『卑猥 hiwai』

1)『卑猥 hiwai ヘア無修正』【成人館公開題『SEXマシン 卑猥な季節』/一般公開題『ヒモのひろし』】(田尻裕司) 

卑猥 hiwai ヘア無修正 [DVD]
 秀作『ヒモのひろし』がようやくDVD化を果たした。早速再見すべく半額日狙いで、こないだ見た時には未だ入荷してなかった近所のレンタル店を覗くとあった。190円也。
 残念なのは、DVD用のタイトルが『卑猥 hiwai』に変更されている点で、近年は一般劇場公開された場合はその際のタイトルがDVDでも使用されることが多かっただけに、残念でならない。成人館で『SEXマシン 卑猥な季節』を観たヒトや、『シナリオ』誌や、ポレポレで『ヒモのひろし』を読んだり観たりしたヒトがDVDを探しても、これじゃわからない。
 そこに固執したくなるのは、この作品がちょっと凄いと断言できる秀作だからであり、広く見られる価値を有する作品だからだ。少し前からTSUTAYAにも入っていたが、渋谷TSUTAYAなんか、新作コーナーのいちばん下のいちばん片隅に1本置いてあるだけで、よほど注意しないと発見できない。それも黒背表紙に『卑猥 hiwai』と書いてあるから、未見のヒトは、なかなか手に取らないんじゃないかと危惧される。
 この作品は絶対観た方が良い。少なくとも自分と同じ様に、『かえるのうた』で平沢里菜子を発見したというヒトは、絶対観なければならない。この作品を観れば、平沢里菜子の演技の幅の広さ、多様さを知ることが出来、立ち姿が決まる近年稀にみる女優の誕生を確信することができる。林由美香が居なくなっても平沢里菜子がずっと居てくれれば、ピンク映画の未来を感じさせてくれるし、更に幅広い活躍を予感させる演技を見せている。
 ちなみに、コレ、別会社からDVDが出ているせいなのかどうか、国映のいつものDVDより遥かにテレシネが綺麗で、流石35mmという画質になっているので、そこらもチェックがてら見たらどうかと。