2008年4月・5月
(4月)
『性の放浪』(☆☆☆★★)、『明日のかえり路』(★★)、『座って!座って!』(★)、『emerger』(☆☆☆)、『感じぬ渇きと』(★★)、『きつね大回転』(☆★★)、『daughter』、『あしたのむこうがわ』、『希望』、『裏切りの闇で眠れ』(☆☆☆)、『クローバー・フィールド』(☆☆☆)、『接吻』(☆☆☆★★★)、『色情淫婦 こまされた女たち』(☆☆★★★)、『羽田へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』、『1・3』、『タンデム』、『ゆーのーみー』、『我ら天下をめざす』(☆☆☆)、『人に歴史あり〜十八歳の暗黒』(☆☆☆★)、『こんにちわーChim↑Pom!!』(☆☆☆★)、『日本イスラーム化計画』(☆☆☆)、『古澤健のMっぽいの好き。』(☆☆☆)、『フロム・パラダイス』(☆☆☆★)、『人間爆発』(☆☆☆★)、『セックスと嘘とビデオテープとウソ』(☆☆☆★★)、『潜水服は蝶の夢を見る』(☆☆☆★★★)、『ヘアスプレー』(不完全鑑賞につき評点なし)、『狂った触覚』(☆☆☆☆)、『PEEP SHOW』、『スローモーション』、『看護婦日記 濡れたまま二度、三度』、『押入れ』『コントロール』(不完全鑑賞につき評点なし)、『痴漢電車 びんかん指先案内人』、『不倫中毒 官能のまどろみ』、『うずく人妻たち 連続不倫』、『奴隷』、『痴漢電車 いやらしい行為』、『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』(☆☆☆★)、『ペネロピ』(☆☆☆)
(5月)
『ラブハンター 熱い肌』(☆☆☆★★)、『ざ・鬼太鼓坐』(☆☆☆★★)、『ダージリン急行』(☆☆☆★★)、 『濡れた欲情 特出し21人』(☆☆☆★★★)、『松風村雨』、『杉野兵曹長の妻』、『ラスト、コーション』(☆☆☆★)、『人のセックスを笑うな』(☆☆☆★★)、『今夜、列車は走る』(☆☆☆★★)、『昼下りの情事 変身』(☆☆☆★)、『4ヶ月、3週と2日』(☆☆☆★★)、『ぜんぶ、フィデルのせい』(☆☆☆★)、『日活行進曲 曽我兄弟』、『乙女シリーズ その一 花物語福壽草』、『パラノイドパーク』(☆☆☆★★★)、『ノーカントリー』(☆☆☆☆)、『薩摩飛脚』、『チーズとジャム』(☆☆☆★)、『イースタン・プロミス』(☆☆☆★★)、『由比正雪』、『鐵の爪 花嫁掠奪篇』、『愛の街角2丁目3番地』(☆☆☆★★★)、『ブレス』(☆☆☆)、『ザ・ストリップ 華麗なる裸の文化史』(☆☆)、『少林少女』(★)
4月1日(火)
4月早々いきなり風邪で絶不調。終日家で寝て過ごす。そのせいで、昼から夜まで続く井の頭公園での花見の誘いに行けず。外の天気が良いだけに尚更無念。
4月2日(水)
学校打ち合わせ。早々に終わる。
駅ビルの書店で、迷っていた雑誌『Sound & Recording Magazine 2008.4』を結局購入。自分にとっては音方面の機材は『ビデオα』に載っている情報で十分なので、ここまでの専門誌は必要ないが、先日買ったCORNELIUSのDVD『SENSUOUS』のオフィシャル映像副読本が付録で付いているので買わないわけにはいかず。AEのレイヤー画面を載せて解説するなどしていることもあり、個人的興味と講義で使えそうなので。しかし、その付録がまたサイズをDVDに合わせていて、ぴったりDVDに入るようになっている。それなら初めからDVDにつけとけよ!という思いがありありと。ライナーだけ別の雑誌につけて売るなんて詐欺としか思えない。
渋谷へ出てシネマヴェーラ渋谷で若松孝二『性の放浪』(☆☆☆★★)を観る。昨夏にポレポレ東中野のオールナイトで観て以来の再見。やはり素晴らしい。何故か惹かれる。沖島勲の脚本のせいなのか、白昼夢と言うか、時空が歪んでいるというか、この空間は何だろうと思う。ずっとスクリーンを見つめていると吸い込まれてしまいそうな…不思議なのは、足立の脚本、大和屋の脚本、沖島の脚本と、夫々の色を見事に若松が汲み取って別人の如き感覚で映画化していることだ。同じく沖島の脚本の『性犯罪』もおかしかった。その前後の他の脚本家による若松作品とは明らかに違う。
ユーロスペースで『Unloved』を観ようと思っていたら、今日のみ休映だと言う。と思っていたら、まだ大分先までやってると思っていた「桃まつりpresents 真夜中の宴」が実は三部に別れていて、第一部に当たる「壱の宴」が今日までであることを知り、チケットを購入。
時間が来るまで、HMVで電気グルーヴ『J-POP』と、木村カエラ『+1』を購入。両者共DVDが付いている。
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- 発売日: 2008/04/02
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時間が来たのでユーロスペースで『桃まつりpresents 真夜中の宴 壱の宴』を観る。上映作は三本。
竹本直美『明日のかえり路』(★★)、笹田留美『座って!座って!』(★)、佐藤有記『emerger』(☆☆☆)。
『座って!座って!』には、タイトル通りそう連呼する時にのみ映画が発生していたように思う。
『emerger』には魅せられた。ロマンポルノの匂いもあって、長編監督作が観たいと思っていたら、佐藤有記という人は『ユダ』『肌の隙間』『孕み』などで脚本を書いていた人だと気付き、納得と今後に期待が高まる。
4月3日(木)
練馬TSUTAYAにレンタル落ちのDVDが何枚かあったので、ビデオみたいにTSUTAYAでもDVDをこんな扱いにしているのかと妙に感心しつつ『完全なる飼育 赤い殺意』700円と、『LOVE/JUICE』500円を購入。レンタル落ちとは言え、正規でこの値段なら安い。しかし、両方共全く好きな作品ではないが。しかし、若松孝二だし、カネトの孫だし購入。
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池袋ジュンク堂で『nobody 27』を購入。石堂淑朗の『偏屈老人の銀幕茫々』が発売されていたので買うか迷うが、また今度に。
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- 発売日: 2008/03/21
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4月5日(土)
中野ブロードウェイで『キネマ旬報 4月下旬号』と『TRASH-UP!!Vol.1』を購入。
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2008/04/05
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4月6日(日)
ネットで注文していたDVD『グラインドハウス コンプリートBOX』が届く。発売直後に届くようにしていたら、不在が続きキャンセルされてしまったので慌てて再注文したもの。劇場で2回(その他『デス・プルーフ』は単独上映版も観ている)観ているので、DVDはいいかという気もしたが、やはり手元に置いておきたい。
グラインドハウス コンプリートBOX 【初回限定生産】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2008/03/21
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ユーロスペースで、『桃まつりpresents 真夜中の宴 弐の宴』を観る。大野敦子『感じぬ渇きと』(★★)、片桐絵梨子『きつね大回転』(☆★★)、木村有理子『daughters』、竹本直美『あしたのむこうがわ』、深雪『希望』
そういえば、桃祭りがあるからと他のお誘いを断ったら、観るべき話題作も観ずに桃祭りを優先するのはおかしいと言われる。大体美学校と縁もゆかりもないクセにとまで言われるが、でも、まあ気になる。駄作にも傑作にもなりかねない作品ばかりという紙一重な雰囲気が漂っているせいか。
渋谷TSUTAYAで雑誌『ダ・ヴィンチ 2008年 05月号』と、中古ビデオ『ハイ・ドラッグ・ラン』を100円で購入。未見作。
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2008/04/05
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4月7日(月)
