「キネマ旬報」の実質的終焉

 岡田秀則氏の日記に、今号でキネ旬が巻末の「日本映画紹介」と「外国映画紹介」を終えたと書いてあって、驚いて今号のキネ旬見たら、巻末の編集部だよりに僅かにそう書いてあった。全く気付かなかった。「日本映画紹介」「外国映画紹介」とは、公開される全ての作品の詳細なスタッフ、キャスト、あらすじが書いてあるもので、いつからやっているのか知らないが、それこそ創刊間もない頃からやっている筈で、キネ旬の記録性はこの欄が支えていると言っても過言ではなく、それをいとも簡単に無くすとは、キネ旬の存在価値そのものが失われるに等しい。
 正直言って、この欄をマトモに眺めることはめったに無く、近年の公開本数の増大で、掲載に難儀している風があったのは読んでいて思ったが、最後のオチまで書かれたあらすじの記された一覧は必要なのであって、キネ旬は一時期はそれらを纏めた全集本も出していたが、時代状況の変化でそれが不必要になったとは思えない。ネットに書かれた情報の不確かさを考えれば、キネ旬の名を背負って正確な記録は必要なのだし、国内で公開された全ての映画を網羅しているデータベースとして必要な欄だと思うが。
 これならもう、キネマも旬報も現在では使われない言葉なのだから即刻止めて、「Invitation」なり「ピクト・アップ」なり「Qrank」と並ぶような雑誌名に変えれば、少しは多方面に売れるのではないか。