2008年2月
『魍魎の匣』(☆)、『ユゴ 大統領有故>』(☆☆☆★)、『茶々 天涯の貴妃』(★★★)、『夜顔』(☆☆☆★★★)、『わが幼少時代のポルト』、『世界の心』、『夕映え少女』(☆☆★)→[『イタリアの歌』(☆☆★★★)、『むすめごころ』(★★)、『浅草の姉妹』(☆☆☆)、『夕映え少女』(☆☆★★)]、『悪魔の手毬唄』(☆☆★★★)、『小さな悪の華』(☆☆☆★★)、『グミ・チョコレート・パイン』(☆☆☆)、『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(☆☆☆★★★)、『凍える鏡』(☆☆☆★)、『水心』(☆☆★★)、『アメリカン・ギャングスター』(☆☆☆★★)、『ALLDAYS 二丁目の朝日』(☆☆★★★)、『金貼の女』、『たそがれ』、『風雲の巻』『怒濤の巻』総集篇]()
『青春讃歌 暴力学園大革命』()、『裸の夏 THE NAKED SUMMER』(☆☆☆★)、『THEM ゼム』(☆☆☆)、『くりいむレモン 旅のおわり』(☆☆☆★)、『恋の裸』(☆☆★★)
2月1日(金)
今日で本年度講義終了。最後、バタバタの内に終わる。
帰りがけに毎度寄るCD店、いよいよ閉店。在庫のDVD80%OFFになっている。それほど大した量が残っているわけではないので、さっさと買うのを決める。買ったのはこの3枚。D・W・グリフィスの『東への道』と、ジュリンアン・デュヴィヴィエ『グレート・ワルツ』、アステアものの『コンチネンタル』を購入。
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本日映画の日なので、池袋シネマ・ロサで原田眞人の『魍魎の匣』(☆)を観る。
酷い愚作。原作は好きだし、原田眞人にはまだ期待を持っていたので、ここまで酷いとは思わっていなかったので呆れかえる。
そもそも、京極夏彦の原作の面白さを映像するなら、往年の古谷一行の「横溝正史シリーズ」の如き、それなりに予算をかけて連続テレビドラマ化すべきではないかと思っている。映画でやるなら、3時間、3時間半ぐらいでも構わないぐらいの気持ちでやらなければ、とてもあの情報量は入りきらない。別にすべてを入れ込む必要はないが、現在の日本映画には脚色という発想が欠けているので、ベストセラー小説の映画化の場合、ダイジェストにしかなっていない印象が強いのは、原作がそもそも長い上に、プロデューサー側が原作の要素を全て入れて観客の期待を裏切らないものにしようとすることに腐心するあまり、映画が団子の串刺し状態の見せ場のダイジェストになっていようがお構いなしに、上映時間が2時間そこそこで収まってさえいれば良い、というような発想で当たるから、例えば『レディ・ジョーカー』なども、平山秀幸にしては唯一に近い失敗作になってしまっていた。
前作『姑獲鳥の夏』は、実相寺昭雄が監督するという理想的状況であったものの、シナリオの作り方が前述のようなフォーマットだったこともあって、悪くはないにしても、実相寺作品としては大味で不満の残る出来だった。これでシナリオを薩川昭夫あたりがやればかなり面白くなったのではないかなどと思いながら観ていた。興行的に大ヒットとはならなかった為か、直ぐに続編製作決定とはならず、3年後によくやく『魍魎の匣』が製作されたわけだが、実相寺監督は既に亡く、個人的にそれなら市川崑の出番だと真剣に思っているが、そんなことが通るわけもなく、結局、原田眞人の登板となった。
しかし一方で、原田眞人ファンとしては、これはこれで嬉しかったりもする。『バウンス koGALS』を観た時、いよいよ次からはメジャーで秀作を放ち始めることになるだろうと思っていた。松竹での奥山和由とのコンビで関が原の戦い400周年記念超大作『関ヶ原』も控えていたこともあり、黒澤明の正統な後継者は原田眞人が相応しいとまで期待していたのだ。奥山Jrの解任騒動を経て、ようやく決まった新作が東映で伊藤俊也→三池崇史を経て急遽監督することになった『金融腐蝕列島・呪縛』であっても、原田眞人ならやるだろうという信頼があった。結果はいささか不満はありながらも自身のスタイルで堂々とメジャー映画を撮りきったので、次回作を期待させた。しかし、奥山関係者排除によって『OUT』を降板せざるをえなくなるなど、決して順調なメジャー監督としての道のりではなく、ようやく目にした新作『狗神 INUGAMI』にもそれだけに期待を持っていたものの、ホラー、怪奇伝記ミステリーには全く対応できていないのをまざまざと晒したに過ぎず、にも関わらず、『犬神家の一族』をトンマな映画と呼ぶなど、この辺りから原田眞人への不信感が高まってきた。それでも『突入せよ! 「あさま山荘」事件』には不満は幾つもありながら、見せ切っていたし、その後もDVDで定期的に再見している後期の作品では唯一と言って良い作品になっているのだから魅力があったのだろう。
