映画館に行けないからYOU TUBEを見ながら足立正生のことを考えていたら、60年代のピンク映画が観たくなった

 今年に入って劇場で観たのがたった二本という実にスタートから失速している感がある。アップリンクの『テレクラキャノンボール』の特集上映にも行けず、悶々とするしかない。引っ越しが終わるまではバタバタしそうだが、それにしても何故こんなに荷物があるのかと腹立たしく思うほど不要なものが多く、二千本を超えるビデオテープを半分以下にまで圧縮させようと目下苦戦中である。
 ところで、今年の初春はピンク映画史を俯瞰する機会が飛躍的に増えそうだ。
 2月末からは、シアター・イメージフォーラムでピンク映画の特集上映が行われる予定で、ラインナップは不明ながら“1965-2008年までの作品が一挙に観られるという画期的な企画になる予定”と言うのだから、期待するなと言う方が無理である。
 更に3月14日からはラピュタ阿佐ヶ谷で、当初は昨年末に予定されていたのがズレた形になったが「60年代まぼろしの官能女優たち」(仮題)と題した特集上映が組まれる。こちらもラインナップはまだ発表されていないが、60年代の創成期のピンク映画は極めて限定された作品しか現在からは観ることが出来ず、リアルタイムで観ていない以上、何も知らないに等しい。過剰に期待しない方が良いと当時の作品を知る人は言い、勿論そう思っているが、例えば昨年海外でDVD化された『続・悪徳医 女医篇』(1967)にしても、監督の福田晴一が元松竹京都撮影所属だったこともあり、演出の職人的技量は目を瞠るものがあった。そういった作品が映画史にまったく知られることなく埋もれているとすればやはり観たいと思ってしまう。


【参考】『噴出祈願 15代の売春婦』1971(監督/足立正生

【参考】『続・悪徳医 女医篇』1967(監督/福田晴一)