イベント 〜真面目で妖しいロマンポルノ本の決定版!『愛の寓話 vol.2』刊行記念イベント開催!!〜『ロマンポルノNIGHT in 歌舞伎町!』

9) 〜真面目で妖しいロマンポルノ本の決定版!『愛の寓話 vol.2』刊行記念イベント開催!!〜「ロマンポルノNIGHT in 歌舞伎町!」 (ロフトプラスワン

今、紳士淑女の“密かな愉み”として静かなブームのロマンポルノ。その真実に迫る書籍『愛の寓話』の刊行記念イベントを行います!
 現在も活躍中の金子修介がデビュー作にして伝説のスポ・コン&パロディポルノ『宇能鴻一郎の濡れて打つ』について語る他、巨匠・名匠のムチャクチャな要求に振り回されたスタッフたちの、申し訳ないけど思わず笑わずにはいられない撮影現場裏話等が、夜の歌舞伎町に花咲きます。ファンから初心者まで楽しめる、ロマンポルノがすぐに観たくなること請け合いのイベントです! 
当日はDVD映像を使っての作品解説の他、監督たちのサイン入りグッズが当たる抽選会も実施します。また、『愛の寓話vol.1&2』&来場ゲストのロマポDVDのサイン即売会も実施します(予定)。

【出演】
第一部
金子修介/監督(聞き手:剱木久美子/ライター、脚本家)
* 自作『宇能鴻一郎の濡れて打つ』を中心に金子監督がロマンポルノについて語る。
第二部
高橋伸行/製作+村石直人/撮影+芳田秀明/監督

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 先日のABCに続き「愛の寓話」刊行記念イベントとして行われたもので、様々なロマンポルノ関係者からの証言を聞くことができるのは嬉しい。
 第一部は金子修介で、「ガメラ3 邪神覚醒」の頃に見て以来生で見たが、かなり老け込んだ感があるものの、今年は新作3本連続公開且つ大ヒットを飛ばしているのだから終止機嫌良さそうで、「日本沈没」にイヤゴト言ったり、南里幸の甘木モリオ改名問題に踏み込むような発言も一切なかった。
 金子修介のロマンポルノへの発言というと、自分の持っている範囲では「ガメラ監督日記」や、「映画芸術」に載っていた2000年に行われた渋谷パンテオンでのロマンポルノ特集での採録ぐらいでしか知らないので、随分と新鮮だった。
 「宇能鴻一郎の濡れて打つ」を部分部分を流しながら金子修介が演出や撮影中のエピソードを語るという構成で、当時からの徹底したアニメ寄り演出や出崎アニメへの言及など、金子修介の作家性を捉える上でも貴重なものだった。
 いかにも金子らしいのは、当時にっかつ撮影所ではロマンポルノ以外でも「野生の証明」や山口百恵映画を撮影していたので、出演者を目撃することは多かったが、自分がいちばん嬉しかったのは、食堂で飯食ってる森次晃嗣を見た時だというハナシか。
 印象的だったことの一つに、撮影所システムが稼動していたことの象徴として、現在なら雨降らしなどをやりたいと言っても渋い顔をされることが多いが、にっかつでは特に嫌な顔をされることもなかったという。
 第二部は、金子が司会となり、高橋伸行、村石直人、芳田秀明が登壇して、当時の各監督、作品のエピソードが語られた。バックに流れるのは「ザッツ・ロマンポルノ 女神たちの微笑み」。
 来る前はこのメンバーで知っているのは芳田秀明が「淫らな唇 痙攣」の脚本書いてたなあ、というぐらいで、一応彼等のフィルモグラフィーを調べてみたら、随分ロマンポルノ末期のようなので、語られるのもその頃のハナシぐらいかと思っていたら、よくよく考えればチーフじゃないからクレジットされていないだけで、神代辰巳曽根中生田中登小沼勝らの作品にも彼等はついていたので、濃厚なエピソードが披露されて面白かった。
 金子が「人妻集団暴行致死事件」に助監督で就いていたのは知らなかった。神代にも3本ほど就いていて、唯一尊敬に値する監督だと思ったとのこと。
 芳田秀明は小沼勝や、山城新伍池田敏春の現場がどんなんかを悲痛な叫びとして語っていたが、『ブログに書くな!』と何度も言っていたので、書かないことにする。
 曽根中生の現況と九州目撃説が語られたところでお開き。
 主催者によると今後もこういったイベントを続けたいそうなので、是非様々なロマンポルノに携わった人たちの証言を聞いていきたいと思った。