『クレージーの大爆発』

7)『クレージーの大爆発』 (DVD) ☆☆☆

1969年 日本 東宝=渡辺プロ カラー スコープ 83分
監督/古沢憲吾   脚本/田波靖男   出演/植木等 ハナ肇 谷啓 犬塚弘 桜井センリ 石橋エータロー 安田伸 松岡きっこ いしだあゆみ  悠木千帆 平田昭彦 人見明 藤田まこと   
クレージーの大爆発 [DVD]
 『クレージーメキシコ大作戦』以降、クレージー人気にも陰りが見え始めたと言われているが、本作は最後のクレージー大作になると思う。
 植木等三億円事件の犯人を演じるという着想は良く、銀行地下に穴を掘って強奪しようとするという、『マダムと泥棒』と同趣向の展開ながら、悪くない。松岡きっこもセクシーだし、いしだあゆみのCM撮影シーンなど、古沢憲吾らしくて楽しいシネミュージカル的に観れる。
 ただし、銀行強盗のハナシ程度にしておけば良い物を、『クレージー黄金作戦』以降の大作化のせいで、背景の大掛かりな国際的組織が存在して、水爆まで登場するとなると、流石にそこまで練られた脚本とは思えないだけに大味感は後半に行くに従って増して行く一方で、ロケットまで登場するものの、映画内の展開と同じく墜落飛行のようなグダグダな展開となっていく。富士山麓での篭城なども無駄に長い。
 坪島孝より古沢憲吾の演出の方が好きなので、植木等のハッスルぶりが相変わらず楽しかったりと、見所はあるのだが、作品としてはバランスの悪いものになった。