DVD「犬神家の一族」コレクターズ・エディション発売

犬神家の一族 コレクターズ・エディション (初回限定生産) [DVD]
 「戦国自衛隊」同様、公開前に出るだろうと思っていたので、やはり。

HDテレシネによるニューマスターをさらにレストアした究極のデジタルリマスター版。オリジナルの映像美を限りなく忠実に再現している他、音声もDTSフルレート収録で、これまでにない高音質を実現している。封入特典として、解説書や縮刷版復刻パンフレットの他、特典DISCも収録した初回限定のコレクターズ・エディション。

■特典DISC内容
・「検証〜『犬神家の一族』はこうして作られた〜」(関係者インタビューと当時の資料写真、メイキング映像等)
・インタビュー:「市川崑 映像の秘密」(レーザーディスク版に収録されていた映像の再録)
・旧作特報
・メイキング:新作「犬神家の一族」ちょい見せ舞台裏映像
・インタビュー:新作「犬神家の一族一瀬隆重プロデューサー

■封入特典
・解説書
・縮刷版復刻パンフレット

2006/12/08発売 5600円


 本作のビデオ、LD、DVDと買い続けている身としては、当然購入しなければならず、本当は同じ映画を買い直し続けるなんて大嫌いで、その金があれば未見の作品を観ていく方がよほど良いと思ってはいるが、幾つかこればかりは、という作品がある。
 角川映画の初回DVDは特典もない無愛想なものだっただけに、こうやって買い直しさせられるのが腹立つが。どーせまた直ぐにブルーレイで買いなおして‥ということが延々と続くんだろうか。
 以前出たDVDは青がかっていると言われ、欠陥商品ではないのかというハナシもあった。それに比べて、その前に出たLD版が遥かに画質が良いと言われていて、双方観てもその意見はわからなくもないと思ったが、3年ほど前にフィルムセンターで市川崑の特集上映があった際に初めて「犬神家の一族」をフィルムで観たら、DVDと色合いがかなり近い青がかったものだった。
 今度のコレクターズ・エディションの画質が気になるところだ。「検証〜『犬神家の一族』はこうして作られた〜」とか書いてあるが、角川春樹の存在なくして語る気なのかどうか。特典の目玉であろう復刻パンフとか、高校の頃に一気に集めたのでいらんとか、LDに収録されたいた森遊机インタビューの「市川崑 映像の秘密」も持ってるからいらんとかあるのだが、それでも買わねばんらないのが辛いところだ。

   尚、「犬神家の一族 コレクターズ・エディション」と同日に、工藤栄一が監督した古谷一行のテレビ版「犬神家の一族 上巻」「犬神家の一族 下巻」も再発売される。

犬神家の一族 上巻 [DVD] 犬神家の一族 下巻 [DVD]
 言うまでもないことだが、現在まで続くTBS製作の2時間枠のスペシャルドラマとしての古谷一行金田一シリーズとは別物で、MBS製作の「横溝正史シリーズ」として1時間枠の連ドラとして映像化したもの(同じTBS系列なので妙に思ったりもするが、MBSのシリーズ終了から5年後、TBSがやり始めた際にはMBS側には挨拶がなかったそうだ)。この試みが良いと思えるのは、やはり1つの作品を2時間枠に押し込めるのではなく、平均5話ぐらいかけて描くので、かなり原作に忠実に細かい部分まで描くことができている点だ。金田一モノは、現在でも盛んにテレビでリメイクされているが、この方式こそを受け継いで欲しいと思う。そういえば 、古谷一行こそは、石坂浩二に先立つ形で同じ作品のリメイクで金田一を演じている稀有な役者ということになる。「本陣殺人事件」や「八つ嘉村」「悪魔の手毬唄」などは、「横溝正史シリーズ」の後でTBSの2時間枠でリメイクされている。
 DVD初期自体にジュエルサイズで一気に全作出たが、学生の頃且つ連続テレビシリーズで話数が多いので1枚組みでもその頃だから高かったり、2枚に分けてあったりして一気買いできず、そうこうしている内に廃盤になって入手不可になった。主要作は買っていても、「仮面劇場」や「真珠郎」「仮面舞踏会」みたいな原作にも愛着がないものを買うのは抵抗があって後回しにしていたせいで、入手できていないのが何本かある。このシリーズは、監督が工藤栄一池広一夫斎藤光正、蔵原惟繕出目昌伸鈴木英夫、渡邊祐介、松尾昭典などが登板しているのが今から考えても凄いし、出演者も豪華だし。殊に斎藤光正の「獄門島」などは素晴らしかった。この評価が映画版「悪魔が来りて笛を吹く」起用に繋がる。
 「犬神家の一族」が再びヒットして、テレビでも映画監督を起用して連続シリーズで金田一をやるような状況になれば良いが。