DVD 「花とアリス 特別版」

1)「花とアリス 特別版」

花とアリス 特別版 [DVD]
 店頭出荷と同時に購入。岩井俊二はほぼコンプしているので当然の帰結。初日にワーナーマイカル板橋で観たら凄まじく空席だらけで、宣伝の失敗と岩井の同時代性のズレを感じたが、作品はやはり良い。
 「花アリ」自体は岩井の長編4本の中では最下位に位置するが、こんなベタなネタを配して2時間半もありながら佳作に仕上げてしまうという、何を撮っても秀作にできる監督であることに感心はするが、自身の狭い世界観に閉じこもり過ぎていて、この技量で予定されていた広末涼子との「あずみ」や、企画していた太宰治の「人間失格」などやればさぞかし、という思いはある。
 本作のメイキングでの篠田昇の姿が感傷的にさせる。