『荒野のダッチワイフ』『三人の女』

大和屋竺から始まった
209)『荒野のダッチワイフ』 (一角座) ☆☆☆★★

1967年 日本 大和屋プロダクション モノクロ スコープ 85分
監督/大和屋竺   脚本/大和屋竺    出演/渡みき 港雄一 山本昌平 津崎公平 辰巳典子 麿赤児 大久保鷹 山谷初男
荒野のダッチワイフ [DVD]

招待作品部門 ― はじめましてアルトマン
210)『三人の女』[Three Women] (ユーロスペース) ☆☆☆☆

1977年 アメリカ カラー スコープ 123分
監督/ロバート・アルトマン    脚本/ロバート・アルトマン    出演/シェリー・デュヴァル シシー・スペイセク ジャニス・ルール ロバート・フォーティエ ルース・レルソン

 PFFの狂乱のアルトマン特集もこれで終わりである。自分が観たのは『ナッシュビル』『ウエディング』『ギャンブラー』『ボウイ&キーチ』『BIRD★SHT』『名誉ある撤退〜ニクソンの夜〜』『三人の女』で、『イメージーズ』は、チケットも購入していたが都合でいけずじまいだった。ま、DVDが出ているから良いが。
 “はじめての溝口健二”だとか“はじめましてアルトマン”とか特集に冠せられると、ケッという思いを抱くのだが、ただまあそれは本当のことだし、作品を目にすればその素晴らしさにフラフラになるのだから、そこをとやかく言っている場合ではなく、初見ばかりの作品だったが、リアルタイムでは『ザ・プレイヤー』からしか劇場で観ていないが、それがアルトマンの一面でしかなく、70年代のアルトマンを全く観ずにアルトマンを語ることの愚を教えてくれた今回の特集にはひたすら感謝しかない。退色したプリントや、TV放送用のスタンダードサイズにトリミングした作品もあったが、『ナッシュビル』を筆頭に、好きな順に並べると、以下『三人の女』『ボウイ&キーチ』『ウエディング』『ギャンブラー』『BIRD★SHT』『名誉ある撤退〜ニクソンの夜〜』といった作品を一気に観ることが出来て、ひたすら幸福だった。

 『三人の女』には完全に打ちのめされた。観ていて震えるような傑作だった。(つづく)