新宿TSUTAYAで中古ビデオ、依田智臣『(秘)女子短大生集団妊娠』と、広木隆一『やりんこチエ いちじく診察台』を購入。夫々700円と500円。DVD化される可能性は極めて低いので中古ビデオ保護的観点からも有益かと。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 1994/05/21
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4月8日(火)
新宿ディスクユニオンで、中古DVD・田中登『発禁本「美人乱舞」より 責める!』が2900円だったので購入。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/09/22
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『広告批評 NO.324』は一年後休刊になるとか。もはや、批評は載っていなかったのだからという思いもあるが、淀川長治・おすぎの連載対談が好きで、そこからこの雑誌を読み始めた。
- 出版社/メーカー: マドラ出版
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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夜、新宿サンモールスタジオで、森岡利行演出の舞台『サヨナラ箒星』を観る。シナリオの講座で同期だった子の脚本デビュー作。彼女のコアの部分がしっかり残っていた。
4月9日(水)
DVD『何が彼女をそうさせたか』が届く。紀伊國屋から出たクリティカルエディション。
8年前に観て以来となるが、まさかのDVD発売に驚愕したが、こういった作品がDVD化されるのは誠に重要なことで、現在の映画をめぐる状況は、こういった古典の中でも近年発見された作品を観客に見せるということに関して、都心部での上映のみ、あるいは国内を通り越して海外で上映されるのみといった一部の熱心な観客か特権層のみにしか享受されないというのが問題で、しかもそれが一部の研究者向けの内容なら兎も角、全く古びないエンターテインメントの極みだったりするからタチが悪い。昨年やっと観た『忠治旅日記』にしても、血沸き肉踊る一大活劇で、あまりの面白さに感動した。モノクロ、サイレントの不完全映画を誰も彼もが観るとは思えないが、少なくとも潜在的映画ファンにまでは、上映環境、ソフト環境を整えるだけで届くと思うのだ。それを敷居の高いホールや料金で観客を選別してしまうことで、届いたかもしれない観客に届いていないもどかしさを感じる。それでありながら、現在の観客は古典を観ようともしないとか言うのは傲慢で、本作に関連して言えば、『嫌われ松子の一生』との二本立てなんかできれば最高だと思う。
はっきり言ってしまえば、紀伊國屋のクリティカルエディションなのでこのDVDも高い。五千円もする。それでもフィルムセンターにしまい込まれるよりはマシだ。誰か一人が買えば、その周りに見せることもできる。或いは自分は好まないが、DVD上映というような簡易上映会も可能だろう。一人でも多くの人に見せること、見せたいという思いに駆られるだけの魅力を『何が彼女をそうさせたか』は持っている。
五千円もすると書いたが、逆に言えば五千円もするだけに、同じく鈴木重吉の監督作『闇の手品』が特典映像で付いてくるなどそれに見合う分だけの努力はしてくれているので、買って損はしない。
何が彼女をそうさせたか クリティカル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/03/29
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中原昌也『中原昌也 作業日誌2004−2007』読了。いろいろ観点はあろうが、自分は『小林信彦60年代日記』と『植草甚一日記』と並ぶエンターテインメント日記だと思った。やたらと購買欲が凄いという意味では、やはり中原昌也は現代の植草甚一ではないか。出掛けたら何かしら買って帰らないと面白くないといったところなど。しかし、物欲がCDやDVDに集中するのは恐ろしい。他人ゴトではないだけに尚更である。
- 作者: 中原昌也,boid
- 出版社/メーカー: boid
- 発売日: 2018/11/09
- メディア: 単行本
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4月10日(木)
新宿タワーレコードで、雑誌『文藝 2008年 05月号』と『STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 05月号』を購入。
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/04/07
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STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 05月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ
- 発売日: 2008/04/05
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4月11日(金)
新宿武蔵野館でフレデリック・シェンデルフェール『裏切りの闇で眠れ』[TRUANDS CRIME INSIDERS](☆☆☆)を観る。
ディスクユニオンで中古DVD『ポンヌフの恋人』1980円、紀伊國屋FORESTでIVC20%OFFなので、アントニオーニの『赤い砂漠・デジタルリマスター版』を購入。何故、愛の不毛さを描いた作品ばかり買ったのか。たぶん今の心境か…。
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2006/10/27
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- 発売日: 2008/02/08
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4月12日(土)
ユナイテッドシネマ豊島園でマット・リーヴス『クローバーフィールド HAKAISHA』[CLOVERFIELD](☆☆☆)を観る。
二十歳頃から急に三半規管が弱くなったのか、ドグマ95な映画が観れなくなった。『ブラウィッチ・プロジェクト』も観た後寝込んで翌日学校も休んだ。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』もカノジョの膝枕で観たとかロクな記憶がない。以降はその手の映画は事前情報を入れて、最後方で観るとか工夫した。それが今回は座席指定でミスってデカイスクリーンの中央席で観るハメになり、かなり苦しく目を伏せていた。それでも僅かに目を上げて観た限りで言えば、見世物映画としては充実していて楽しめた。一度は誰かがやらねばらない映画を実現させたと言うべきか。
特撮好きだったので、理想の怪獣映画の話を子供のころ、マニアの友人といつまでもグダグダ喋っていたことがある。『ゴジラ』の新作は1作目の続編として作るべきだ、リメイクすべきだ。昭和29年を舞台に時代劇として作るべきだ。或いは怪獣が出てこない怪獣映画を作るべきだ、普通の映画だと思っていたら突然怪獣が出てくるべきだ、ドキュメンタリータッチの怪獣映画を…などと誰もが考えそうなことを、あーでもないこーでもないと日がな喋っていた。しかし、それらの単純な発想も、ここ十年の間に尽く実現されている。『ゴジラ』で言えば『ゴジラvsデストロイア』以降のミレニアムシリーズは1作目の続編という形式を踏襲している。平成ガメラ、『大怪獣東京に現る』『キング・コング』『グエムル』などで、一度は作られるべき方式の怪獣映画を観ることができた。
そして、本作の登場となる。観てしまえば、こんなもんだろうなという感想しかないが、911以降の映画として『宇宙戦争』『ユナイテッド93』と共に語られるべき作品になっている。この作品が911以降という(続く)
近所のレンタルが旧作100円均一だったので、『絶対の愛』『春夏秋冬そして春』『悪い男』『黄色い涙』『DEATH NOTE デスノート』『DEATH NOTE デスノート the Last name』『モル』
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DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set [DVD]
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DEATH NOTE デスノート the Last name [DVD]
