9月はニッポン・エクスプロイテーション映画をオールナイトで観ろ!!

 ハナシのマクラは蓮實重彦御大の恒例行事から。

【『ABC ブックフェス2007』のトークイベント】
蓮實重彦とことん日本映画を語るスペシャ
Vol.18 「日本の幽霊Part.2」
■2007年8月18日(土)13:30〜15:30(開場13:00〜)
■会場:東京ウイメンズプラザホール 
 (青山ブックセンター本店隣)
■定員:200名様
■入場料:1,500円(税込)
 青山ブックセンター都内6店舗におきまして前売券を販売いたします。


■前売り券発売開始日:2007年7月20日(金)10:00〜


■お問い合わせ電話:青山ブックセンター本店  03-5485-5511


■お問い合わせ受付時間: 10:00〜22:00
(※お問い合わせ受付時間は、店舗の営業時間内となります。御注意下さい。)


<イベント内容>
ABC恒例の蓮實先生による映画講座。今回は大きい会場に場所を変えヴァージョンアップして「日本の幽霊Part2」を開催いたします。前回では紹介しきれなかった作品を含め今回もあらゆる映画史を縦横無尽に横断しつつお話し頂く予定です。
どうぞご期待下さい。

 前回に続いて「日本の幽霊」を語るというもので、前回は黒沢清までは行き着かず、時代劇での手を使った幽霊表現を、中川信夫東海道四谷怪談』、 加藤泰『怪談・お岩の亡霊』、森一生四谷怪談・お岩の亡霊』、大島渚愛の亡霊』などを例に挙げながら進み、「幽霊のスペシャリスト」中川信夫として、『怪談・蛇女』『憲兵と幽霊』などが挙げ、新東宝時代の作品だけではなく、東映時代の晩年の作品にも観るべきものが多かったと『怪談 蛇女』を大プッシュしていたのが印象的だったり、最後に僅かに石井輝男の『怪談昇り竜』を慌しく薦めて終わったが、今回こそは恐らく現代の日本の幽霊を語るのではないかと予想するので、前回に続き、毎度のようにシネフィルどもに占拠させているだけでは面白くないので、ホラー・幽霊・Jホラー・黒沢清方面の方は行かれると良いんではないかと。今回は会場も大きくなるのでこれまでほど予約に困難さが伴わないとも思うが、どうも予約形式が今回は変わるようで、都内6店舗の青山ブックセンターまで出向いて前売券買わないといけないのか。まあ、広くなったんなら当日でも行けるんじゃないかという気もするが。しかし、入場料1500円は高い。ABCが一度倒産する前までは、このイベント無料だったのだが。まあ、無料は流石に変に思っていたので、再開後の有料料金の500円ぐらいの頃が良かった。

 で、先ほど名前が出た中川信夫の、生誕102〈トーフ〉年記念オールナイトというのが新文芸坐で2週に渡って行われる。

9/1 酒と豆腐を愛した映画職人 中川信夫 生誕102〈トーフ〉年記念オールナイト〈第一夜〉 新文芸坐(Pコード:553-133)
『地獄』 (1960/国際放映)脚本:中川信夫、他 出演:天知茂沼田曜一 22:30〜
憲兵と幽霊』(1958/国際放映)出演:天知茂、宮田文子
東海道四谷怪談』(1959/国際放映)原作:鶴屋南北 出演:天知茂
『女吸血鬼』(1959/国際放映)出演:和田桂之助、池内淳子


9/8 酒と豆腐を愛した映画職人 中川信夫 生誕102〈トーフ〉年記念オールナイト〈第二夜〉 新文芸坐(Pコード:553-134)
日本残酷物語』 (1963)共同監督:小森白、高橋典 ※ドキュメンタリー 22:30〜
『亡霊怪描屋敷』(1958/国際放映)出演:細川俊夫、江島由里子
『怪談 蛇女』 (1968/東映)出演:河津清三郎山城新伍
『怪異談 生きてゐる小平次』 (1982/東宝)出演:藤間文彦、宮下順子石橋正次

 この2週で8本観て、後はレンタルで『ウルトラマンレオ』の中川信夫演出回でも見ておけば、尤もらしく一席ブツことができなくもないと思うが、前述の『怪談 蛇女』など観るべき作品も多いが、個人的に動揺したのは、何と言っても上映作品に『日本残酷物語』が入っていることで、昨年自身に起こったさる悲劇から、この作品が幻と化していたので、早い段階でもう一度チャンスが巡って来たので、今度こそ逃さないでおきたい。中島貞夫の『にっぽん'69 セックス猟奇地帯』と通じる箇所も多いと聞くので、比較も含めてやってみたい。

 で、更にハナシの転がりも快調に、ニッポンのエクスプロイテーション映画の代表的監督兼プロデューサーといえば若松孝二で、中川信夫と同時期にポレポレ東中野で、沖島勲の『一万年、後....。』公開を記念したオールナイトが二週に渡って行われる。二週目には、上映される機会の少ない若松の『性の放浪』と『性犯罪』が上映されるので、9/8・9/15のオールナイトで、ニッポンのエクスプロイテーション映画の中でも極めて観る機会の少ない作品を観ることが出来るちょっと画期的な状況になりつつある。

■9/15(土) 『一万年、後....。』』公開記念 沖島勲脚本作ナイト ポレポレ東中野 23時開場 23時15分より



性の放浪若松孝二監督 出口出沖島勲)脚本

性犯罪』 若松孝二監督 出口出沖島勲)脚本

『紅蓮華』 渡辺護監督 沖島勲脚本


映画脚本作一挙上映!

※上映前にトークあり。

 といったように、9月に入っても映画方面は怒涛の上映が続きそうで、秋口の映画祭シーズンにこのまま突入しそうである。何せ9/8(土)〜10/12(金)迄は、いよいよシネマヴェーラ渋谷で「妄執、異形の人々Ⅱ」が始まる。公式発表されている上映作品は、『怪談せむし男』がニュープリントで登場して、これまた先ほどのハナシの流れの続きに(今日はハナシの流れが良いな)当たるが、ここでも中川信夫が登場し、『日本怪談劇場 牡丹灯篭』が上映される(『○撃作戦11号』とか『ス○ルタの海』とか色々噂は飛び交ってますな)。
 ちなみにシネマヴェーラのその前の番組は、8/18(土)〜9/7(金)に渡って上映される《ユナイテッド・アーティスツの栄光》というもので、上映作品は下記の通り、

ユナイテッド・アーティスツの栄光》 8/18(土)〜9/7(金)  シネマヴェーラ渋谷


『裸足の伯爵夫人』『キッスで殺せ!』『現金に体を張れ』『情婦』『十二人の怒れる男』『暗黒待の女』『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』『荒馬と女』『ナック』『イエロー・サブマリン』『ラストランゴ・イン・パリ』『ロング・グッドバイ』『ガルシアの首』『アニー・ホール』『マンハッタン』『レイジング・ブル』『天国の門

 『キッスで殺せ!』や『イエロー・サブマリン』は近年リヴァイバル上映された方のバージョンだろうか?『ロング・グッドバイ』はPFFでパスして正解だった。
 注目はやはり、ニコラス・レイの『暗黒待の女』と、マイケル・チミノの『天国の門』になるのだろうか。
 何にしても、8月にこれだけ方々で一気に上映してしまって良いのかと恐ろしくなるが、予定を組むのに四苦八苦している。