やはり原田眞人は量産すべきであるという思いを抱いてはいたもののその後新作の報はなく、ようやく観ることができたのがWOWOWで製作した後に劇場公開された明治村観光映画『自由戀愛』だけというのは寂しいものだった。
それが昨年来、『伝染歌』『魍魎の匣』『クライマーズ・ハイ』とメジャーでの新作が続いているのは、今こそ原田眞人が復活する時だと思った。それも因縁の松竹、東宝、東映と各社で撮っているのが嬉しい。
それが『伝染歌』に続き『魍魎の匣』が不発と来ては不安になってしまうが、原田眞人は本当に大丈夫だろうか。
『魍魎の匣』は、そもそも『狗神 INUGAMI』の段階で明らかだった原田眞人が怪奇伝記ミステリーが極めて下手糞であるという事実を、原田眞人の映画趣味で埋め尽くすという奇形じみた作品にしてしまったことが最大の不幸で、時制のバラシも、『第三の男』も、ハナから趣味でもない原作に無理やり自身の趣味を持ち込んだだけだ。唯一期待していた上海撮影所を使った戦後の町並みも不味かった。事前に『CGワールド』などを読んでいると、元のままではあまりにも中国風味なので、建物を消したりバラ消ししている模様なので、かなり空間の広がった世界が観れるのではないかと期待したが、遠景は多少処理をしたのかもしれないが、町並みはそのままなので中国でしかない。それならそれで架空の可能性としての戦後日本を作りだしてくれれば良いが、そこまでの世界観の広がりはない。単に上海撮影所を何の工夫もなく使ったというだけで、この程度で良いと思われては、関東と関西で瓦の作りが違うと拘っていた映像京都(=旧大映)の仕事など無に帰してしまうのではないかと思ってしまう。
終盤の肝心の匣の中の描写には、ただ茫然。
アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの事件簿 新訳シャーロック・ホームズ全集』読了。
シャーロック・ホームズの事件簿 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
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2月2日(土)
注文していたDVD長谷川和彦の『青春の殺人者』が届く。三千円。パイオニアのATG選集から発売されていたが、いつの間にか廃盤となり、一万円近いプレミアがついていた。定価が4700円なので、そくサクサクと買うわけにもいかず、又、『青春の殺人者』は名画座やCSでもよくかかる為、態々改めてDVDを購入するタイミングがなかなかなかった。パイオニアの名称変更後のジェネオンが、ATG作品の再発売を始めた。しかも価格は定価3800円と求めやすくなっての再発なので嬉しい。ということで早速購入したが、『青春の殺人者』に3つのバージョンがあることは知らなかった。『家族ゲーム』なども再発されているが、今後も次々と再発されていくようで、テラヤマの買いこぼしとか諸々あるのでこれを機に。
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2月3日(日)
中野ブロードウェイで中古DVD『今村昌平傑作選 第一巻』『スイング・タイム(有頂天時代)』を購入。
『今村昌平傑作選 第一巻』は、『未帰還兵を追って:マレー編』『ブブアンの海賊』『遠くへ行きたい/おれの下北』収録。これで『うなぎ・劇場版』を買えばイマヘイDVDコンプリート。
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2月4日(月)
雑誌『キネマ旬報 2008年2月下旬号』と『シナリオ 2008年3月号』購入。
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2月6日(火)
阿佐ヶ谷LOFTAへ初めて行く。「塩見塾が提出する、<実録・連合赤軍>を受けた、白熱の連合赤軍総括論争の現在」を見るため。
出演は、足立正生×竹藤佳代×鈴木邦男×塩見孝也×若松孝二。
塩見孝也が如何にどうしようもない馬鹿で時代から取り残された老害でしかないかを、目の前で見てはっきりと再認識する。ただし、足立、鈴木、若松がそれを踏まえた上で、全員で塩見を「アンタが悪いんだ」と指さして、塩見が拗ねるという光景は面白かった。しかし、普段、映画関係のイベントでは温厚な足立が怒鳴り散らすのには驚いた。
しかし、塩見の言動を見ればそれもよく分かる。むしろ鈴木クニーのバランスの良さが好感を持て、手慣れているのでスラスラと司会を務めるのは流石。
それにしても塩見は馬鹿。市の派遣で何か仕事をして生計を立てている由。生活者の視点から語った方が説得力が出るのではないか。シャバに出て20年近いのに、いまだ精神的には社会復帰できていない塩見と、早々に復帰しえた足立が対照的。