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4月14日(月)
中野ブロードウェイでDVD『大河のうた』『サンゲリア』を購入。双方千円。
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ユーロスペースで、万田邦敏の『接吻』(☆☆☆★★★)を観る。
近年、これほど観ていて緊張感の途切れなかった鋭利な作品は珍しい。傑作。
パンフレット購入。700円。
4月15日(火)
朝から、渋谷→吉祥寺→上野という変則的移動をさせられる。しかも夫々の打ち合わせは直ぐ終わるので移動の方が長いという…。
上野まで来たので浅草へ行き、浅草世界館で榎本敏郎の新作『色情淫婦 こまされた女たち』(☆☆★★★)を観る。秀作『密戯 ひとには言えない…』(成人館公開題:姉妹 淫乱な密戯)と近い構造を持った女性三人をめぐる作品。
新宿に戻る前に秋葉原の石丸の例DVD店で、ジョン・カーペンター『ニューヨーク1997』が1500円だったので購入。
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ポレポレ東中野で「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.5」へ。ようやく今回初参加となる。
瀬々敬久『羽田へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』[成人館公開題:課外授業 暴行]と、坂本礼『1・3』[成人館公開題:セックス・フレンド 濡れざかり]を観る。
『銀星倶楽部19』と『SPOTTED701 VOL.5』購入。
4月16日(水)
中野ブロードウェイで中古DVD『黒沢清監督 DVD BOX 「PULSE」』購入。発売時に高すぎて購入しなかったが、その後も特に極端に値下がりせず、段々中古でも見かけなくなってきたので。
『CURE キュア』『蜘蛛の瞳』『ニンゲン合格』『蛇の道』と『回路』のメイキングディスクを収録。
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ポレポレ東中野で「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.5」。
サトウトシキ『タンデム』[成人館公開題:痴漢電車人妻篇 奥様は痴女]、大西裕『ゆーのーみー』[成人館公開題:おんなたち 淫画]を観る。
直井さんから『SPOTTED701 VOL.5』をいただく。田尻裕司監督の『LOVE』(成人館公開題:)のレヴューを書かせてもらったので。ソフト化されていないのでサンプルのビデオを観て書いたが、この作品自体に言及している資料が少なかった。手持ちの雑誌では『映画芸術』の2001年のピンク映画特集号ぐらいか。仕方なく公開時の『PG』や、田尻監督のロングインタビューをやっている『PG』などに当たって撮影時の背景を探ったが、と言ってそれが全く自分が書いた本文に反映されていないのが我ながらアレだなあと思ったが。
4月17日(木)
下北沢ラ・カメラで「第3回ガンダーラ映画祭」。
[Aプロ]
『我ら天下をめざす』[山下敦弘&向井康介] (☆☆☆)
『人に歴史あり〜十八歳の暗黒』[井土紀州](☆☆☆★)
『こんにちわーChim↑Pom!!』[チン↑ポム] (☆☆☆★)
『日本イスラーム化計画』[しまだゆきやす] (☆☆☆)
[Bプロ]
『古澤健のMっぽいの好き。』[古澤健] (☆☆☆)
『フロム・パラダイス』[真喜屋力] (☆☆☆★)
『人間爆発』[花くまゆうさく] (☆☆☆★)
『セックスと嘘とビデオテープとウソ』[松江哲明] (☆☆☆★★)
義務感など全く持ち合わせていないが、ガンダーラ映画祭には毎回初日にイソイソと出向いてしまうのは、それだけの魅力に満ちているからだ。雨が降っていようと、蒸し暑かろうが下北沢の駅からちょっと嫌になるくらい遠いラ・カメラへ行くところからして楽しい。
今回は、全作品ハズレなしだった。又、全作品が一本の作品として繋がっているかのような流れがあり、それでいて各監督の個性も失われておらず、ガンダーラ映画祭は、明らかに現在の日本映画の中で抜きんでた存在感を放っている。
山下敦弘&向井康介・古澤健が共に自主映画時代に制作した自作の再現に挑んでいるのが面白い。偶然ネタが被ったのだろうが、既に商業監督として活動している両者が過去を振り返る時に、自虐的な自作を嗤うといった作りにしたり、自主映画時代の方が自由気ままにやっていて良かったというような、高見からのエセノスタルジーに浸られたりすると鼻もちならなかっただろうが、そのようなことは全くなく、真正面から自主製作時代の自身と自作を振り返っていて、思い入れがない分観客の側からは退屈する箇所もあったが、その姿勢の真摯さが画面からも伝わってくるだけに、観入ってしまう。
山下作品は、山本剛史をフューチャーした作品として観返したいし、古澤作品は初日版は未完成バージョンとのことなので、こちらも観返したい。
井土紀州の作品は、幼少時にワイドショー(『ウィークエンダー』やそれに類する番組だと思うが)で植えつけられた恐怖映像、即ち16mmの荒い画面や新聞記事の拡大、不鮮明な写真、似顔絵などで再現されるB級犯罪の生々しさや<顔>の持つ恐ろしさを思い返させてくれる。現在は失われた手法を駆使して福田和子を描いており、何度も背筋がゾクゾクした。犯罪に拘り続けた井土紀州の面目躍如たる佳作に仕上がっている。
チン↑ポムは、ガンダーラ映画祭ならではの登場であり、こういった作品と商業作品を撮っている映画監督の作品が並ぶのが面白い。アート方面のこれ見よがしな映像の羅列を見せられたらたまらんというこちらの思いを早々に裏切ってくれる快作で、渋谷、新宿、池袋、国会議事堂とカラスを誘導していくダイナミックな映像に驚嘆する。又、エリイちゃんのバカっぽい陽気さが素晴らしい。映像としてはやや退屈する箇所もあるものの、遅ればせながらチン↑ポムを追いかけたいと思った。
『日本イスラーム化計画』は、やや長いものの、しまだゆきやすの建築物へのフェティズムは、新宿の高層ビルなど無機質なものになればなるほど魅力を増すと思うので、今回も建物への傾斜は面白くはあった。
真喜屋力は、反則スレスレな手法だが、初日に観た者のみが享受できる特権的リアルタイム性に賭けた作りをしていて、あっと思わせた。
花くまゆうさくは、ガンダーラ映画祭という場を利用して自主映画を作る契機にしてしまうしたたかさが好ましく、既に習作の域を越えて映画として存在している。早く長編が観たい。
そして、トリは松江哲明の『セックスと嘘とビデオテープとウソ』である。
上映終了後、前に座っていた松江監督に「こういうの、もうやらないのかと思ってました」と呟いたら、「反動で」という返事だった。その前には「『童貞。をプロデュース』の」という言葉が省略されているのだろう。
ガンダーラ映画祭で二部作として制作された『童貞。をプロデュース』の、殊に第二部である『童貞。をプロデュース2 ビューティフル・ドリーマー』には、明らかに商業作品として成立させる為に自身に課したカセが散見できた。ラストのあの人の登場もそうだが、サブカル受けさせる要素が見事に配置され、初見時には客に媚びているとは思わないにしても、ウマすぎるほどウマイ、とは思った。その時には既に二本をセットにして劇場公開のプランがあることを聞いていたので、おそらく制作段階で単独劇場公開作品として商業的に成立させる為に必要な要素を加味していたのではないかと予想した。勿論それが悪い筈はなく、その後の『童貞。をプロデュース』の大ヒットは、単なる思い付きの題材で面白い被写体を撮ったら結果的に面白い作品に仕上がったわけではなく、綿密に計算され、計算外の出来事をも作品に取り込み、現実と虚構を並立化した地点にまで持って行った監督の演出力が傑作にし、作品の持つ強靭性が興行的な強さをももたらした。
今回は不在が残念な村上賢司にしてもそうだが、松江哲明の作品は、その振幅の度合いの激しさが魅力で、所謂依頼された商業作品と自主製作規模の作品が並立してしまうのが凄い。商業作品に関わってから自主製作に戻っても以前ほどの魅力に欠ける作品を作ってしまう映画作家も居るが、この両者は何故か平気で往復できてしまう。
