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DVDで、田中登『実録・阿部定』(☆☆☆★★★)を観る。
『愛のコリーダ』とどちらが良いか、という二分法に興味がない。どっちも良いと思う。まあ、そんなに何度も映画化するくらい阿部定は面白いか、という疑問もあるのだが。阿部定調書を基にしているので誰が撮っても同じエピソードが出てくるだけだし。
それでも、やはり、石井輝男と田中登と大島渚の三本は秀作だ。
宿の部屋から俯瞰で捉えられる外の風景が何度か反復される。そこから入り込んでくる外の光、社会、空気、そしてそれに対して宮下順子があの科白を吐く。
「外の光が邪魔なのよ」
切断と同時に映画も終了させた大島に対して、田中登は逮捕されるまでを描くが、その蛇足的な定の一人行は、やはり宮下順子でなければ成立しない、と改めて思う。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: DVD
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