普段、映画方面のイベントでは足立は若松とやりあうことが多いが、こういう場では徹底的に若松を擁護し、塩見を糾弾する。そして若松と足立は、塩見に全共闘用語ではなく、今の言葉で語らなければ今の人々には伝わらないのだと説く。
新宿TSUTAYAでレンタルDVD『ピクニック at ハンギング・ロック』。
ピクニック at ハンギング・ロック ディレクターズ・カット版 [DVD]
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雑誌『ダ・ヴィンチ 2008年4月号』購入。
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2月7日(水)
シネマート六本木で、イム・サンスの『ユゴ 大統領有故』[PRESIDENT'S LAST BANG](☆☆☆★)を観る。
パンフレット『ユゴ 大統領有故』購入。
2月8日(木)
丸の内東映で橋本一『茶々 天涯の貴妃』(★★★)、ユーロスペースでマノエル・デ・オリヴェイラ『夜顔』〔BELLE TOUJOURS〕(☆☆☆★★★)と『わが幼少時代のポルト』[PORTO DA MINHA INFANCIA/PORTO OF MY CHILDHOOD]、シネマヴェーラ渋谷でD. W. グリフィス『世界の心』[Heart of the World]、ユーロスペースで『夕映え少女』(☆☆★)〔山田咲『イタリアの歌』(☆☆★★★)、瀬田なつき『むすめごころ』(★★)、吉田雄一郎『浅草の姉妹』(☆☆☆)、船曳真珠『夕映え少女』(☆☆★★)]を観る。
パンフレット『夜顔』購入。
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2月9日(土)
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『富士日記』が面白いので止まらなくなる。
『アオイホノオ』、噂には聞いていたが凄い。内容も面白いが、芸大のディテイルの書き込みの精密さに悶絶する。30年近く経っても基本的に変わっていないので、文連BOXやUFO通り、一食、旧ユーゴ書店などをちゃんと描いているのに唸る。しかし、『河南文学』に掲載されているなら兎も角、一般誌に連載され、普通に単行本化されているのが何とも…。トキワ荘関連の漫画に通じるマイナーなシチュエーションの普遍化か。
- 作者: 武田百合子
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- 作者: 武田百合子
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- 作者: 島本和彦
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2月10日(日)
浅草名画座で渡辺邦男の『悪魔の手毬唄』(☆☆★★★)を観る。
ソフト化されていないとは言え、名画座には偶にかかるし、CSでも何度も放送されている。だからレア映画ではない筈だが、何故か自分はこれまで徹底的に観る機会がなく、WOWOWで放送された時は何故か見逃し、CSでやった時も加入手続きがズレたり、人に頼んでも録画できなかったりするわ、ラピュタ阿佐ヶ谷で上映しても上映時間にギリギリ間に合わないとか、満員で入れないとか、兎に角観れない。まあ、何故か尽く見逃す映画というのは何本かあるもので、死なない内に観れれば良い、という程度に思っていたが、今回ようやく観ることができた。かつて、『FLEX』のミステリー映画特集で桂千穂先生が本作を観ていないとしながらも、渡辺邦男のミステリーで面白いわけがないと喝破していたが、実際に観ても確かにミステリーの体を成していない。東映の片岡千恵蔵=金田一の路線に沿った原作の面影すらない金田一像ではあるが、高倉健が演じているというのが唯一にして最大の見所だが、正にそれ見たさに観たと言っても過言ではない。
それにしても、肝心の手毬唄を が出したレコードにするという大胆な改変ぶりは驚く。
ミステリーを弁えていない人が撮るとこんなことになってしまう好例だが、それでもちょっとしたムードはあり、飽きずに眺めることはできた。製作されたのが原作に近い年代だからか。
秋葉原に回って、例の980円のリサイクルDVDで、ジム・ジャームッシュ『パーマネント・バケーション』と『ダウン・バイ・ロー』、それからこっちは新品980円で、フランソワ・トリュフォー『野生の少年』を購入。
- 出版社/メーカー: キングレコード
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吉祥寺へ行き、バサラブックスで『ユリイカ 1991年4月号』を700円で購入。<特集・鈴木清順>である。これも神保町の専門店では馬鹿みたいな価格を付けていたりするから、幸いか。