本作は、松江哲明の個人性に徹底的に寄り添った作りになっている。『童貞。をプロデュース』以降、松江哲明がことあるごとに最近はAVを撮っていないが本当はまたやりたい、というようなことを言うのは正直に言ってしまえば嘘だと思っていた。既に文化人枠に入りつつある若手ドキュメンタリー映画作家が、ポーズとしてAV復帰への願望を口にするだけで、実際はもう自分を被写体に選ばず、『童貞。をプロデュース』路線の文化系男子の兄貴として振舞うのではないかと思っていた。実際その方が、自己を被写体にすることの諸々の鬱陶しさを考えれば遙かに楽だし、商売としても悪くない筈だ。又、『童貞。をプロデュース』以降に制作されている新作が『あんにょん由美香』(仮題)や『デトロイト・メタル・シティ』のメイキングであることを考えても、もう自分を被写体にしたり晒したりする作品は減るか、お気楽な内容になるのではないかと思っていた。具体的に例を挙げれば、『セキ☆ララ』のDVDの特典に収録された『セキ☆ララ日和』や、豊田道倫のPV『カップルシート』(↓動画参照)
のような形で自身を登場させることはあっても(本当は『カップルシート』などはかなり際どいことをやっているように思えるが)、もうギリギリと自身を追いこむことは無いだろうと思えた。
しかし、『セックスと嘘とビデオテープとウソ』でその予想は完全に覆された。それが観終わった後の、冒頭の呟きとなったわけだ。
開巻間もなく『ハメ撮りの夜明け・完結編』の映像がインサートされるので驚いた。つまりは、実質的に本作は『ハメ撮りの夜明け・完結編』の続編であることが示されるわけだが、それに腹が立った。と言うのも、『ハメ撮りの夜明け・完結編』はCSで放送されたことがあるものの、ソフト化も劇場公開、イベント上映もされていない。自分も観ていない。何度か上映しようという機運はあったようだが、実現できないまま現在に至っている。ダイジェスト映像を4年前にアップリンクで行われたハマジムのイベントで観たきりだ。松江哲明の作品を考える上で最重要な作品は『あんにょんキムチ』でも『カレーライスの女たち』でもなく、『ハメ撮りの夜明け・完結編』ではないかと思っている。観ることが出来ていないゆえに過大に期待している感が無くもないが、AV作品も含めた松江作品における女性の存在とセックスを読み解く上では原点的な作品ではないか。何せ、これまでカノジョとの関係でハメ撮りを禁じられていた松江哲明が、そこを突破する一歩を踏み出した作品なのだから。それだけに、ここに来て観た人が限られている『ハメ撮りの夜明け・完結編』の続編的ヴァリエーションの作品を仕掛けてきたことに驚いた、というよりも一瞬腹が立ったわけだ。
高圧縮情報ドキュメンタリーとは、松江哲明の作品を指す。1カットに濃縮された情報量が半端ではない。と言って難解なわけでも、何を描いているかが分からないわけでもない。スルスルと観れてしまう作品でありながら、そこに含まれているモノを掘り返すのは一度観ただけでは心許無い。だから、二度、三度と繰り返し観てしまうし、観返す度に新たな発見がある。
そういう意味で本作を一度観ただけで何か分かったようなことを言うのは差し控えたい。『ハメ撮りの夜明け・完結編』と共に連続して観ることで、松江哲明のセルフドキュメンタリーの極北に当たる作品の全貌が明らかになるのではないかと思う。原一男における『極私的エロス・恋歌1974』に当たる作品が発生する可能性が極めて高い。
松江哲明にとっての女性の存在、性の存在を描いた本作は、自身にとっての民族、或いは食を描いたこれまでの作品と同じく、人間の関係性や人間の欲望へと結びついていく。又、『あんにょんキムチ』の続編的構造としても観ることができるのは、自身の母や祖母などが登場し、実家での姿、また電話で母と生命保険について会話するなど、極めて個人的な関係性の中で描写が進んでいくことからも伺える。
この作品は30分では語り足りない。現在進行形の松江哲明を映し出しているのだから完結しようがないことが欠点だと思うが、あの交換可能な記号として繰り出される、途中で観客には判別すら覚束なくなる女性たちとの関係(そこには母や祖母も含まれる)を30分に圧縮されると、観客はあまりの情報量にフラフラになる。高圧縮情報を巧みにまとめ上げて普遍性をもたせた『童貞。をプロデュース』の<反動>が、こういう形でやってくるとは予想外だっただけに、松江哲明は決して成熟しない童貞精神を持ち続ける恐るべき存在だと思った。個人的には、松江哲明はまだまだ安易な<傑作>や<最高傑作>を撮らないでいてくれるという安心感があるが、『ハメ撮りの夜明け・完結編』と『セックスと嘘とビデオテープとウソ』の連続上映によっては、真の<傑作>が現れる可能性が出てきたようにも思える。
4月18日(金)
シネアミューズでジュリアン・シュナーベル『潜水服は蝶の夢を見る』[LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY](☆☆☆★★★)を観る。
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佐野和宏『最後の弾丸』[成人館公開題: 監禁 ワイセツな前戯]と、田尻裕司『LOVE』[イケイケ電車 ハメて、イカせて、やめないで!]を観る。
文春文庫、小林信彦『本音を申せば』 購入。
- 作者: 小林信彦
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4月19日(土)
新宿TSUTAYAのレイアウトが大幅に変わっている。で、中古ビデオ小沼勝の『箱の中の女』を500円で購入。
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4月20日(日)
ギンレイホールでアダム・シャンクマン『ヘアスプレー』[HAIRSPRAY](不完全鑑賞につき評点なし)を観る。昨日の仕事の疲労が残り、1/3ほど寝る。
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4月21日(月)
某所で某作の秘密上映会。
ディスクユニオン中古DVD『私立探偵 濱マイク 4 行定勲監督「サクラサクヒ」』購入。1080円。
私立探偵 濱マイク 4 行定勲監督「サクラサクヒ」 [DVD]
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4月22日(火)
ポレポレ東中野で「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.5」。
今日は佐藤寿保『狂った触覚』[成人館公開題:激愛!ロリータ密猟](☆☆☆☆)を観る。
伝説的作品と言うか、中学から高校にかけての頃、東京から遠く離れた地元で、どうも東京のアテネ・フランセというところでは、ピンク映画の特集をやっているらしいと耳にしていたが、それが「」だった。その中でも代表的作品が、この『狂った触覚』だろう。観たい観たいと思いつつ機会がなく、遂に観ることができた。しかも、R18 LOVE CINEMA SHOWCASEの枠で、というのが嬉しい。普通に誰もがピンク映画を楽しむ感覚で観ることができるこの枠での上映というのが、伝説的作品という神話に脅かされながら観るのではなく、極めて素直に観ることができ、その結果、作品のあまりの素晴らしさにより強烈な衝撃を受けた。今まで観てきたピンク映画の中で最も好きな作品かも知れない。映画史に残る傑作とは、こういう作品のことだ。
刃物や血は、映画にとって予算の差を感じさせない極めて優れた平等な武器だ。勿論、技術の巧拙や金のかけ具合によって見え方は万別だが、派手に血が噴き出るのをCGやポンプで見せたり、刃物を光らせるライティングなどは、予算や技術によって差が出るであろう。しかし、予算が豊潤であろうとも演出が不味ければ、血はただの作りものの血糊でしかないし、刃物はただの撮影用の金属片だ。それらが凶器であり、痛みやヒリヒリするような感覚をスクリーンから発して観客の生理を刺激しない限り、所詮虚構の中のチャチな作りものでしかない。それと同じ存在として拳銃があるが、あらかじめ虚構の中のチャチなオモチャと認識した上で使っている監督もいるが、如何にそれを本物のように痛みをスクリーンを通して届けるかに賭ける監督もいる。かつての初期の北野武もそれに賭けた監督の一人だったろうが、佐藤寿保はデビュー作からそれに如何に意識的であったかを本作を初めて観て知った。
ここには、刃物が肉体を裂くことによって起こる身体的苦痛が観客の目の前に置かれている。何故こんなことが出来るのかと思わずにはいられないのだが、観ている観客は、確かに傷みを感じたのだ。
小林信彦『映画×東京とっておき雑学ノート―本音を申せば』購入。
「中日新聞」の連載が終了したので、「週刊文春」の連載で政治話が減り映画と東京と本のハナシが増えた。
これは誠にケッコーなハナシで、床屋政談よりもエンターテインメントを語らせたら右に出る者がいないのだからそういうことになる。劇場に行く回数が減った90年代から往年ほどのキレを感じなくなったが、小林信彦は、今、また面白くなっている。時代観察者の面目躍如というところか。
- 作者: 小林信彦
