古本

1)「蔵の中・鬼火」(横溝正史)角川文庫 
2)「日本赤軍を追え」(高木規矩)現代評論社 
3)「誘拐」(本田靖春)文藝春秋 
4)「フィルムメーカーズ・北野武」(淀川長治責任編集)キネマ旬報社 
5)「さよなら映画、また近いうちに」(田山力哉)キネマ旬報社 
6)「ユリイカ 映画の現在」(1977年7月号)青土社 
7)「ユリイカ 映画の現在」(1980年6月号)青土社 
8)「FB」(1999年13秋季号)行路社 

さよなら映画、また近いうちに
 

古書フェアに再び。今回は適当に目に付いたモノを。吉房ちゃん事件を記した「誘拐」は読みたかったので、良かった。
 田山力哉は中高と夢中になって読んだ毒舌映画評論家。97年3月の急死の衝撃は忘れられない。キネ旬で最も楽しみにしていたコラムの書き手で、毎号田山の「シネマ・ア・ラ・モード」を真っ先に開いた。この連載の前半を纏めた「辛口シネマ批評・これだけは言う」が出版された時は発売日に幾つもの書店を走った。「さよなら映画、また近いうちに」は死の直前迄の連載を中心に纏められたもの。出版時に買わなかったのは、大半を連載時に読んでいたから。現在から見ると、果たしてどれほど映画に愛着があったのか疑問に思うところもあるが、毒舌は読み応えがある。殊に、おすぎを名指しで批判している一文には、当時衝撃を受けた。