雑誌 『キネマ旬報 2006年 12月下旬号』『ダ・ヴィンチ 2007年 1月号』『シナリオ 2007年 1月号』『僕たちの好きな金田一耕助』

96)『キネマ旬報 2006年 12月下旬号』 キネマ旬報社
97)『ダ・ヴィンチ 2007年 1月号』 メディアファクトリー
98)『シナリオ 2007年 1月号』 シナリオ作家協会
99)『僕たちの好きな金田一耕助別冊宝島 宝島社

キネマ旬報 2006年 12/15号 [雑誌] ダ・ヴィンチ 2007年 01月号 [雑誌] シナリオ 2007年 01月号 [雑誌] 僕たちの好きな金田一耕助 (別冊宝島)
 
 96)『犬神家の一族』特集号ということで、30年前の犬神特集号のキネ旬と比較してみる。

最大の違いは、30年前には、脚本が掲載されていたということで、今や城戸賞ぐらいでしか脚本が載ることはないキネ旬だが、もう一度往年の慣習を取り戻して欲しいと思う。シナリオを学ぶ以外の者にも有益な筈で、シナリオを読めない、解せないというよく言われる問題は、こういうところで常時掲載されることで、僅かでも読み慣れることができる筈だと思うのだが。
 樋口尚文がなかなか辛辣な批判を行っていた。しかし、<脂がのっている頃は右脳のイメージでさくさくと枝を切るが、老熟すると左脳の法則にのっとって手が動いて>なんて物言いは、悪く言うつもりはないのかもしれないが、まったく感心しない。
 一方、石坂浩二インタビューで、よく言われる『病院坂の首縊りの家』の続編案について、個人的には原作がちっとも面白くないので、そんなもんより次やるなら『本陣殺人事件』『三つ首塔』『悪魔が来りて笛を吹く』あたりが良いなと思っていたが、増当達也が語っている<ハーフ・リメイク>案を読むと、確かに悪くないと言うか、観たいという思いを抱く。ただ、石坂浩二も意欲としては『本陣殺人事件』のようで、これは犬神がそこそこ当れば、一瀬Pは降りようとも、東宝単独製作ででもやって欲しい。『悪魔の手毬唄』並に即作って公開して欲しいものだ。何せ91の監督だから油断すれば危ない。
 98)『長い散歩』(桃山さくら・山室有紀子)、『大奥』(浅野妙子)、『酒井家のしあわせ』(呉美保)、掲載。
 北川れい子の旦那が、『犬神家の一族』の撮影現場で、市川崑が<つまらない、つまらない、を連発しながら撮っていたというゴシップが伝わる一方、遺作(に相応しいもの)にすると熱っぽかった、とも伝わってくる>と、なかなかイランこと書いていて良かった。手塚昌也に任せてプイと帰ってしまったこともあるという噂はやはり本当なのか。一瀬Pの徹底的に変えないで撮れという指示が、市川崑を苦しませたのかどうか。一方、『八つ墓村』にようにはしない、という成功作を作る為の一瀬Pの方法論がこれだと考えると、またイロイロ思うところもあるが。
 99)書店で中をパラパラと見た段階で、イランと思ったが、一時期の謎本ブームで横溝や金田一を孫まで含めて書いていたような、くだらない本も全て買っていたので、10年振りに金田一関係のムックがイロイロ出るのだから一通りは一応買わねばならず、仕方なく購入。まあ、原作で少し残っている未読分を確認する時にでも使うかな、と。
 しかし、成城まで取材に行って、東宝撮影所まで書くんなら、近所の『病院坂の首縊りの家』のロケで使われた坂も探してこいよと思う。
 映像方面の資料は杜撰かつ大雑把で使い物にならず。