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中古ビデオ『欲望の翼』を購入。500円。
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4月23日(水)
模索舎で『PG』バックナンバー4冊購入。総計2100円。
新宿ディスクユニオンで中古DVD『M:i:III』を990円で購入。シリーズ中最高傑作。有名監督が撮るよりも遙かに面白くなってしまったという。
M:i-3 ミッション:インポッシブル3 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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ポレポレ東中野で「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.5」。
竹洞哲也『PEEP SHOW』[成人館公開題:人妻の秘密 覗き覗かれ]と、榎本敏郎『スローモーション』[成人館公開題:禁じられた情事 不倫妻大股びらき]を観る。
対照的な二本が並んでいる感があるが、でもこういう二本こそ、映画だ。
4月24日(木)
寺山修司のDVD『書を捨てよ町へ出よう』と『さらば箱舟』が届く。各三千円ほど。ジェネオンから低価格再発売が始まったATGシリーズから。一時期は廃盤になったせいで、とんでもないプレミア価格がついていて、発売時に購入し損ねたのを後悔していただけに、今回は同一マスターと言えども安くなったので、またもたもたしていると買えなくなるので購入。これで長編劇映画のテラヤマは『上海異人娼館』以外は購入できた。
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ポレポレ東中野で「R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.5」。
女池充『看護婦日記 濡れたまま二度、三度』[成人館公開題: 白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度]と、城定秀夫『押入れ』[成人館公開題: 味見したい人妻たち]を観る。
- 作者: 武田百合子
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4月25日(金)
シネマライズでアントン・コービンの『コントロール』[CONTROL](不完全鑑賞につき評点なし)を観る。
徹夜明けの為、途中で何度か寝入る。無念。
新宿ジュンク堂で武田百合子『ことばの食卓』『遊覧日記』、黒沢清『恐怖の対談―映画のもっとこわい話』を購入。
- 作者: 武田百合子,野中ユリ
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- 作者: 武田百合子,武田花
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4月26日(土)
新文芸坐へ「第20回ピンク大賞」に行く。これで4年連続参加。新文芸坐の祝祭的空間の心地よさは、一度行くと止められない。
今年は国映勢の顔ぶれがない(いまおかしんじが監督賞を受賞したものの作品はベストテンにランクインせず)のが寂しいが、といって低調という雰囲気でもなくピンク映画の多様性は、劇場の閉館や製作本数が減ろうとも健在である。
上映作は『痴漢電車 びんかん指先案内人』『不倫中毒 官能のまどろみ』『うずく人妻たち 連続不倫』『奴隷』『痴漢電車 いやらしい行為』。
『痴漢電車 びんかん指先案内人』と『奴隷』は、これで観るのが3回目なので、流石に飽きるだろうと思ったが、大画面ということもあって、また新たな感動があった。又、見逃していた吉行由実の『不倫中毒 官能のまどろみ』が質の高い佳作だったので来た甲斐があったと思い、福原彰の『うずく人妻たち 連続不倫』も丁寧な作りに感心した。そして、ラスは、幡寿一(佐藤寿保)×林由美香の『痴漢電車 いやらしい行為』を初めて観て感動する。
『PG NO.103』と『ガンダーラ新聞』を購入。
4月27日(日)
ガンダーラ映画祭最終日、映画美学校の『地下映画上映会第二弾「あなたの知らない世界」』で長年観たかった高橋洋の『ハーケンクロイツの男』や、日曜最終回千円のシネマライズへ行こうと思っていたが、オールナイト明けのせいか体調悪し。終日寝て過ごす。観に行き損ねて無念。
4月28日(月)
紀伊国屋フォレストでDVD『Gメン対間諜』を半額の1500円で購入。
Gメン対間諜 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]
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シネマート新宿で、バーバラ・リーボヴィッツの『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』[ANNIE LEIBOVITZ: LIFE THROUGH A LENS](☆☆☆★)を観る。月曜男性千円なのと今週で終わるので。
アニー・リーボヴィッツについては大メジャーな写真家ということしか知らない。有名なデミ・ムーアの妊婦ヌードとかジョン・レノンとかで名前を知っている程度だ。
この作品は、彼女のプロフィール映画としては正に申し分ない出来と言える。栄光の現在とそこに至るまでの才ある女性の人生のダイジェストが巧みな編集で綴られる。華やかな被写体を撮り続けているだけに画面も終始華やかで、全く退屈させない。
しかし、一気に観ることができるのは良いにしても、物足りなさは感じる。彼女の仕事を象徴するかのようにパラパラと軽く読み流すような映像にしているのだとすれば、それはそれで映像からの批評として良いとは思うが、本篇に登場する写真の一枚一枚をもう少しゆっくり見たいとか、撮影現場をもっと見たいとか、ドラッグに関してもっと深くとか、レズビアン、養子(?)の子供についてなど、興味を惹かれる人生だけに、そっちには殆ど触れられないのが不満だった。監督がアニー・リーボヴィッツの実妹だというのも関係しているのだろうが、肉親だからこそ突っ込んでいける部分がもっとあったのではないか。露悪的になる必要はないが、被写体との距離の近さが生む映像を観たかった。或いはメジャーでの虚しさや、表紙に使われる写真が雑誌名や文字のレイアウトで崩れることに関してなどももっと聞いてみたかった。終盤も呆気なく終わり、彼女の記録映画のA面としてはこれで良いのだろうが、B面も観たい。
パンフ購入。600円。
小林信彦『映画×東京とっておき雑学ノート―本音を申せば』読了。
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4月29日(火)
池袋ジュンク堂で『映画芸術 423号』と『周防正行シナリオ作品集』購入。
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- 作者: 小林信彦
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個人的には、ベストテン・ワーストテン選出に参加させていただいたことを心から感謝している。どうもありがとうございました。
『周防正行シナリオ集』には『それでもボクはやってない』『Shall we ダンス?』『シコふんじゃった。』『ファンシイダンス』『変態家族 兄貴の嫁さん』『スキャンティドール 脱ぎたての香り』収録。『スキャンティドール 脱ぎたての香り』のみ採録シナリオとなっている。
4月30日(水)
シアターN渋谷でマーク・パランスキーの『ペネロピ』[PENELOPE](☆☆☆)を観る。
如何にも女の子映画として綺麗に作り込まれているが、作品としては凡庸。寓話なのは良いとしても、何でもあり路線とリアリズムの境界の駆け引きが上手くなされていない。クリスティーナ・リッチが30前であるということが作劇に盛り込まれても良いのではないか。30前なのに、男も知らない、外の世界も知らないということがもっと意識的であっても良い筈。
パンフレット購入。
5月1日(木)
ラピュタ阿佐ヶ谷へ、<愛と官能のプログラム・ピクチュア 日活ロマンポルノ名作選>へ、ようやく初参加。既に観たかった作品の半分が終わっているが、せめて後半だけでも観れる限り観たい。
で、小沼勝『ラブハンター 熱い肌』(☆☆☆★★)を観る。
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新宿で、渡辺文樹の新作ポスターを繁々と眺める。『天皇伝説』って…。
阿佐ヶ谷の古書店で『別冊宝島 映画宝島Vol.3』を購入。500円。