吉祥寺バウスシアターのレイトショーでジョエル・セリアの『小さな悪の華』[MAIS NE NOUS DELIVERZ PAS DU MAL/DON'T DELIVER US FROM EVIL](☆☆☆★★)を観る。
後10日でDVDが発売されるし、プロジェクター上映なので観なくても良いようなものだが、気が向いて観に行く。
少女の美しさと妖艶さと悪意が見事に描かれていてうっとりする。何度でも観たい。
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2月11日(月)
今日も吉祥寺バウスシアターへ行く。月曜男性千円。ケラリーノ・サンドロヴィッチの『グミ・チョコレート・パイン』(☆☆☆)を観る。
大槻ケンジの原作があるとは言え、基本的には監督デビュー作『1980』の同工異曲と言って良く、80年代の匂いは、より手慣れた本作の方が良く出ている。
全体の印象が『アイデン&ティティ』と同じようなところに収まってしまうのは、80年代を現在から描いた作品が持つ特有のものなのか上限なのか分らないが、結果、悪くはないという程度の印象になってしまっているのは、果たして自分は作品そのものを評価した上でのことなのか、80年代への嫌悪を抱いているがゆえのものかもはっきりしない。
前半に顕著な、如何にも小演劇的な小ネタで延々と引っ張るのは、流石に巧いので退屈せずに観られるとは言え、そこに作品のバランスを崩すほど力が注がれているのは出自を考えれば仕方ないとは言え、釈然としない。
2月13日(水)
金券ショップでミラノ座チケットが650円だったので2枚購入。
新宿ディスクユニオンで中古DVD・中川信夫『亡霊怪猫屋敷』と、 スウェーデンポルノ『濡れた唇』を購入。各1880円。『怪猫亡霊屋敷』はジェネオンからリマスターが発売されたので中古価格が下落した模様。時代的に考えてもそう劇的に画質が向上したわけでもなかろうと購入。
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新宿ミラノ座で、ティム・バートンの『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』[SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET](☆☆☆★★★)を観る。横溝正史原理主義者にとっては、ティム・バートンの最高傑作は『スリーピー・ホロウ』ということになる。初めて観た時に、これは『八つ墓村』だ『悪魔の手毬唄』だと興奮した。だから、本作にも当然期待していたが、裏切られることなく傑作だった。
渋谷へ移動して、『凍える鏡』の整理券を取ってから近くのカフェで仕事していたら、市川崑監督の訃報入る。92歳。場所も忘れて涙が頬を伝って落ちる。映芸のベストテンで犬神が選考範囲に入っていたので、個人では一昨年分として挙げていたが、もう一度ベストに挙げておいて良かったと思う。またどこか紙媒体でベストを選考するような機会が、もしあったにしても、もう二度と市川崑の新作をベストに挙げる機会はないのだからと自己満足的に思う。市川崑監督によって映画を教えられた。ありがとうございました。
シネマ・アンジェリカで、大嶋拓『凍える鏡』(☆☆☆★)を観る。
地方の自治体が金を出して作ったような教育映画の如き生真面目さが気になったが、後半の雪が作品を覆い始めると途端に映画が動き始める。ただ、少年をそれぐらいのことで精神病扱いしてカウンセリング受けさせるのが違和感あり。
上映前に、田中圭×冨樫真×大嶋拓のトークショーあり。終映後、パンフレット購入。
2月14日(木)
新宿TSUTAYAで中古DVD『キング・コング デラックス・エクステッド・エディション』購入。1800円。
キング・コング デラックス・エクステンデッド・エディション(3枚組) [DVD]
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2月15日(金)
ムラケン監督特集上映、『ペルソナ』最終日、共に仕事で行き損ねる。
新宿HMVでDVD『ジョーズ2』と『サヨナラCOLOR』を購入。
『ジョーズ2』980円。ロイ・シャイダー追悼にかこつけて購入。前作が名作過ぎて損しているが、子供の頃、テレビ放送で散々やっていた頃に観た印象は悪くなく、続編映画としては悪いものではなかったように思うが今観返すとどうか。この際、『ジョーズ3』『ジョーズ4 復讐篇』も買っていこうと思う。
『サヨナラCOLOR』は廉価版が出たので2380円。竹中直人らしく特典満載で廉価版でもコメンタリー、未公開シーン、メイキング等が入っている。作品としても、かなり好き。
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2月16日(土)
