『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3〜「竹洞組」の冴えたやり方。』 7/7(土)からポレポレ東中野で上映開始

■『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3・予告編 劇場公開版』

■『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3・予告編 ロング・ヴァージョン』
 アテネ・フランセのチラシ置き場で平沢里菜子がベーと舌を出してた。後ろでカメラを構えた松江監督が笑っている。8/4〜8/9までアップリンク・ファクトリーで行われる特集上映『松江哲明のセキララで嘘つきなドキュメント選集』のチラシのレイアウトのことだ。完成したチラシを見たのは初めてだったので早速手に取る(あ、『セキ☆ララ』と『劇場用映画予告編集』の解説を書かせてもらったので裏面に載ってます)。『童貞。をプロデュース』、『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3〜「竹洞組」の冴えたやり方。』のチラシ共々この3枚を眺めながら、特集上映数が異常な数となる今夏の、大和屋、追悼、佐野宏、ラザロ、大阪花弁上映、アルトマン、爆音ゴダール清水宏、逝ける映画人を偲んで、といった並びの中でピンク映画・AV・童貞を次々と投入していくSPOTEED PRODUCTIONSのことを思った。


 やたらと無茶苦茶な詰まり具合のこの夏の幕開けを飾るのが、いよいよ明日から始まる『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3〜「竹洞組」の冴えたやり方。』で、2006年5月のVOL.1、同年12月のVOL.2に続き、1年余りにして早くも三回目となるこの頻繁な上映ぶりが嬉しい。
 自分はこれまでの上映作品全てを観ているワケではなく、近年既に観ている作品や都合が付かず観れなかった作品もあるとは言え、これまでで12本観ている。つまりは6回、『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE』の為にポレポレ東中野に通ったことになるが、勿論ポレポレには若松孝二吉田喜重などの特集でも日参したことがあったとは言え、『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE』を観にポレポレに通うというのは、駅横の換金所近くで千円拾ったからだけでなく、忘れ難い心地よい映画体験として自分の中では定着してしまっているので、VOL.3があると聞いただけで、妙に勝手に盛り上がってしまう。
 レイトショーで2本立てというのは、平日では確かに負担に思う部分もあるが、ピンク映画の良いところは約60分しかないから、無駄なく引き締まった映画に1本1本が成っていて、それを2本観るのは全く苦痛ではない上に、セレクトされた作品がいずれも質が高いから、その結果幸福な映画体験としての記憶が強烈に残るわけだ。別に他の劇場をクサしてポレポレを持ち上げようという気は更々ないが、<たかがピンク映画を観るのに>知られざる映画作家の発見とか、お勉強するような要素を纏わり付けて背を正してオフシアターで観るより、遥かに観ていて居心地が良い。
 VOl.2では、いまおかしんじの監督作品を特集したが、今回は竹洞哲也の監督作品を特集する。と聞いて驚くのは、ピンク映画ファンの間では既に評価の高い竹洞哲也だが、いまおかしんじの様に一般劇場で改題レイトショー上映されて話題になったということもなく、一般映画ファン層には殆ど無名の存在で、これまでの国映・新東宝をメインにした特集の流れからしても異質に感じる。
 しかし、それはナヲイPが何度も語る<“当たり前”だけど“愛おしい”ピンク映画のニュースタンダード。>という言葉に尽きる。何故今回竹洞組を?という疑問に、その言葉がそのまま答えになっている。自分も確かに企画が発表された段階では、これまでピンク大賞で2本ほどしか観ていなかった竹洞組の作品に、国映の諸作ほどの興味を持っていなかった。しかし、愛着のある『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE』で特集するんだから何かあるのだろうという信用があるので、以降、新作が公開される度に観に行くことにした。既に今年に入ってから『不倫同窓会 しざかり熟女』『女引越し屋 汗ばむ谷間』が公開されたので観たが(今日から『男たちの夢音色』という新作も公開されるが、観たいけど薔薇族映画なので観に行くのが…)、観ていくにつれ<“当たり前”だけど“愛おしい”ピンク映画のニュースタンダード。>という言葉の意味合いと、今、何故、竹洞哲也かという疑問が解けていった。
 たぶん、国映・新東宝の傑作選だけをやっていれば、まだ興行的には安定すると思うのだ。しかし、それを順繰りに続けるだけでは、やがて当初の勢いは失速しかねない。『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE』という名前が定着してきた頃に、竹洞組の作品をぶつけるというのは、非常に挑戦的だが、自分も含めてピンク映画=国映しか観ないという閉塞した層への、異なった視点からの作品を提示することで、ピンク映画の多様性、時として<ピンク映画>である必然を忘れることもある中で、ピンク映画だからこそ出来るプログラムピクチャーとしての在り方を見せてくれるこういう機会は逃してはならない。
 『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE』シリーズの挑戦的な飛躍への興味と、ポレポレ東中野へ通う幸福な映画体験が魅力の『R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.3〜「竹洞組」の冴えたやり方。』は、7/7(土)〜7/13(金)まで連日21:10〜2本立てレイトショー。


