『ライヴ・イン・ハトヤ』『愛孕哀歌』

『ライヴ・イン・ハトヤ 〜赤塚不二夫と全日本満足問題研究会〜』(赤塚不二夫赤瀬川源平長谷邦夫高信太郎タモリ山下洋輔坂田明・他) ディウレコード

ライヴ・イン・ハトヤ 

  1. オープニング(ツァラツストラはかく語りき〜ハトヤのテーマ)
  2. 口上(ふるさと〜アディステ・フィデレス〜美しき天然〜スター・ダスト〜アリラン
  3. バナナ・ブレッドマン
  4. 駅前ブルース
  5. 応援合戦
  6. 神おろし
  7. ラインダンス(天国と地獄)
  8. 休憩の楽屋風景/風呂場
  9. 間奏からオープニング(ハトヤのテーマ)
  10. 新人歌手登場・お兄ちゃん
  11. さよならをしようと手紙を書いたが・・・
  12. 温泉マンの温泉音頭
  13. 想い出のベニス
  14. 講演「優柔不断」について
  15. 優柔不断音頭
  16. フィナーレ(ハトヤのテーマ)

 

赤塚不二夫漫画家業50周年記念企画第2弾!!
『ライヴ・イン・ハトヤ』奇跡のCD化!!!!!!!!!!!
「まんがNo1」に続く世紀の大復刻!            
赤塚不二夫タモリ赤瀬川原平奥成達高信太郎長谷邦夫山下洋輔坂田明等々、豪華メンバー参加!!!            
プロデューサーは高平哲郎、作曲は小林亜星。70年代後半、アホらしいことを大マジでやらないとダメだ、と集まった赤塚不二夫赤瀬川原平奥成達高信太郎長谷邦夫による満足問題研究会が、伊東ハトヤのステージでライブコンサートをやったらどうなるか・・・というコンセプトの元に作った最大の架空ギャグライブアルバム。
復刻困難度超A級だった伝説の名盤が奇跡の初CD化。
長谷邦夫奥成達による書下ろしライナー、高平哲郎による新録インタビューを掲載したブックレット付。
もちろんオリジナルマスター起こし!!!
(オリジナルリリース1978年)

http://diskunion.net/detail.php?goods_id=IND06575

 昨年の『赤塚不二夫のまんがNo.1シングルズ・スペシャル・エディション』に続いて遂に出た『ライヴ・イン・ハトヤ 〜赤塚不二夫と全日本満足問題研究会〜』。
 と言っても、元のLPが発売された年に生まれた身としては、『まんがNo.1』は元が雑誌なので伝説的に耳にしたことがあっても、企画盤である『ライヴ・イン・ハトヤ』は知らなかった。だから、昨年9月の段階で、長谷邦夫先生に『激情No.1』に関してコメントを頂いた際に、<こんどの発売が好評に展開できれば、LP『ライブインハトヤ』などの復刻もあるやも知れません。>と書いていただきながら、よくわかってなかった。しかし、『赤塚不二夫のまんがNo.1シングルズ・スペシャル・エディション』を聴いてしまうと、当然『ライヴ・イン・ハトヤ』も猛烈に聴きたくなるわけで、『まんがNo.1』から僅か三ヶ月で発売の運びとなったことは、ひたすら嬉しい。
 早速聴いてみても、ひたすら幸福感に包まれるバカさ加減で、本当にクダラナくて、バカだなと満面の笑みで言ってしまえる快作だった。
 覚えていて唄えるのが不思議な気もするが、御馴染み『ハトヤのテーマ』を、これだけバカバカしく大袈裟に使っている段階で素晴らしい。何せ冒頭から『ツァラツストラはかく語りき』〜『ハトヤのテーマ』へ繋げてしまう。
 特筆すべきは、赤塚不二夫タモリの半端じゃない息の合い方で、リアルタイムであの二人の並びを見たのはせいぜい、いいともにゲスト出演した時や、雑誌の対談程度のもので、伝説的に聞く二人のサドマゾショーとか見たいなあと思っていたが、「2. 口上」での二人のやり取りが、ひたすら楽しい。ホモ会話や、ステージに上がっている(というシチュエーションの)赤塚に対する舞台袖から(というシチュエーション)のタモリの突っ込み、名古屋差別などを楽しめる。これまで『タモリ』『タモリ2』ぐらいでしか聴けなかった聴くタモリの面白さに感嘆した。それは、「8. 休憩の楽屋風景/風呂場」でのタモリの独り言や野坂昭如の物真似でも味わえる。
 赤塚が歌う『駅前ブルース』『さよならをしようと手紙を書いたが・・・』、伊藤鳩子の『新人歌手登場・お兄ちゃん』、『温泉マンの温泉音頭』なども印象的で、天才とバカの紙一重なラインを疾走していく迫力に圧倒された。やっぱり、徹底的にふざける人たちは好きだ。

 ちなみにタワレコで購入したらクリップが付いてきた。と言ってDVDの新編集映像が付いてきたわけではなく、ファイルを止めるクリップで、そこにジャケと同じイラストが描かれてあるというもの。
  この奇跡的復刻CDを、タモリを知ってるぐらいで赤塚不二夫すら読んだことすらないというヒトでも買ってしまえと言えるのは、誰が聴いても猛烈に何かバカげたことをやたらと楽しそうにやっている祝祭的雰囲気に包み込まれてしまうからで、今、こんなフザケまくって楽しそうなオッサン達が居るだろうか。



■資料映像「ハトヤホテル CM集」






『愛孕哀歌』(母檸檬

愛孕哀歌 

1.助清
2.鼠の蒸發
3.左樣なら昭和
4.ちくわぶブルース
5.菜の花怨歌
6.赤色子守唄
7.蝶の墓場
8.千代紙
9.金魚の葬列
10.母と子
11.鳩がとぶ
12.記憶の搖籠
13不能の空 
14.マリーの唄 
15.佛花ロック 
16睦雄の子守唄

 
 買い逃していたので、偶々思い出して購入。『睦雄の子守唄』は当然津山のアイツを朗々と歌い上げていた。
 昭和歌謡に吸収される存在なのだろうが、三上寛の帯コメント「音楽は戦争なんだ!奪われた『言葉』を取り戻すための!若き二人の女コマンドに祝杯を!』という、あの時代めいた言葉を挟みたくなる気持ちは分かるような気がする、気分だけじゃない反権力を背負う姿勢は支持したい。