『かえるのうた』

49)『かえるのうた』(いまおかしんじ) 

かえるのうた [DVD]
 新宿TSUTAYAで中古で千円だったので即購入。と言っても、劇場で2回観て、レンタルでも観ていたので、パッケージを所有した以上の意味合いはないと思いつつ中身を見て驚いたのは、ライナーの充実ぶりだった。映像特典の充実ぶりは以前書いた通りだが、レンタルでは当然ライナーは読めない。『DVD「かえるのうた」附録』と題されたこの冊子は、24頁に及ぶ分厚いもので、直井卓俊 の解説から始まり、『「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE」公式BLOG』のいまおか日記を、『いまおか日記「かえるのうた」編』として2005年12月30日〜2006年1月28日までが再録されている。しかも、単に再録しているだけでなく、余りに詳細過ぎる注釈付き(その数71!!)なのが凄いし、いまおかしんじの詳細なフィルモグラフィーも巻末に載っている。
 編集:直井卓俊だから、濃密なモノにしてくれるのはもう分かっていそうなものだが、DVDのライナーでここまでのモノになっていようとは、ちょっと驚いた。
 劇場公開時の『かえるのうた』のパンフレットは、見開きのプレスシートみたいなもので、予算の問題等もあるだろうから何かと言う気は無いにしても、プレスシートとしては出演者の対談も入っていたし悪くは無かったが、もう少し凝ったパンフで欲しかったなという思いが作品への幸福な気分と共にあった(豊田道倫氏が自身の日記で、<帰り際パンフレットを買ったが、ペラペラな内容だった。(中略)前作「たまもの」のパンフレットが充実していて期待して買ったので、残念だった。>と書いていたが、自分はそこまで厳しくは思わないが、やはり作品自体が良かっただけに、パンフも充実していて欲しかったという思いは納得できる)ので、DVDに挟まれた冊子に、その思いの一部が叶ったような気分になった。出演者たちの声は、DVDにオーディオコメンタリーとして収録されているわけだし、監督の声は、いまおか日記に集約されている。
 薄いモノはいらない。濃密なモノこそ欲しい。と、思っているので、それを観客に届けてくれるヒトは、絶対的な支持をしたい。