『若松孝二 初期傑作選 DVD-BOX 4』『犬神の悪霊』

若松孝二 初期傑作選 DVD-BOX 4』
114)『壁の中の秘事』(若松孝二) 
115)『胎児が密漁する時』(若松孝二) 
116)『犯された白衣』(若松孝二) 
117)『犬神の悪霊』(伊藤俊也) 

若松孝二 初期傑作選 DVD-BOX 4 犬神の悪霊 [DVD]
 114)〜116)あの高い高い紀伊国屋のDVD-BOXを購入する時はある種の根拠が必要で、初ソフト化の『理由なき暴行』が観れるとか、『裸の銃弾』のフィルムが発見されてDVDになったからとか、そこをバネに購入に踏み込むのだが、そういう意味で、紀伊国屋から発売された一連の『若松孝二 初期傑作選』のうち、第4弾となる本BOXは、いちばん購入理由が見当たらなかった。収録されている3作とも既に何度も観ているし、『胎児が密漁する時』は傑作とは思うものの、『犯された白衣』は世評ほど良いとは思わないし、『壁の中の秘事』は国辱映画騒動で有名になっただけの凡作と思っていたので、いくらドイツでデュープネガが見つかったからこれまで16mm版しかなかったのが35mmのニュープリント作成したとか言っても、購入は後回しにしていたが、若松モノも単品発売が始まり、BOXも早目に買っておこうと思い、勢いをつけて購入。何とか25%引きで11000円代で。とりあえず、これで紀伊国屋若松もコンプリート。まだソフト化されていない作品も多く、2in1とかで安く出ないものかと思うのだが、紀伊国屋から出たものは、この価格だけに質は良く、充実したライナーなど特筆すべき点も多い。
 ともあれ、この中ではいちばん馴染みの薄い『壁の中の秘事』を再見して、評価が変わるかどうかを期待したい。驚いたのは、本作のDVDの特典で、オープニングの編集が異なるからと、バージョン違いも収録してある細かさで、その他、微妙に編集が異なるらしいので、ビデオ版も持っておいた方が良さそうだ。
 117)遂に『犬神の悪霊』が」DVD化されたので、発売と同時に購入。こちらも25%OFFで。昨年、シネマヴェーラの「妄執、異形の人々」でようやく初めて観たが、質の高い怪奇映画だった。渡辺文樹の『ザザンボ』や『御巣鷹山』を観ても、あ、『犬神の悪霊』だと思ったぐらいで。長らく画質の悪い海賊版しかなかった本作がスクイーズ収録された画質の良いDVDで出たのは喜ばしい。