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■上映作品
A:『恋味うどん』 (成人映画館公開題:悩殺若女将 色っぽい腰つき)
2006年度ピンク大賞ベスト10・第1位/脚本賞、女優賞(吉沢明歩青山えりな)、技術賞(創優和)/Movie Walker誌上ベスト10・第3位
2006|監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影・照明:創優和|主題歌:ニナザワールド「Life is Love」
出演:吉沢明歩青山えりな、倖田李梨、なかみつせいじ、柳東史、松浦祐也、サーモン鮭山



B:『短距離TOBI-UO』 (成人映画館公開題:ホテトル嬢 癒しの手ほどき)
2006年度ピンク大賞ベスト10・第2位/脚本賞、女優賞(青山えりな)、技術賞(創優和)/映画秘宝誌上ピンク映画ベスト10・第2位/Movie Walker誌上ベスト10・第2位
2006|監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影・照明:創優和|主題歌:ニナザワールド「きみのこころ」
出演:青山えりな今野由愛、倖田李梨、萌みゆう、サーモン鮭山、吉岡睦雄、柳之内たくま



C:『森鬼』 (成人映画館公開題:乱姦調教 牝犬たちの肉宴)
2006年度ピンク大賞脚本賞、女優賞(青山えりな)、男優賞(吉岡睦雄)、技術賞(創優和)
2006|監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影・照明:創優和|挿入曲:ニナザワールド「SWAN」
出演:吉岡睦雄、青山えりな、朝日かりん、倖田李梨、松浦祐也、小林節彦、サーモン鮭山


D:『舞う指は誰と踊る』 (成人映画館公開題:欲情ヒッチハイク 求めた人妻)
2005年度ピンク大賞ベスト10・第4位/監督賞、脚本賞、女優賞(夏目今日子、華沢レモン)
2005|監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影・照明:創優和
出演:夏目今日子、華沢レモン、葉月螢、那波隆史、松浦祐也、石川雄也



E:『思い出がいっぱい -EIGHTEEN BLUES-』(成人映画館公開題:美少女図鑑 汚された制服)
2004年度ピンク大賞ベスト10・第9位/新人監督賞(竹洞哲也)、女優賞(林由美香
2004|監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影・照明:創優和
出演:吉沢明歩、冬月恋、林由美香、伊藤謙治、松浦祐也、なかみつせいじ


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■上映スケジュール
2007.7.7(土)〜7.13(金)連日21:10〜


【上映・舞台挨拶スケジュール】
7/7(土) 『舞う指は誰と踊る』 『短距離TOBI-UO
ゲスト:竹洞哲也(監督)、小松公典(脚本)、夏目今日子(女優)、那波隆史(俳優)、サーモン鮭山(俳優)


7/8(日) 『舞う指は誰と踊る』 『短距離TOBI-UO
ゲスト:小松公典(脚本)、華沢レモン(女優)、柳之内たくま(俳優)、サーモン鮭山(俳優)、ニナザワールド(ミュージシャン)


7/9(月) 『森鬼』 『短距離TOBI-UO
ゲスト:青山えりな(女優)、倖田李梨(女優)、吉岡睦雄(俳優)、松浦祐也(俳優)


7/10(火) 『森鬼』 『短距離TOBI-UO
ゲスト:竹洞哲也(監督)、青山えりな(女優)、吉岡睦雄(俳優)、松浦祐也(俳優)


7/11(水) 『思い出がいっぱい』 『恋味うどん』
ゲスト:吉沢明歩(女優)?、竹洞哲也(監督)、小松公典(脚本)、倖田李梨(女優)


7/12(木) 『思い出がいっぱい』 『恋味うどん』
ゲスト:吉沢明歩(女優)?、サーモン鮭山(俳優)、ニナザワールド(ミュージシャン)


7/13(金) 『思い出がいっぱい』 『恋味うどん』
ゲスト:吉沢明歩(女優)?、竹洞哲也(監督)、小松公典(脚本)、なかみつせいじ(俳優)、青山えりな(女優)、倖田李梨(女優)、松浦祐也(俳優)、サーモン鮭山(俳優)


※舞台挨拶は全て上映前となります。
吉沢明歩さんは、まだ日程調整中ですが、7/11〜7/13のいずれかの日に来場してくださるとのことです。
※出演者の都合により、急遽変更等がある場合があります。

【料金】
前売鑑賞券:\1300|当日券:\1500(女性割引、リピーター割引:\1300)


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