雑誌『Brutus』『シナリオ 2008年6月号』『エクス・ポ Vol.3』購入。
BRUTUS (ブルータス) 2008年 5/15号 [雑誌]
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小林信彦『本音を申せば』読了。
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5月2日(金)
仕事終りに中野ブロードウェイへ駆けつける。レコミンツのGWセールを物色する為。午後なので、既にかなり荒らされており、当てにしていたドン・シーゲルのBOXはとっくになかったが、兎も角新品以外は20%OFFなので、神代辰巳『少女娼婦 けものみち』『やくざ観音 情女仁義』『恋人たちは濡れた』『快楽学園 禁じられた遊び』を各2200円程で、『ドリラーキラー』を三千円少々、『CQ』を1200円程で、後はポイントを使って計1万2千円程になる。
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直ちに渋谷へ移動し、UPLINK Xで加藤泰『ざ・鬼太鼓坐』(☆☆☆★★)を観る。
池袋ロゴスのUSED DVDのワゴンを眺めていたら、吉行由美の『ミス・ピーチ メモリアルエディション』が何故か500円で十枚ほど並んでいるので、即購入。直井さんに申し訳なく思いつつも、この安さには…。
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ついでに買い忘れていた『熱血!! コロコロ伝説 vol.5 1985-1986』を購入。『まんが道』の単行本未収録特別編が再録されているので。昔読んだ記憶が僅かにあるだけだったので20数年ぶりに再会できた。
熱血!! コロコロ伝説 vol.5 1985-1986 (ワンダーライフスペシャル コロコロ30周年シリーズ)
- 出版社/メーカー: 小学館
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5月3日(土)
シネリーブル池袋で、ウェス・アンダーソン『ダージリン急行』[THE DARJEELING LIMITED](☆☆☆★★)を観る。
レイトなので1200円だと思いこんでいたら、対象外作品だとかで1800円取られる。まあ、ガラガラだったので、ゆっくり観れたのは良かったが。
5月4日(日)
またも中野ブロードウェイ、レコミンツで中古DVD、ジェス・フランコの『ヴァンピロス・レスボス』『寺山修司 実験映像ワールド Volume1』『カリキュラマシーン ベストセレクション DVD-BOX』を購入。
各20%OFFで『ヴァンピロス・レスボス』2300円ほど、『寺山修司 実験映像ワールド Volume1』2000円ほど、『カリキュラマシーン』4000円ほど。
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吉祥寺で古本、村井実『はだかの夢年代記―ぼくのピンク映画史』を購入。1500円。前から欲しかったが微妙に高いので買い逃していたが、丁度良い価格で出ていたので。
- 作者: 村井実,山根貞男
- 出版社/メーカー: 大和書房
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5月5日(月)
ラピュタ阿佐ヶ谷で、神代辰巳『濡れた欲情 特出し21人』(☆☆☆★★★)を観る。
- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 1997/03/07
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中野ブロードウェイ、レコミンツへまたも。中古DVD『鴛鴦歌合戦 コレクターズ・エディション』『太陽』『くたばれ!ハリウッド』『ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌』を購入。
『鴛鴦歌合戦 コレクターズ・エディション』は4000円。『太陽』は2000円、『くたばれ!ハリウッド』は1500円、『ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌』は2300円也。
- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2005/12/09
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- 出版社/メーカー: キングレコード
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京橋のフィルムセンターへ<発掘された映画たち2008>を観に行く。「大都映画2」より吉村操『松風村雨』と、山内俊英『杉野兵曹長の妻』を観る。
安部和重のハナシを知りたくて『NFCニューズレター・78号』を購入。300円。
5月6日(火)
新宿ガーデンシネマでアン・リー『ラスト、コーション』[LUST, CAUTION/色・戒](☆☆☆★)を観る。
シネセゾン渋谷で井口奈己『人のセックスを笑うな』(☆☆☆★★)を観る。
ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション [DVD]
- 出版社/メーカー: Victor Entertainment,Inc.(V)(D)
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『キネマ旬報 5月下旬号』『STUDIO VOICE 2008年 06月号』購入。
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
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STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 06月号 [雑誌]
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5月7日(水)
ユーロスペースでニコラス・トゥオッツォ『今夜、列車は走る』[PROXIMA SALIDA](☆☆☆★★)を観る。
5月8日(木)
非常口で『Hot Fuzz』公開イベント<「公開署名運動の会」主催「ホット・ファズ」トークショー・イベント〜映画を観客の手に取り戻せ〜>へ行く。主催のわたなべりんたろうさんからの依頼でイベントの様子をビデオで撮影する。2カメで撮影ポイントに苦労しつつ、何とか引きと寄りで全篇収録する。
5月9日(金)
ラピュタ阿佐ヶ谷で田中登『昼下りの情事 変身』(☆☆☆★)を観る。
90年代初頭のロマンポルノ上映プリント大量ジャンク以降に観始めた世代にとっては、田中登の作品は観ることが困難な作品が初期作に多く、『花弁のしずく』『好色家族 狐と狸』『真夜中の妖精』に本作などは、観たいという思いを募らせていた。ようやく観ることができるようになったのは、田中登の没後、『花弁のしずく』の観客有志の出資によるニュープリント作成、DVD化予定作品の差し替えによって『真夜中の妖精』が初ソフト化されるなどの動きがあってようやく観ることができた。
孫の手がこれだけ活躍する映画というのは、映画史的にも例がないのではないか。しかもポルノで孫の手が出てくるとなると、当然アソコに入れたくなる筈だが、そうはならいのも凄い。
新宿TSUTAYAで中古ビデオ・女池充『多淫OL 朝まで抜かないで』を購入。800円。
5月10日(土)
新宿ジュンク堂で、平岡正明『アングラ機関説―闇の表現者列伝』を購入。
アングラ機関説―闇の表現者列伝 (MG浪漫ブックシリーズ―平岡正明コレクション2)
- 作者: 平岡正明
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5月11日(日)
- 作者: 平岡正明
- 出版社/メーカー: 愛育社
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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100ページに及ぶ「『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』への全面対案」は、様々な人がこの作品について書いたが、映画本編に唯一拮抗出来た評論ではないか。「××主義のいろはにほへと―若松・足立『性賊 セックスジャック』」や「秋山道男の切れあじ」(チェッカーズデビュー半年後のモノ)、「若松対ゴダールのフーガの決闘」が凄い。
