映画(TV/VIDEO/LD/DVD)「Love Letter」「女王陛下の007」
58)「Love Letter」(DVD) ☆☆☆☆
1995年 日本 フジテレビジョン カラー シネスコ 117分
監督/岩井俊二 脚本/岩井俊二 出演/中山美穂 豊川悦司 范文雀 篠原勝之 酒井美紀 柏原崇
何度も再見しているが、岩井俊二の作品の中では「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」に次いで好きな作品。
岩井俊二は長編映画のフォーマットは2時間半と公言し、確かに「スワロウテイル」も「リリイ・シュシュのすべて」も「花とアリス」も2時間半飽きさせないのは感心するが、本作の2時間フォーマットで語りきる技量をもっと見せてほしかったと思う。ま、宮沢賢治モノとか「火の鳥」とか「あずみ」とか、悉くメジャーからの誘いを断ってしまい自身の世界観に篭ってしまったヒトなので、岩井が場合によってはなっていたかもしれない位置としての行定勲を見ながら残念に思う。大林宣彦だって自身の世界観とメジャーと折り合いをつけて商業的にも成功させていたのに。
59)「女王陛下の007」〔On er Majesty's Secret Service〕(DVD) ☆☆☆★★★
1969年 イギリス ユナイテッド・アーチスツ カラー シネスコ 130分
監督/ピーター・ハント 脚本/ ウォルフ・マンキウィッツ リチャード・メイボーム サイモン・レイヴン 出演/ジョージ・レーゼンビー ダイアナ・リグ テリー・サヴァラス ガブリエル・フェルゼッティ
ま、自分はリアルタイムで観たことを一番に主張する程でもないので、ビデオで観たコネリー=ボンドがベストだと思ってしまう。作品としても。リアルタイムで観ているピアーズ・ブロスナンも好きだが。
コネリーの作品中では「サンダーボール作戦」がちょっと落ちて、「ダイヤモンドは永遠に」がかなり落ちるが、それ以外は「ロシアより愛をこめて」を筆頭に秀作揃いだ。
二代目にして唯一のジョージ・レーゼンビー=ボンドの「女王陛下の007」は10年前に観たきりだったが、作品としては良かったが、やはりジョージ・レーゼンビーに嫌気が差して全体の印象が良くなかった。久々に再見すると、やはりレーゼンビーが嫌らしくて駄目なのだが、作品はこんなに面白かったかというぐらい良かった。どうも初見時は作品としての面白さはわかりつつも、いつもとかなり調子が違うので違和感があったようだ。派手な要塞がないとか、小道具が出てこないとか。しかし、だからこそ良い。編集出身のピーター・ハントらしく、編集に依存したショットが幾つか見受けられていただけないが、シリーズ中でも上位に入る秀作。