映画 「愛妻日記」「饗宴」 

molmot2006-09-28

 昨今のビデオ上映についてご意見のある方、「愛妻日記」を是非劇場でご覧いただきたい。明日で上映は終了するので、無駄遣いさせて申し訳ないが、この画質を映画館で金を盗って流すのを許して良いものか観て判断していただきたい。
 1週間だけの上映とは言え、サトウトシキ監督の新作だと楽しみにして観に行ったのだ。作品自体は魅力ある箇所も多い優れた作品だったが、近年、こんな酷い画質での上映を観たことはない。ビデオ上映作品はもう好き嫌いなど言っている場合ではなく、観たい作品がビデオ上映ならば仕方の無いことで、又、そう画質に問題があるということもない。だから本作も安心していたのだが、はっきり言って金を盗れるものではない。本当にユーロスペースはこれで正規の料金を盗っていることに罪悪を感じないのか。
 プロジェクター上映でこれだけ酷いのは自主映画の上映会でも間違ってハーフ画質で出力したとかで無い限りありえない。Hi8で撮ったのかと思うような画質で、商業作品として劇場のスクリーンに映写するようなレベルではない。自然光が入れば肌の色は飛びまくりで、ロングになればボケボケに。音声に数回ノイズも乗ったし、何で出力しているのか。画面下にノイズが出てなかったのでVHSなどではないだろうが、正にVHSで再生しているような画質である。編集段階で一度アナログ出ししたのだろうか。大体アタマとケツの黒味が既に黒ではなく、縦縞も入っているし、全くありえない。
 サトウトシキの新作が何故こんな酷い上映のされ方になっているのか。編集段階か、上映用マスター作成時の問題なのか、プロジェクターの問題なのか。続く「饗宴」は「愛妻日記」に比べれば画質は良かったが、それでも現在の多くの他のビデオ上映作品と比べればかなり荒い画質で、こちらはDVX-100系の色だったが、こうなると、プロジェクターかマスターに問題があるのだろうか。
 このシリーズは毎週通うことにしようと思っていたが、こんな欠陥上映なら劇場に行くのは控えさせてもらう。

229)「愛妻日記」 (ユーロスペース) ☆☆★★

2006年 日本 「愛妻日記」製作委員会 カラー ビスタ 68分
監督/サトウトシキ     脚本/橋本浩介     出演/永井正子 戸田昌宏



230)「饗宴」 (ユーロスペース) ☆☆★

2006年 日本 「愛妻日記」製作委員会 カラー ビスタ 62分
監督/緒方明     脚本/中野太     出演/杉本哲太 村松恭子 伊藤洋三郎 速水典子