新作では、発掘が映画史的事件にも関わらず誰もちゃんと語っていない『裸の銃弾』について書かれた「大和屋竺的な若松孝二作品『裸の銃弾』」と、『一万年後……。』評の「一万年後、地球は丸く、四十年前、女の尻も丸かった」に興奮する。
で、読了後、直ちに昨年出版された『アングラ機関説』を読み始める。
5月13日(火)
ユーロスペースでクリスティアン・ムンジウ『4ヶ月、3週と2日』[4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE](☆☆☆★★)を観る。
パンフ購入。800円。
5月14日(水)
下高井戸シネマでジュリー・ガヴラス『ぜんぶ、フィデルのせい』[LA FAUTE A FIDEL!](☆☆☆★)
フィルムセンター<発掘された映画たち2008>より「安部善重コレクション1」へ行く。
清瀬英次郎『日活行進曲 曽我兄弟』と、川手二郎『乙女シリーズ その一 花物語福壽草』を観る。
シネセゾン渋谷でガス・ヴァン・サント『パラノイドパーク』[PARANOID PARK](☆☆☆★★★)
アミューズCQNでジョエル・コーエン&イーサン・コーエン 『ノーカントリー』[NO COUNTRY FOR OLD MEN](☆☆☆☆)を観る。
『ぜんぶ、フィデルのせい』『パラノイドパーク』『ノーカントリー』パンフレット購入。
渋谷TSUTAYAでレンタルDVD半額なので5本借りる。
『白昼の幻想』『何がなんでも首ったけ』『ジェーン・バーキンinヴェルヴェットの森』『花のようねエレ』『マドモアゼル a GO GO』。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/08/25
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- 出版社/メーカー: ビデオメーカー
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- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 2003/02/25
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5月15日(木)
フィルムセンター<発掘された映画たち2008>へ行く。「バン・コレクション2」より、伊藤大輔『薩摩飛脚』を観る。
5月16日(金)
フィルムセンター「EUフィルムデーズ2008」へ行く。というよりも発掘日本映画を観るつもりだったが、1週間間違えてもう入場してしまったので、何が上映されるかも知らないまま座っていた。こういう映画の見方も好きだ。
上映作品は、ブランコ・ジュリッチ『チーズとジャム』(☆☆☆★)。小品の佳作。
上映後、監督、主演であるブランコ・ジュリッチと、主演女優にして監督の実の妻でもある方(名前失念)が登場。ゆったりと質疑応答が行われる。
知り合いが来ていたので、近くでお茶して別れる。
八重洲ブックセンターで『広告批評』の最新号を買う。日本映画特集だったので。
- 出版社/メーカー: マドラ出版
- 発売日: 2008/05
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有楽町HMVで『ヒッチコック・クラシック・セレクション(1)』と『ヒッチコック・クラシック・セレクション4)』、『タクシードライバー コレクターズ・エディション』を購入。廉価版で20%OFFなので。
『ヒッチコック・クラシック』シリーズは何故かこの2本だけ見当たらず限定生産だったので困っていたが、ようやく購入。
ヒッチコック・クラシック・セレクション(1) (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2008/05/15
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- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2008/05/14
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5月17日(土)
渋谷TSUTAYAで中古ビデオ『奥様は魔女』『アムステルダム・ウェイステッド!』購入。各500円。
- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
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- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 2003/02/28
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『奥様は魔女』はルネ・クレールのリュミエール・シネマーテクで出た版。
『アムステルダム・ウェイステッド!』は、世代的に結構思い入れのある作品で、心斎橋シネマ・ドゥで観た。雑誌時代の『骰子』が大きく特集を組んでいたので惹かれたのを思い出す。特集冒頭の浅井隆氏の『ラブ&ポップ』のタイトルを挙げたりしながらのデジタル映像時代の到来を告げる文には、あの時期ならではの高揚感があったと、当り前のようにDV、更にはHDが使われる現在において思い返す。
『シナリオ6月号別冊 脚本家・白坂依志夫の世界「書いた!跳んだ!遊んだ!」』を購入。
5月18日(日)
下北沢の古本屋を回って、『昼下がりの情事・変身』の脚本を二千円で購入。
シネマアートン下北沢の窓口で『映画時代 創刊準備号』を購入。500円。
新宿TSUTAYAで中古ビデオ『もどり川』を、800円で、近所のGEOで『チート』を100円で購入。
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 2004/09/24
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留守中に来ていた郵便を取りに行く。注文していた輸入盤DVD。
・The Yakuza Papers: Battles Without Honor And Humanity: Limited Edition Box Set[仁義なき戦い / 広島死闘篇 / 代理戦争 / 頂上作戦 / 完結篇] 8236円。
・The Slave Widow[奴隷未亡人] 2187円。
・Zero Woman: Red Handcuffs[0課の女 赤い手錠] 2468円。
『奴隷未亡人』は、1967年の渡辺護監督作。何故か海外でDVD化。
5月20日(火)
雑誌『キネマ旬報 6月上旬号』購入。
漫画『ラウンダバウト (2)』と『手塚治虫 ボクのまんが記』購入。
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2008/05/20
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- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/19
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- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/05/20
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5月21日(水)
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/05/21
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新宿ディスクユニオンで中古DVD『女子学生(秘)レポート DVD BOX vol.1』(「女子学生(秘)レポート」「続・女子学生(秘)レポート」「女子学生(秘)レポートNo.3/初体験特集」収録)と、サンドラ・ジュリアン主演の『色情日記 ノーカット・ヘア無修正版』を購入。5700円と1980円なので、まあまあか。
女子学生マル秘レポート Box Schoolgirl Report
- 出版社/メーカー: エプコット
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渋谷TSUTAYAで中古ビデオ、アンドレイ・タルコフスキーの『ローラとバイオリン』と購入。500円。
