、「カメラに正対しちゃダメなの!!!」とクレージーな叫び声を挙げる大島渚を再現する田口トモロヲと、その横でそれを見ている足立正生という、凄いような、映画史的光景のような、何なのかわからないような、不思議な光景だった。大島と足立の関係性を知っていれば爆笑してしまうわけだが。ちなみに足立の反応は、「田口さんが(イビリの)ターゲットになったのは、残念なことです」とのこと。
 トーク終了後、単行本『幽閉者 テロリスト』に、田口トモロヲ足立正生のサインを貰う。ちなみの自分の前に居た目深に帽子を被って長いコートの女性が不思議な感じだった。ま、こんなイベントに一人で来る若い女の子は殆ど変わっている子ばかりなので(他人のコトを言っているどころではなく、以前自分もこの手のイベントにアーミージャケットに髭面で居たら、ダッカ事件の犯人みたいと、全く嬉しくない比喩で表現されたことがあったが)、別に今更珍しくもないのだが、驚いたのは、足立正生がその女性にサインしていると、突然蒼い林檎を取り出して足立正生に差し出したことで、その時になって、映画本編での林檎を思い出し、前の女性は荻野目慶子かと思ったが、さて実際はどうなのか。ただ、雰囲気がカメオ出演した『RAMPO 奥山版』の時とよく似ていたので。

 土屋豊によるドキュメンタリー『幽閉者たち』の上映は先日記した百年でのトークイベントの他、下記でも上映される。価格で言えば、↓がいちばん安いことは安い。ちなみに自分は全部に参加するとなると、『幽閉者たち』を3回観なければならないということになる。


2月2日(金)公開前夜祭
『幽閉者たち』 土屋豊監督
 『幽閉者』のメイキング映像を上映

トークショー
 出演:足立正生監督+渚ようこスペシャルゲスト
18:30開場 19:00開演 なかのZERO視聴覚ホール
  中野区中野2-9-7 JR・東京メトロ東西線中野駅南口から
  線路沿い新宿方面に8分
入場料1000円‥タコシェにて「幽閉者」チケットあるいは
関連書籍をお求めのお客様は500円割引になります。


http://blog.taco.shop-pro.jp/?day=20070112


映画『幽閉者(テロリスト)』公開記念 足立正生×田口トモロヲ トークショー
「解放 解放 解放!!—今解き放たれる『幽閉者(テロリスト)』—」


■2007年1月14日(日)14:00〜16:00(開場13:30〜)
■会場:青山ブックセンター本店・カルチャーサロン
■定員:120名様
■入場料:700円(税込)  電話予約の上、当日ご清算
■電話予約&お問い合わせ電話: 青山ブックセンター本店・03-5485-5511
■受付開始日:2006年12月15日(金)10:00〜
トークショー終了後にサイン会を行います。



イベント内容
待望の足立正生監督、35年ぶりの新作となる『幽閉者(テロリスト)』。
足立正生監督と、主演の田口トモロヲ氏を交えて、新作『幽閉者(テロリスト)』についてのお話や、現場のエピソードなどをお伺いします。


プロフィール
足立正生 (あだち まさお)
1939年福岡県生まれ。日大芸術学部中退後、VAN 映画科学研究所に参加。若松プロで『女学生ゲリラ』などを監督する一方で、若松孝二作品に脚本として参加。“アングラの若き旗手”として注目を集めた。74年にパレスチナに渡り、日本赤軍に参加。2000年に帰国。著書に、「映画/革命」(河出書房新社)「塀の中千夜一夜 アラブ獄中記」(愛育社)など。


田口トモロヲ (たぐち ともろを)
1957年、東京都出身。78年、劇団「発見の会」で舞台デビュー。
89年『鉄男』(監督:塚本晋也)主演をきっかけに、役者として高い評価を得る。以後、映画を中心に、精力的に活動を続け数多くの映画に出演。97年度毎日映画コンクール男優助演賞受賞。03年、映画『アイデン&ティティ』を初監督。NHKプロジェクトX〜挑戦者たち〜」では、5年間にわたりナレーションを担当した。


作品紹介
俺たちは、死んでオリオンの星になるんだ。
空港襲撃作戦のメンバーM。手榴弾の不発で、ひとりだけMは自爆作戦に失敗し、この世界へと残された。彼を待っていたのは悪夢のような水滴拷問。そして豚の飼育と呼ばれる人体実験。糞尿まみれの現実の中、何もできなかった少年時代の苦悶が蘇る。俺はいつだってそうだった。今はどうだ? 自問を繰り返すMの前にあらわれる革命家の幻影。狂気に満ちていくM…。Mの頭は混乱する。原点、存在、精神、肉体、破滅……林檎の香り。俺はいったい何者なんだ!
実力派・田口トモロヲを主演にむかえ、リッダ空港事件の主犯のひとり“岡本公三”をモデルに、心と身体の幽閉状態を描ききった本作。完結を拒む映像と大友良英のつくり出す不穏な音楽との激しくも美しい調和の、足立正生が放つ35年ぶりの新作!
(2006年/日本映画/デジタル作品/113分/ドルビーデジタル)


◆『幽閉者』オフィシャルブック、愛育社より12月下旬刊行予定!
◆『幽閉者』サウンドトラック、HEADZより1月10日発売予定!
幽閉者(テロリスト) 幽閉者(テロリスト)


http://www.aoyamabc.co.jp/10/10140/#000160