中古VIDEO 「ハーレム・バレンタインデイ」

26)「ハーレム・バレンタインデイ」(泉谷しげる



 5年ほど前にネコ・パブシッリングから出た「Pink & Porno 銀幕のエロティズム」という本は、ピンク映画とロマンポルノを歴史も踏まえながら入門的にざっと観て行くには丁度良いナビで、これで随分教えられた作品がある。「ハーレム・バレンタイデイ」はここか、その前にぴあのカタログでタイトルを覚えたのか何だったのか忘れたが、『ピンク、朱に染まれ!』というスローガンを掲げて、ディレクターズ・カンパニー結成第一弾作品として高橋伴明プロデュースの下、3本立てピンク映画が製作された。1本は高橋伴明監督作品「狼」、もう1本は宇崎竜童監督で「さらば相棒」、そしてもう1本が泉谷しげるの監督で「ハーレム・バレンタインデイ」だった。公開当時は幼少時だったので実際にどれくらいの盛り上がりがあったのか、知りたいと思う。

 泉谷しげるは8mm、16mmでの監督作品もあり、特に「拳銃殺陣師」などが有名だが、観たいと思いつつ、未だに観る機会を得ていない。本作では制作進行を勤めた石井聡互の「突撃!博多愚連隊」に嬉々として出演する泉谷しげる程度しか8mm、16mmでの泉谷しげるを知らないので、観たいと思う。

 本作は未見のままだったので、新宿TSUTAYAで300円で購入。

 それにしても、中古ビデオを買うのはそろそろ止めたいのだが、どうすれば止められるのか。村上賢司監督の書かれていた悲痛な中古ビデオ地獄を共感を持って読んでいたが、これは自分もそうだが中古ビデオ病を更に細分化させた中古ビデオTSUTAYA症候群なのではないかと。よくよく考えれば、中古専門店でくまなく探せば、TSUTAYAでレンタル落ちしたものを買うよりも安く、画質の良いものを買える筈である。しかし、TSUTAYAの側を通ると普段レンタルで使用している店でもないのにフラフラと入ってしまう。どうもTSUTAYAの中古ビデオの在庫の少なさが魅力の一つなようで、一目で何が置いてあるか把握できるので短時間の滞在で済む。又、時としてレンタル落ちならではの作品が出てくることもある。それに繁華街の真ん中にあるからついでに立ち寄りやすい。といった理由が中古ビデオTSUTAYA症候群を発生させる原因になっているようだ。

 そういう意味では新宿TSUTAYAは5Fのレジ横に大きな棚を置いて中古販売を充実させてくれているのは良いのだが、異様な値段がついていたりする。千円とかあるのだ。誰がイマドキ中古ビデオに千円出すのか。基本的に自分の現在の中古市場価格での最大値は300円がいいところで、それ以上出すならDVDの方が良いと思ってしまう。今日観たら、高橋伴明や「手錠」等、ピンク系が大分放出されていたので喜んでいたら、800円なので止める。ま、ココは売れなければ値が下がるので待っておけば良いが、中古ビデオに800円出す奴もそうそういないだろ。

 因みに現在のねらい目はTSUTAYAよりむしろGEOだ。