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 1996/04/21
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5月22日(木)
有楽町朝日ホールで、デヴィッド・クローネンバーグの『イースタン・プロミス』[EASTERN PROMISES](☆☆☆★★)を観る。
小品の佳作。大きなどんでん返しがあるわけでも、派手な展開があるわけでもないが、やっぱりクローネンバーグのジドジトした面白さは良い。100分という尺も良いし、開巻から繰り返される首を鮮やかに切るナイフ捌きと刺青で見せ切る。
しかし、現在の映画でここまで異物感を醸し出す映画を撮り続けてくれていることがやはり嬉しい。サウナの全裸での格闘は相当変でありながら怖い。
5月23日(金)
秋葉原の輸入盤店Saleで、WHDから出たフリッツ・ラングの『死神の谷』(死滅の谷)を購入。1980円。
- 出版社/メーカー: WHDジャパン
- 発売日: 2008/03/07
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神保町で、『権力はワイセツを嫉妬する 日活ロマンポルノ裁判を裁く』を420円で、キントト文庫で初期の『PG』のバックナンバーを3冊購入。各400円。
- 作者: 斎藤正治
- 出版社/メーカー: 風媒社
- 発売日: 1978/09
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夜、neoneo坐の<8ミリフィルム映画祭 2008 春>へ行く。平野勝之の『愛の街角2丁目3番地』(☆☆☆★★★)を観る。8年ぶりの再見。初見時より面白い。こんなに面白かったけ、というぐらい良い。どこまでも続く喧騒と静寂。本作と『雷魚』が平野8mm作品ではいちばん好きだ。
平野監督も来ていて、上映前後に挨拶あり。最近も少し8mmを回しているそうで、気が向けば作品化するとのこと。例の「大人の科学」の8mm映写機も買ったと嬉しそうに語っておられた。最近の平野AV作品を随分と見逃しているので観なければ。
5月24日(土)
中野ブロードウェイへ。レコミンツで特価の300円均一DVDなど物色。結局『フューリー』『悪女のたわむれ』を各300円で、『ロンゲスト・ヤード』を890円で購入。店内で、わたなべりんたろうさんに偶然会う。早速『Hot Fuzz』のチラシを数十枚預かる。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
- 発売日: 2007/07/27
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- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
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5月25日(日)
今日も中野ブロードウェイへ。レコミンツで中古DVD『顔のない眼』購入。2100円。
- 出版社/メーカー: エスピーオー
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古書店で三国 連太郎と梁石日の対談集『風狂に生きる』、四方田犬彦の『ハイスクール1968』『日本映画のラディカルな意志』、金井勝の『微笑う銀河系―超主観的スパーキング映画物語』を各500円で購入。
- 作者: 三國連太郎,梁石日
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/05/27
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- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/11/29
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- 作者: 金井勝
- 出版社/メーカー: れんが書房新社
- 発売日: 1981/04
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5月26日(月)
シネマート六本木で、キム・ギドク『ブレス』(☆☆☆)を観る。
アングラ機関説―闇の表現者列伝 (MG浪漫ブックシリーズ―平岡正明コレクション2)
- 作者: 平岡正明
- 出版社/メーカー: マガジンファイブ
- 発売日: 2006/12/01
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5月28日(水)
古書店で『骰子』の創刊号から3号までを各300円で購入。
渋谷HMVでモンテ・ヘルマンのDVD『コックファイター』を衝動買い。4100円。定価でこの価格のものを購入するのは珍しい。
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2002/10/02
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- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
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5月29日(木)
学研の「大人の科学」シリーズから出た8mm映写機が届く。
- 出版社/メーカー: 学研ステイフル(Gakken Sta:Ful)
- 発売日: 2008/04/26
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帰りがけに新宿ブックファーストで、いましろたかし『グチ文学 気に病む』購入。
- 作者: いましろたかし
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2008/04/24
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5月30日(金)
UPLINKで『ザ・ストリップ 華麗なる裸の文化史』(☆☆)を観る。
感傷的に流れ過ぎた見せ方に閉口する。
受付で本篇を収録した雑誌の付録DVDが売られていたので、何だと思う。
新宿へ移動し、ディスクユニオンでDVD『荒野のダッチワイフ』『少女情婦』『竜神と朱蓮華』『羽田へ行ってみろ、そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』『OLの愛汁 ラブジュース』『夢野久作の少女地獄』『おじさん天国』を各1980円の更に10%OFFで。散財だが、まあ仕方ない。それにしてもアップリンクばかり。
- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 2002/08/23
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- 出版社/メーカー: アップリンク
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羽田に行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている [DVD]
- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 2002/03/21
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- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 2003/03/28
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歌舞伎町へ行き、新宿オデヲンで『少林少女』(★)を観る。
最低のゴミ映画。最早、映画の体を成していない。かくし芸大会か、めちゃイケの特番みたいなことになっていて、それで少しでも面白いものになっていれば良いが、それも全くない。今年のワースト筆頭。
入場時に、歌舞伎町界隈の劇場が千円均一になるカードを交換してもらい、更に半年使えることに。
5月31日(土)
輸入盤のDVDが届く。
『Bite』(肉)/『Kichiku: Banquet Of The Beasts』(鬼畜大宴会)/『Beautiful Mystery』(巨根伝説 美しき謎)の3枚。各2251円、2248円、3175円。
向井寛のデビュー作『肉』が何故か海外でDVD化。