「映画芸術」2008年日本映画ベストテン&ワーストテン発表

ベストテン

1位 ノン子36歳(家事手伝い) 熊切和嘉監督
2位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 若松孝二監督
3位 接吻 万田邦敏監督
4位 トウキョウソナタ 黒沢清監督
5位 人のセックスを笑うな 井口奈己監督
6位 PASSION 濱口竜介監督
7位 闇の子供たち 阪本順治監督
8位 カメレオン 阪本順治監督
9位 石内尋常高等小学校 花は散れども 新藤兼人監督
10位 きみの友だち 廣木隆一監督


ワーストテン

1位 おくりびと 滝田洋二郎監督
2位 少林少女 本広克行監督
3位 ザ・マジックアワー 三谷幸喜監督
4位 私は貝になりたい 福澤克雄監督
5位 トウキョウソナタ 黒沢清監督
6位 アキレスと亀 北野武監督
7位 七夜待 河瀬直美監督
8位 歩いても 歩いても 是枝裕和監督
9位 クライマーズ・ハイ 原田眞人監督
10位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 若松孝二監督


http://eigageijutsu.com/article/112695867.html

 恒例の『映画芸術』2008年日本映画ベストテンとワーストテンが発表された。
 今年は『ユダ』が1位になった時のような意外性を狙うとかで、『俺たちに明日はないッス』か『人のセックスを笑うな』が1位になるだろうという噂だったが、荒井さんが何故か『ノン子36歳(家事手伝い)』を気に入っているとかいうこれまた噂で、実際投票の締切が突然延長され、当初選考範囲に含まれていなかった12月20日公開の作品まで選考に含むという変更がなされたので、これは同日公開の『ノン子』を上位に入れる気だなと踏んだが、まさかの1位だ。正直なところ、この作品はとてもバランスが悪く感じられ、ラストのチェーンソウを振り回すのは流石に『鬼畜大宴会』の監督だけに素晴らしいが、それまでが辛い。山下敦弘の作品みたいにして欲しいとまでは思わないが、愚かさが足りないと思った。
 とはいえ、ここまで意外な作品が1位になるのは映芸らしくて笑ってしまう。キネ旬と大差ない作品が並んでは面白くない。小林信彦だってかつては共謀して『映画評論』のベストテンに『紅の拳銃』をブチこんだりしていたのだから。
 たぶん通常のカウントでは『実録・連合赤軍』が1位になったのだと想像するが、荒井さんはこの映画嫌いなので、色々工作してワースト10位に入れて、そのマイナス点を使ってベスト1になるのを阻止したのではないかと考えられる。
 だから、気になるのは『ノン子36歳(家事手伝い)』を誰がベストに入れているかだ。数人がベスト1に選んでいるに違いないわけで、寺脇研野村正昭の両氏は、たぶん荒井さんの意向を受けて選んでるんじゃないかと予想する。それ以外にも『ノン子36歳(家事手伝い)』を上位に選んでいる奴を見かければ、荒井晴彦別動隊と決め打ちしても良いのではないか?などと邪推しながら楽しむのが『映画芸術』ベストテン&ワーストテンの面白さだ。だから立ち読みなんかでは、邪推を楽しめない。買って丹念に読み込んでこそ、味わい深いのだ。
 この結果は、1月30日発売の『映画芸術』426号に掲載されるので是非購入を勧める。