新書

1)「青山真治阿部和重中原昌也シネコン!」 リトル・モア   

青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!

 全編語り下ろしかと思い込んでいたが、実際は「リトル・モア」誌に断続的に掲載された対談に語り下ろしを加えて新書化したもの。今日あたり出るだろうと青山ブックセンターを見たがなかったものの、駅構内の小さな書店にあったところを見ると明日店頭に並ぶかと。一冊のみあったので慌てて購入。まさか、新書サイズで来るとは思わなかったので意外。
 「リトル・モア」掲載時に立ち読みはしているのだが、改めて目を通すと、青山真治の下品さが一層際立ち心地良い。洋泉社から出ていてもおかしくないような内容なのだが、秘宝系の反応は如何に。個人的には、オケケ発言の青山に、中原が小林信彦っぽいと言い、それはオヨヨだとと突っ込む青山が爆笑点


 本書とは離れるが青山真治の日記での篠田昇追悼文が非常に感動的。考えてみれば、青山は「BERLIN」「ユーリ」の助監督だったのだから篠田と接点はあったのだ。青山の助監督時代の篠田との思い出や、すごく予算がある時は一緒にやりたいと思っていたという一文には泣きそうになる。又、『その夢は行定くんが『世界の中心で、愛をさけぶ』で実現してくれたのだと思う。』とも。低予算映画が多かった篠田に、存分の時間と予算で好きなだけ撮って欲しいと、あらゆる監督に思わせた篠田昇は、ようやくそれが恒常的にできる環境を手に入れつつあったその時に旅立ってしまった。青山真治の作品を篠田昇が撮影する―是非観たかった夢の映画である。