一週間映画を観ずに過ごせるか?

 仕事と、お金にならないけど上手くやれば金になるかもという系が平行してやって来たので、映画もDVDも観れない日々をたった数日送っただけで、映画館へ行きたくてたまらなくなって体調がおかしくなったりするのは、将来を考えると大丈夫かと心配になる。319番、私語を慎めと言われながら木工作業とかしながら幽閉されていれば、映画館へ行くどころではないのだから、などと考える。
 もっとも、映画館に行けないと言いつつ、昨日は朝まで飲んでいても、隣に居た女性が、いまおかしんじと結婚したいと絶叫しているような歪な状況だったので、気分的に映画館へ遠いわけではなかったが。
 朝帰ってきて3時間ほど眠って起きれば喉ガラガラ。オカンに電話したら、声が違うので明らかに詐欺と間違えているらしく、用件言う前に切られる。
 それでも、朦朧としつつ夕方前に仕事を終わらせて、渋谷へ。即帰って仕事の続きをしなければ不味いのに、ここは映画を観た方が後々の為には良いに違いないと考え、『ぴあ』を買って開く。
 今週末で終わるのに行きたかった諸作が多すぎて、焦る。レイト等になってもどこかしらで続映されるものは良いとして、完全に上映が終わってしまう『酒井家の幸せ』『刺青』『敬愛なるベートーヴェン』『カポーティ』『ルナシー』『あるいは裏切りという名の犬』『もんしぇん』、新文芸坐の『ワールド・トレード・センター』とか、再々見したかった『犬神家の一族』を観たかったと思いを滲ませる。大半は名画座で捕まえるしかなさそうだ。ま、『カポーティ』とか直ぐに新文芸坐にかかるし、『ルナシー』も同様だろう。
 結局、どーしても観たい作品を観るしかなく、それは瀬々敬久の『刺青 堕ちた女郎蜘蛛』ということになってしまうのだが、それまでの時間で観れるものを探したら、シネマヴェーラでの『ポルノ時代劇 忘八武士道』が合ったので、『豚と軍艦』との2本立てという魅力的番組だったが、『ポルノ時代劇 忘八武士道』のみ観て、幸福な気分になって階下のユーロスペースへ降りる。『刺青 堕ちた女郎蜘蛛』を観るべく席に着くと、直ぐ横に伊藤猛が座り、前にサトウトシキが座っていたので、関係ないのに妙な緊張感を持たされるが、映画が始まるとそんなことも忘れて画面に見入っていた。DVとは言え、素晴らしい画面が次々と展開していくので、全く不利に見えないが、逆にこれだけの作品を、初号の時にちょっと無理してでも16でも良いからフィルムでやっておけば良かったのにという声は上がらなかったのかとも思う。レイトショー日本映画の大半を占めているDV撮影日本映画を観る度に思う。
 そう言えば、この作品の嶋田久作について、伊藤猛氏はどう思って観ていたんだろう。初登場シーンで、何だ伊藤猛出てんだと思ったぐらいだった。コレ、自分の役なのにな、とか思いながら観てるんだろうか、などと埒も無いことを考えた。
 関係ないハナシだが、この手の作品の上映時にはお見かけすることが圧倒的に多い国映の社長と、林由美香の母親の見分けがつかないのだが、どうすれば良いのだろうか。
 帰宅後、チャンネルNECOで、ボーっと『月刊MARI ROOM』をながら視聴していたら、そのまま続いて『月刊三津谷葉子 初恋』が始まり、ハンディの主観で学校の下駄箱に靴を入れ、廊下から教室へと滑らかに移動していく一連の1ショットが視界の片隅に映じていたことに直ぐに反応してしまい、明らかに異物感溢れる、しかし、かつて観た事があるような非常に特徴あるスタイルの映像だったので、たぶんコレは‥と思う間もなく、童貞を演じさせれば世界でも有数なことで知られる某ドキュメンタリー監督が学生服姿で登場したので、飲んでいたココアを吹き出す。この段階で、『月刊三津谷葉子 初恋』と言えばカンパニー松尾が監督したやつだと、僅かにあったその内観ようと思っていた記憶が甦り、見入ってしまうが、こういう枠でこーゆーことが出来るのは素晴らしいなと感嘆しつつ観る。『月刊三津谷葉子』買おうかしら。
月刊三津谷葉子 (SHINCHO MOOK 65)