『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』DVD、8月28日発売

 
 と言っても、海外盤でだが。<ニューリマスター、批評家コメンタリー、 塚本晋也監督インタビュー、2003年Far East Film Festivalでの石井監督のイントロダクション、ポスター・ギャラリーや予告編収録>とのことなので、観たい方で海外盤を観る環境の無い方は、それまでに揃えられたら良いかと。
 私はもう注文いたしました。
 とは言いつつ、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』自体は、作品としても、石井輝男の作品中でもそう突出して好きな方でもなく、これまで劇場で2回観たが印象は変わらない。
 それに、あの例の箇所で、劇場で“来た…”という囁き声に続いて割れんばかりの大爆笑になるというのも不愉快で、初見の劇場は客が5、6人しか居なかったので例の箇所でも静かなもので、一人呆気に取られていたが、再見した時は満席で、その時を待ちかねて、客席がザワザワしているのも嫌だったし―、大体、あれは思わず涙が零れるような、かなり悲しいシーンではないのか。
 というわけで、一人静かに作品を観るべく―画質の悪い海賊版は既に持っているのだが―購入した。

 ちなみに、乱歩と言えば、今日『ぴあ』を買うまで全く知らなかったのだが、『人間椅子』と『屋根裏の散歩者』が映画化されて、来月末から順次公開されるという。
 たぶんビデオ撮り&『乱歩地獄』以上の辛さが既に伺われるような気がしなくもないが、乱歩なので観なければイケナイから観るが、大丈夫だろうか…。


人間椅子
[CAST] 宮地真緒小沢真珠板尾創路、辻修、石川謙、鈴木薫、鈴木拓也、茅野雅生、水戸ひねき
[監督] 佐藤圭作
[原作]江戸川乱歩

ワケあり気な奴らが織り成す、耽美と官能と衝撃の乱歩ワールド

スランプに陥りここ数年新作発表のない美貌の人気作家、今野佳子の担当編集者となった倉田真理は、新作を書いてもらおうと佳子の邸宅へ日参する。一人暮らしの佳子の家にある黒革の大きな椅子、まるで生きているかのような椅子。真理はその椅子が気になって仕方がない。
一方で真理は、佳子の師匠で失踪中の大御所作家、大河内俊作の行方に興味を持つ。佳子以外に人間の気配を感じた真理は、大河内が佳子の家にいるのではないかと思うようになる。しかも、あの椅子の中に…。真理は佳子の新作ではなく、大河内に新作を書かせようと考える。しかしその考えが、真里を決して抜け出ることの出来ない、異常な世界へ引きずり込むことになる。
(6/30(土)〜7/6(金) & 7/14(土)〜7/20(金)、シアターN渋谷にてレイトショー!)

http://www.artport.co.jp/line_up/index.html

 


屋根裏の散歩者
[CAST] 嘉門洋子窪塚俊介、村木仁、永瀬ひかり、清水萌々子遊井亮子、木下ほうか、でんでん
[監督] 三原光尋
[原作] 江戸川乱歩

雑誌記者の富岡奈緒子は、一部でカルト的な人気の亡き画家、郷田三郎のルーツを探るため、彼が生前に暮らしていた東栄館へ取材のために訪れる。そこの住人こそ、郷田が描いた作品のモチーフになった人たちであり、東栄館そのものが郷田の世界そのものなのである。

郷田は生前、屋根裏が好きだったことを耳にした奈緒子は、屋根裏に上ると天井の隙間から館の住人たちの密室となった部屋を覗き見た。不倫の情事に耽る男女の肉体、娘を虐待する母親の姿、そして…。奥の部屋を覗くとそこには…、かつて郷田が描いた作品と全く同じ光景があった。その光景とは…、“悲鳴”と“苦痛”と“殺戮”に満ちた猟奇の世界。奈緒子は見てはならないものを見てしまった、と同時に、この館には底知れぬ恐怖が棲み着いていることを悟る。
(7/7(土)〜7/13(金) & 7/21(土)〜7/27(金)、シアターN渋谷にてレイトショー!)

http://www.artport.co.jp/line_up/index.html