1)「映画秘宝 5月号」

 今号はさほど特筆すべきものなし。

2)「砂をつかんで立ち上がれ」中島らも 

 久々に、らものエッセイが読みたくなって購入。

3)「定年なし、うつ手なし」小林信彦 

 小林信彦のエッセイは単行本であっても刊行と同時に購入。

4)「だめだこりゃ」いかりや長介 ☆☆☆★★★ 

だめだこりゃ (新潮文庫)
 薄いので買って直ぐに読了。
 収穫点としては、ドリフの笑いの原点はアボットコステロにあったということ。又、志村発意かと思っていた東村山音頭の三丁目は、いかりやの作、一丁目が志村の作とのこと。カラスの勝手でしょ、も久世光彦の息子が唄っていたというハナシを聞いたいかりやが、志村に唄わせてヒットさせたという風にいかりやが正に主体となっていたことが具体的にわかった。全員集合の終了とカトケンの開始にあたって禍根が残っていることが、大爆笑のブロック録り(いかりや、高木、仲本+志村、加藤)が志村のゴールデン枠からの撤退に至る90年代半ば迄続くことからもわかる。
 ドリフは既に、10数年前のクレージーキャッツと同様、あの、懐かしの、という形でしか存在していなかったハズだ。紅白での扱いなど正にそうだし、大爆笑における全員集合時代のリメイクもその延長線上であって、いかりやの死去でドリフが終わったような扱いはおかしい。
 ドリフは既に現役ではなかったし、これからもアンソロジーとして登場するだけだろう。今年は40周年なので、秋にでも現行メンバーで全員集合のリメイクをやるのではないかと思うが、本書の終盤での記述を読むと、喜劇人の晩年の形として、いかりやは俳優業に満足していたと思う。それは喜劇人として当然の帰結であるし、むしろ萩本欽一や生涯ナンセンスに殉じる覚悟を口にする志村けんの方が喜劇人の歴史からすれば異常とも言える。