映画 「高校大パニック」「突撃!博多愚連隊」

第27回ぴあフィルムフェスティバル 招待作品部門
 昨日から一睡もしていなかったので、流石に午後7時を回る頃には朦朧とし、早く寝たかった。従って7時半頃に乗っていた山手線が渋谷に着いた時、石井聰亙を観るか否か、その判断は極めて微妙だった。勿論、噂にのみ聞く作品2本が上映されるのだから観たいのである。しかし、それ以上に眠い。大体上映はmaxellのDVDに落としたやつではないか。16mmなりにブローアップしているなら兎も角、態々DLP上映を観にいくことはない。どうせ最近の流れを見ていると、今回上映される2作や矢口史靖の「雨女」などもDVDがリリースされるのだろう‥などと自身に言い聞かせていたのだが、やはり観たいという思いが勝ってしまい、開映ギリギリに会場に着き(頭に石井聰亙の舞台挨拶があるので考慮していたが)、「高校大パニック」「突撃!博多愚連隊」を観た。
 観に来て本当に良かった。嗜みとして石井聰亙は一応主だったものは観ていたが、同時代での熱狂は知識として知ってはいても、後追いでそれに乗れる程夢中にはならなかった。しかし、「高校大パニック」も面白かったが「突撃!博多愚連隊」には参った。タイトルからも分かるように、大枠は中島貞夫の「893愚連隊」である。主役の顔は拓ボンにソックリだし、「狂った野獣」や「鉄砲玉の美学」他、70年代東映やくざ映画をモロに意識したオマージュに過ぎなかったものが、東映には欠けている若さと疾走感が遂に本家を追い越してしまうという劇的展開を目の前で見せられて呆然とした。石井聰亙があれだけ評価されていたのが、ようやく納得がいった。各作品の詳細は下記に続く。

111)「高校大パニック」 (渋谷東急) ☆☆☆

1976年 日本 狂映舎 カラー スタンダード 16分 
監督/石井聰亙     脚本/石井聰亙     出演/梅津正信 中村ジョー テアトル博多 福岡高校


112)「突撃!博多愚連隊」 (渋谷東急) ☆☆☆★★★

1978年 日本  狂映舎 カラー スタンダード 67分 
監督/石井聰亙     脚本/石井聰亙     出演/志水正義 清末裕之 中村ジョー テアトル博多 土方鉄人 泉谷しげる