イメージフォーラム・シネマテークで村上賢治『水心』(☆☆★★)を観る。
Tジョイ大泉でリドリー・スコット『アメリカン・ギャングスター』〔AMERICAN GANGSTER〕(☆☆☆★★)を観る。パンフレット購入。
渋谷TSUTAYAで中古DVD『万事快調』と『Dr.Tと女たち』を購入。
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2月18日(月)
中野ブロードウェイでDVD『太平洋ひとりぼっち』『犬猫 35mm版』『ロード・オブ・ザ・リング』購入。
『太平洋ひとりぼっち』、新品ポイント引きで三千円。買い渋っていたが市川崑追悼で購入。長らくテレビ放送されている版はアメリカ公開版だったが、ある時期から日本公開版が観れるようになった。
これで、これまでのところ発売されている市川崑のDVD化されている劇映画で未購入なのは11本。『夏目漱石のこころ』『炎上』『ぼんち』『野火』『破戒』『雪之丞変化』『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』『古都』『竹取物語』『四十七人の刺客』『ユメ十夜』。
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シネマート新宿で村上賢治『ALLDAYS 二丁目の朝日』(☆☆★★★)を観る。
言われているほど悪くない。ウエルメイドなプログラムピクチャーになっている。確かに、タイトルの割に本家への目配せが中途半端だったり、売春禁止法が施行される時期を舞台にしてゲイを持ってくるならもっとこうしたら、などと色々思うのは、題材の切り口が多様にあるからだろうし、前田陽一の『にっぽんぱらだいす』などの怪作に負けない重喜劇に出来る題材だと思うだけに過剰な期待を持ってしまっている嫌いがある。
それでも八百屋のゲイのオヤジの扱いなどルーティーンだが上手いもので、村上賢治のピンク映画や薔薇族映画を観たいという思いもあった。アヴァンタイトルの東京タワーの出し方なんてピンク映画的ではないか。
写真が余りにも多用され過ぎなのは頂けないし、『トキワ荘の青春』の如く、長めの尺を取って限られた枚数の写真をじっくり見せた方が、当時の写真による時代の表出という効果が上がったであろうし、これでは低予算の誤魔化しでしかないのが透けて見えすぎてしまう。
気に入ったのは終盤のリンチシーンで、『東京ハレンチ天国』以来の跳ね上がりを期待したが、演出は生真面目に徹していたので、往年の東映風味に過剰さがもっとあっても良かったと思う。
2月19日(火)
ポレポレ東中野で、いまおかしんじ『金貼の女』『たそがれ』を観る。
ポレポレの受付で、『あさってのこと ―いまおかしんじシナリオ集2』を購入。前作『また、どこかで』も素晴らしい読み物だった松島出版の最新作でもある。掲載作は、『空き部屋』(公開題:団地妻 隣のあえぎ)、『たまもの』(成人館公開題:熟女・発情・たましゃぶり)、『たそがれ』(成人館公開題:いくつになってもやりたい男と女)の三作。この三本のセレクトは、『空き部屋』は、他の監督(この場合は、サトウトシキ)にシナリオを提供した脚本家として。『たまもの』は監督・脚本作として。『たそがれ』は他人の脚本作として。という異なる見方ができるようになっていて、いまおかしんじを考える上でも絶好の参考資料となっている。
DVDでスタンリー・キューブリックの『非情の罠』を購入。1600円。これでキューブリックはコンプリート。後は監督の希望でスタンダードにトリミングされている作品をオリジナルサイズで観たいと思うぐらいか。
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2月20日(水)
フィルムセンターでマキノ正博『恋山彦[『風雲の巻』『怒濤の巻』総集篇]』()、シネマヴェーラ渋谷で内藤誠『青春讃歌 暴力学園大革命』()を観る。
雑誌『キネマ旬報 2008年3月上旬号』『AERA MOVIE ニッポンの映画監督』購入。
『AERA』は一応資料用に購入したものの、登場する監督、作品の選びが極めて杜撰。ピンク方面も、女池充一人とはどういうことか。
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AERA MOVIE ニッポンの映画監督 (AERA Mook AERA MOVIE)
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単行本『若松孝二 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』購入。1470円。劇場ではパンフレット代わりに販売されるとか。
- 作者: 「実録・連合赤軍」編集委員会+掛川正幸
