『勝手にしやがれ』(☆☆☆☆)

 ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』をDVDで観る。
 ゴダールの作品中で最も再見しているのが結局『勝手にしやがれ』だが、先日、瀬田なつきの傑作『あとのまつり』を観て興奮冷めやらずの影響が強いのかもしれない。それにしても、何故瀬田なつきは、あんなに堂々とヌーヴェルバーグができてしまうのか。上映後、前を歩いていた若い男が一緒に居た男に「自分がやる予定だったことを先にやられてしまった。あんなのをやりたかったのに」と言っているのが耳に入ったが、あんなのをやりたがる奴は幾らでも居るが、それが恥ずかしいものにならずに現在にやってのける技量を持つ人が果たしてどれほどいるというのか。見知らぬその若い男に恨みはないが、「おまえが作っても絶対に駄作になる」と耳元で叫んでやりたいと思ったくらい、何故、今、これが出来てしまって、しかも恥ずかしいものになっていないのか。その謎を解くべく、とりあえず『勝手にしやがれ』を観直してみたが、結局映画に見入ってしまった。

勝手にしやがれ [DVD]

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