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2月21日(木)
イメージフォーラムで岡部憲治『裸の夏 THE NAKED SUMMER』(☆☆☆★)を観る。
テレコム製作の正攻法で作られたドキュメンタリー。ただしパンフレットを読むと撮影順と構成は順序通りではなく、編集でかなり入れ替えも行っている。
インデペンデントドキュメンタリーの、個に徹底的に寄り添っていく作品を観ていると、本作などは正攻法過ぎたり、もっと個に寄り添えば、かなり面白くなるのにと思うことしきり。
パンフレット購入。
『ショック!残酷!切株映画の世界』購入。
2月22日(金)
大和屋竺の『愛欲の罠』DVDが届く。
ネット購入で三千円。大和屋竺最後の長編監督作。ジェネオンのロマンポルノDVDの枠での発売がラインナップ発表時に明らかになった時、遂に、という思いと共に、果たして本当に発売されるのかどうかという不安もあったが、出来ることならDVDで観る前に劇場で観ることが出来ればと思っていたが、それも昨年の上野一角坐での上映で適った。とは言え、全国公開されたわけではないので、二回観に行ったとか無邪気に喜んでいる場合ではなく、DVD発売によって、ようやくこの呪われた秀作の封印が完全に解かれ、幅広く多くの観客に共有されることになったわけで、それが嬉しい。
これで、大和屋監督作は、『』を除いて全作観たことになるが、ソフト化ということで言えばまだまだ道は険しく、『荒野のダッチワイフ』がトリミングされたものでしかDVDになっていないのはおかしいし、『裏切りの季節』がビデオ時代創世記のハミングバード版でしかソフト化されていないのは、残念でしかない。都心では割合頻繁に上映されるから構わないという問題ではない。大和屋BOXが出るという噂もあるようだが、『』などは、劇場で観た後、自宅で丹念に観返したい欲求に駆られた。
『愛欲の罠』DVDの画質をさっとチェックしてみたが、劇場で観た際と変わらない。音声が聞き取り辛かったが、ある程度修正されているのではないかと思ったが。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2008/02/22
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シネセゾン渋谷でダヴィド・モロー・ザヴィエ・パリュ『THEM ゼム』[ILS/THEM](☆☆☆)を観る。
パンフレット購入。
2月25日(月)
新宿ディスクユニオンで、中古DVD『結婚哲学』購入。1200円。
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 2006/03/24
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- 作者: 鈴木清順,磯田勉,轟夕起夫
- 出版社/メーカー: ワイズ出版
- 発売日: 2006/12/01
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- 作者: 山田宏一
- 出版社/メーカー: ワイズ出版
- 発売日: 2002/09/01
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- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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2月28日(木)
中野ブロードウェイで中古DVD『CODE46』と『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』を購入。
『CODE46』は、英国の市川崑ことマイケル・ウインターボトムのSF。多様なジャンルをそつなくこなす多作のウインターボトムの作品は、丁度日本公開が始まった頃から大阪に住み始めたので、かなり観ている。その中では、『ウエルカム・トゥ・サラエボ』と本作が割合印象に残っている。英国製のこの規模のSFはかなり好きだ。1480円。
『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』は890円。1作目もこの値段で買えたので、全作890円で購入したい。
- 出版社/メーカー: アット エンタテインメント
- 発売日: 2006/04/28
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ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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2月29日(金)